FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

後朝(きぬぎぬ)

2005年08月18日(Thu) 07:24:24

「ただいまぁ」
放心したような声で妻が戻ってくる。
いつものように、朝帰りだった。
はだけたブラウスのすき間から、黒のスリップがふしだらにのぞいている。
ストラップが肩からはずれかかるくらい着崩れているのも丸見えだったが、妻はあまり気にとめていないようだ。
ふだんきちんとした身なりをしていないとガマンできないはずなのに。
夕べ出かけていったときにはキリッとした折り目正しいスーツ姿だった妻。
いまは、おなじ服とは思えないくらいに乱れた恰好になり果てていた。
不似合いなあしらいに淫らにゆがめられた礼装。
そうしたアンバランスな眺めにひどくゾクゾクしてしまう、恥知らずな私。

子供たちはまだ寝静まっている。
よく見るといつになく子供じみた光をたたえた瞳はどことなく、焦点が合ってない。
吸い取られた血液の見返りに注入された毒液が、まだ体内をぐるぐるかけめぐっているのだろう。
こういう仕打ちは、良家の主婦に取っては耐えがたい屈辱であるはずだ。
罪悪感を麻痺させて、ほどよい愉悦にすり替えてしまう、魔性の液体。
「ほらぁ、見て。ハデに破かれちゃった~^^;」
スカートをたくし上げて、妻は屈託なく笑う。
光沢を滲ませたナイロンの表面をいく筋も走るストライプ模様に目を奪われるひととき。
踏みしだくようにして蹂躙された礼装。
このうえをどれほど執拗に、好色な唇が這い回ったことだろう。
嫉妬に顔色を変える私の様子を、面白そうに窺う妻。
引き上げられたスカートの裾からガーターがチラチラのぞいていた。
「リクエストされちゃったの。穿いたままヤレるからって」
口許のえくぼを意地悪く浮かべて、妻がつづけた。

―――いやらしいのよ、なんども唇吸いつけてきて・・・よだれなすりつけられて・・・
―――夕べはお仲間のかたが三人も、いらしたわ。私目当てだっておっしゃるのよ。応じちゃった。^^;
―――吸血鬼にもお盆ってあるのかしら。ねぇ。
―――かわるがわる、のしかかってきてね、私も、抵抗したのよ、一応は。あなたのこと思い出しながら・・・
―――入れられるたびに、「あなた、ごめんなさい」ってつぶやくの。
    でも硬あ―――いの突っ込まれちゃうと、もう夢中になっちゃって・・・
―――はっきり言って、あなたのより、硬いわ。
    それに、すんごく奥まで入り込んでくるのよ。
    ごめんね、凄く感じちゃった。
―――今夜もお誘い、受けてるの。名誉なことだわ。認められたんですもの・・・
―――精いっぱい、性欲処理してあげなくちゃ。もちろん、伺ってもかまわないわよ、ね?


大人しやかな唇からたくまず洩れてくる、扇情的な言葉。
彼らに言わされているのか。それとも本音なのか。
少なくとも妻が私の反応を愉しんでいるということだけは、まちがいない。
前の記事
出迎え
次の記事
帰省

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/429-d93a5cad