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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

妻の血を吸う屍鬼

2005年11月07日(Mon) 06:46:33

「すまないね」
口許に、さっき私から吸い取ったばかりの血をまだてらてらと光らせながら。
ヤツはしんみりとお礼を言った。
両親ともども吸い殺されて。
ヤツの家は死に絶えている。
そんなヤツが哀れに思えて。
ねだられるままに、私の血を譲り渡してやった。
そして、妻をも・・・

傍らに控えている妻は、
まず渡しのほうをふり返り、赦しを乞うように目線を潤ませて。
それからヤツに丁寧に一礼すると、
何かに耐えるようにぴったりと、まぶたを閉じる。
ヤツは持っていたハンカチで、
口許についた私の血をさらりと拭い取ると、
まだ渇いている唇をおもむろに、妻のうなじに近寄せた。

素肌に唇が触れ、
唇に秘められた牙がちくりと皮膚に刺し込まれる。
うぅん・・・
妻はひくくうめいて。
すこしだけ痛そうに、眉をひそめる。
きゅうっ。きゅうううっ・・・
静かに、けれどもとてもナマナマしい音をたてて・・・
妻の体内から血液が引き抜かれ、
じょじょにヤツの喉を充たしてゆく。
裡に秘めた貴いものが、ただの物質となって。
瞬間移動をつづけてゆく。
それはたんに食欲を満たすだけの行為ではない。
獲られる血が私のものではなく、妻のそれであるとき、
彼の表情はとても淫靡に輝いている。
冷えた板の間に妻を抑えつける掌にこめられた卑猥な情熱は、
ブラウスを通して妻の素肌に届いているのだろうか?
そんな欲情を知ってか知らずか、
ひたすら身をくねらせて、吸血の妖しい苦痛に悶える妻。
苦痛に耐えるようにみえて。それは彼女にとって、ひどく甘美なひと刻――。
あたかも男女の営みのように恍惚とした面持ちで。
忘我の刻を過ごしてゆく。

うら若い血潮をこくり、こくりと喉を鳴らして、
さも旨そうに、満足そうに、ヤツは味わいはじめている。
ひとの女房をつかまえて。淫らな毒液を吹き込んでゆく。
皮膚に染み透る毒液に支配された妻は、うつろな目になって、
求められるまま、スカートをたくし上げて。
もはや恥らうふうもなく、ふくらはぎや太ももまでも、ヤツの牙にゆだねてゆく。

薄手の黒のストッキングがなまめかしく染めあげた、女の肌。
くしゃくしゃになるほどいたぶるようすに、
初めのころこそ目をそむけていたけれど。
淫靡に歪むナイロンの皮膜は、夫である私をさえ、ただの男として欲情させてしまっている。
アラ。イケマセンワ。イヤラシイ・・・
妻はことさら眉をしかめて、折々文句をさしはさみながら。
それでも唯々諾々と、不埒な唇のまえ、ストッキングの脚を惜しげもなくさらしてゆく。
チリチリに破かれて、剥ぎ落とされて。
夫の目にも眩しい白い脛が、大胆にむき出しになっていて。
清楚な礼譲を示していた淑女の装いは、
挑発的に歪んだ不規則な裂け目をひろげてゆき、
淫らに輝く白い肌に、妖しい彩りをよぎらせてゆく。
妻が、娼婦に堕ちてゆく。
まがまがしい予感が、わき上がる。
えもいわれぬ愉悦をさえ、伴って・・・
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