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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

乱れる女 視る女

2006年09月13日(Wed) 23:03:17

このひとは、ただのカゼ。こちらの患者は、高血圧。
瀉血がすむと、シジマ先生を呼んで。
すぐに処置をと、依頼する。
看護婦に似せた装いはよく見ると、
白衣に白のストッキングだけ。
中身は完璧な、女医である。
長い黒髪を根元から束ねて、細い首筋をきりりとあらわにしたところなどは。
ちょっと見ごたえある風情なのだが。
なにしろこちとらは・・・首根っこをつかまれている。(><)

こんちはぁ。
学校が終わるころ。
病院を訪れるのは、院長の娘・里江子。
結婚記念の海外旅行を両親にプレゼントして、かわりに病院を手伝いにきている。
どんな手伝いを・・・って?
もちろん、院長のアシスタント。
軽く手のひらをそよがせて、おいでおいでをして差し招くと、
スリッパの音をぺたぺたとさせて、素直にこちらにやって来る。

シジマ先生が、感心していたのだぞ。
なにしろ病名をすぐ、当ててしまうんだからな。

オレは彼女のまえ、がきっぽい自慢をする。
それでも彼女はすぐさまへらず口でやり返してくるから、油断ならない。
だってその分、血を吸えるわけでしょ?役得ね。院長先生♪
ばかをいえ。
病人の血は、まずいのだ。
なにしろどんな病原菌をかかえているか、わからないのだからな。
正直なところほとんどは、人に見られないように、吐き捨ててしまうくらいなのだ。
エ・・・?そうなの・・・?
女が顔を曇らせたのは。
オレのことを案じて・・・ではむろんなく。
その汚い血のついたままの牙を埋められる・・・と思ったからなのだろう。
安心しろ。消毒ずみだ。
ちょっぴりムッとしながら、そう応えると。
それなら・・・
うって変わって安堵したようにのべられる首筋に。
スッと牙を忍ばせてゆく。

少女を引き寄せようとする背後から、だしぬけに。
かちゃり。
失礼します。
静かな声とともに現れたのは、シジマ医師。
お嬢様がお相手をするときは。ごいっしょさせていただくように申し付かっておりますので。
ふぅ・・・
興ざめだ。
だが、追っ払おうとして素直に座をはずすようなタマではない。
少女をみると、第三者の存在などは眼中にないという風情。
かまわないわよ。早くすませて。
こちらもスッと感情を消した顔をして。
それでも身を投げかけてくるとき、息遣いを微妙に弾ませている。

注射針のような静けさで、少女の生硬な肌に牙を埋める。
ちゅっ。ちゅちゅう・・・っ
少女の血を吸い上げる音が、空き部屋に満ちるあいだ。
女は終始、能面のように凍りついた面持ちで。
身動きもせず、気配さえも消して。
ベッドの傍らの椅子に腰かけて、痴態の一部始終をみとどけてゆく。
犯すわけでは、決してない。
院長が戻るまで、処女のままでいさせる。
そんな暗黙の了解が、カレとのあいだには交わされていた。
けれども、していることはあきらかに、痴態。
きちっと装った濃紺の制服を乱れさせて、
制服の下に秘めたスリップや、好みに合わせて脚にとおしたストッキングの太ももをあらわにして。
なまの唇をおしつけられて、たんのうされているのだから。

おい。頼むからはずしてくれ。ちょっとのあいだで、かまわないから。
気が散ってかなわない。いくらそう訴えても。
女は無言の拒絶を強く秘め、能面の表情を崩そうとしない。
里江子はいつも。女のほうには目もくれないで、むしろ顔をそむけて吸血に応じている。
ブラのうえからまさぐる指も、ハイソックスをいたぶる掌も拒もうとせずに、
むしろ触れやすいように、いじりやすいように、体の向きを変えてくるのだから。
シジマ看護婦の目を決して厭うていないのは、明らかだ。
むしろ安心した面持ちで、積極的に身を投げかけてくるような気さえする。

じっと見ている女。目線を気にせず呼気を乱す少女。
声もなく耽る熱っぽいまぐわいは、美酒に酔うほどに甘美であるのに。
動と静。対極にありながら。
どこか示し合わせているようにさえ思える、女ふたり。
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