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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

華代の父

2006年09月03日(Sun) 08:04:49

いつの間にか、家族を侵蝕されていた。
亡いはずの上の娘は、知らないうちに帰宅していて。
まず下の娘を。
そして次には、妻を。
仲間のところへと、連れていった。
若い女の生き血を、たっぷりとあてがうために。

無表情な日常が、きょうもまた過ぎてゆく。
妻も下の娘も。
何もなかったように、暮らしている。
妻が勤め先から。娘が学校から帰宅して。
私の帰りは、さらに遅い。
おのおの別々に、夕食を済ませて。
夜も更けたころ。
家には女たちの嬌声が満ちる。

わたしは血のほとんどなくなった身をベッドに横たえて。
妻が解放されて戻ってくるのを待っている。
なにも、知らないことになっているから。
そうしているより、なかったのだ。
階下の茶の間から洩れてくる呻き声は、苦痛よりもいっそうの享楽を。
ふさぎかけた耳の奥まで、伝えてくる。

華代が部屋に、入ってきた。
こういうことは、まれだった。
妻や下の娘の血を譲り渡したことを、悪びれもせずに。
娘はいつも、嬌声をあげる母親や妹を冷ややかに見つめていた。
わたしを見る目も、冷ややかだった。
みちるちゃん、来たでしょ?
ああ。
歌枝子も、来たわね?
ああ。
じゃあ、裕美ちゃんも・・・?
・・・・・・。
詰問口調は、そこまでだった。
娘に私を責めることができようはずもない。
交換条件のように、わが身をあてがってくる年頃の娘たち。
いずれもいちどは、血を吸い尽くされたはずだったが。
皮膚のぬくもりは、本物だった。
けれども彼女たちの皮膚を暖めているのは、妻や娘たちから吸い取った血。
そんなおぞましい事実を忘れたくて、ひたすら淫楽のかぎりを尽くしていった。

華代はちょっと目をそむけ、ため息をついた。
翳りを帯びた面持ちは。
父親のわたしすらはっとするほどに、美しかった。
信じられない言葉が洩れたのは、そのときだった。
じゃ。きょうはわたしが・・・
有無を言わさずブラウスの胸元に手をやった娘は、
ほんのひと呼吸の間に、輝くように白いもろ肌を、惜しげもなくさらけ出している。

どうしてそんな恥ずかしい展開を受け容れてしまったのか、記憶が飛んでいる。
あるのはただ、熱い吐息の応酬だった。
母親似の彫りの深いノーブルな顔だちに、甘い呻吟をよぎらせて。
娘は娼婦のごとく、女になりきっている。
若かったころの妻と興じているような錯覚を、交えながら。
なんのためらいも、罪悪感もおぼえずに。
娘の身体を、ただの男として愉しんでしまった。

ベッドのうえ、身を離すと。
露出した白い肌をこれ以上見られるのを拒むように、一瞬目をそむけて。
つぎの瞬間。
ぱしっ。
頬に痺れるような痛みが走った。
また、来るわ・・・。
伏し目がちにいい置いて華代が出てゆくと。
入れ違いに戻ってきたのは、妻。
元気ね。あの娘達。
苦笑いしながら。
脛に破れ残った肌色のストッキングを、
チャッ、チャッ、と。むしり取るように引き剥いでいる。
思わず肩を引き寄せた妻は、いつもよりずっと従順だった。


あとがき
こういう立場のお父さんを描くのは難しいですね。^^;
守るべきものが妻であるよりも、娘である方が切実でしょうから。
見返りを受けて家族の血を吸わせるのは屈辱なはずなのに。
いつかそうした関係を受け容れてしまっているんですね。
オイオイ・・・とつっこみたくなりますが。
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