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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

女ともだち♪

2006年08月31日(Thu) 07:51:26

石畳のうえ、ヒールの音をコツコツと響かせて。
連れの友だちとも別れて独りであるく帰り道。
フッと立ちふさがったのは、女の影。
見覚えのある・・・どころか。
さっき献花をしてきた向こう側でほほ笑んでいたはずの遺影が、
リアルに髪を風になびかせている。
「裕美・・・」
そう、死んだはずの裕美が。
いま目のまえで、蒼白い頬に、冷たい笑みをたたえていた。

「参列、ありがと」
にっこりほほ笑むと。
こちらに近づいてきて。
「華代の喪服、一流ブランドのやつだよね」
誤りなく、ブランド名を口にすると。
「気に入りだったんだ~。この服。だから今夜はあなたを選んだの」
「え・・・?」
「見て、この傷・・・吸血鬼に咬まれたの。痛かったわ」
死因は失血死。そう聞いてはいたけれど。
それ以上のことは、ご家族は口を鎖して語ってくれなかった。
「母と妹は血をくれたの。あなたの血も、欲しいわ」
抗う隙さえ、あたえられなかった。
気がついたときには。
しっかりと抱きすくめられていた。
力まかせに、うなじをえぐられていた。

女どうし。それに一対一。
やめさせようとすれば、やめさせられたかもしれない。
ふりほどこうとすれば、逃れることもできたかもしれない。
けれど。
なぜか、力の込めかたが分からなくなって。
ただ闇雲に、もだえるばかりだった。
そのスキに・・・
吸血女は一滴余さず・・・とばかり。
情容赦なく、ひたすら血を吸いあげてゆく。
ちゅー、ちゅー、きゅううぅ・・・っ。
拍子抜けするほど、あっけなく。
ばかみたい・・・と思うほど他愛なく。
血はどんどん、吸い取られていった。

気がつくと。
路をはずれた草むらのなか、二人で抱き合っていた。
裕美は嬉しそうに、体のあちこちに咬みついてきて。
牙を差し込まれるたび。
くすぐったいような痛みが、ちくり、ちくりと胸をさす。
もうどうなってもいいや・・・
そんな気分に、なっていた。
わたしの血、気に入っちゃったみたい。
そんなに美味しいんだったら。
吸い尽くさせてあげても、いいかなっ?
「華代のストッキング、いい感じね。薄くて色っぽいし・・・履き心地はどうなの?」
「エ・・・わりといいのよ。安物だけど」
「そんなことないよ。こだわってるよ。・・・破っちゃって、ごめんね」
「ウウン。どうせ帰り道の心配、しなくてよさそうだし」
「そうだね。そうだよね・・・気の毒だけど、あなたの血。独り占めにしちゃいたいな」
蒼く輝く瞳に魅せられるように。
しぜんとセミロングの髪の毛に手をやって、
うなじを吸いやすいようにと、かきあげてしまっている。
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