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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

あら、時間・・・。

2006年08月20日(Sun) 06:35:47

あら、時間・・・。
妻のサトミは腕時計に目をやって。
こちらを振り返ると、薄っすらとほほ笑んで。
お約束の時間なんです。ちょっと、出かけてまいりますわね。
まっ白なワンピースに包んだしなやかな肢体が、ドアの向こうへと。
すべり込むように消えてゆく。
同居している母のシズエは、もう先刻。
なにかに呼び出されたようにハッと顔色をあらためて。
わが身を紛れ込ませるようにして、夕闇の彼方へと姿を消していた。

夜更け―――。
玄関先でドアを開けたてする音が、にわかに聞えてきた。
ふたり一緒に、戻ってきたようだ。
開けっ放しの寝室のまえを横切ってゆく、ふたつの影。
白のワンピースの下は、ノーストッキング。
たしか家を出るときは。
肌の透ける黒いストッキングが、ひざ小僧に刺激的なまでの光沢を滲ませていたはずなのだが。
黒のスーツの下には、やはり黒のストッキングがきちんとまとわれていたけれど。
よく見ると薄っすらと、縦に伝線を滲ませている。
ふたりの襟首からのぞくのは、断ち切られたブラジャーのストラップ。
不埒な手が、ふたりの衣裳の奥深くまで侵入したのを裏づけていた。
そんなものがはみ出したままの恰好で。
ふたりは家路をたどってきたのだろうか?
誰見咎めるものもない夜更けの道とはいいながら。

あらお義母さま、あまりしつこくされなかったんですね。
とにもかくにも、まだストッキングを履いている母を、
妻はさりげなく冷やかしている。
いえいえ。履き替えを二足も、用意していったのですよ。
あら。まぁ。
秘めやかに戯れ合う、柔らかい声色たち。

どうやら気づかないふりをして、寝ていたほうが賢明だ。
そう思って向こうに寝返りをうったとき。
ママ・・・
か細い泣き声が、妻のほうへとかけ寄っていった。
あぁ、いい子いい子。
声色はすぐに、優しい母親のそれにすり変わっている。

さして手を焼かせずに子供部屋のドアが閉じられると。
あの子も、いずれ・・・
そうね。中学にあがる頃かしら。
悪い大人たちは、そんな囁きすら交し合っている。
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