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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ちょっと淫らなオフ会 4

2005年10月04日(Tue) 18:09:00

かなり間があいてしまいましたが・・・
二泊三日で東京を訪れた吸血鬼&柏木が、一人の人妻と夜を明かすお話です。
ひと晩めは、首尾よく血を吸い取ったものの、いよいよ・・・というところで、ご主人からの電話が・・・
完結に向けて走ります。^^


チチチ・・・
小鳥が囀る朝を迎えながら。
隣室からは淫らな声がふた色、交わっている。
理恵を帰してしまったあと、吸血鬼は己れの褥に柏木の義母を引きずりこんでいた。
夕べあれだけ迫りながら。
場違いな夫からの電話のおかげで、とうとう淫靡の頂点をきわめるまでに至らなかった。
東京くんだりまで出てきていったい何を・・・
誇り高き吸血鬼にとって、稀な失敗は充分屈辱に価した。
だれのせいでもないのだが。
柏木の義母はうまいタイミングで理恵を引き留めて、そのうえ深夜になるまで独り寂しい時間つぶしをしのんでくれた。
いつも妻を寝取ってやっている柏木も、いつものぶきっちょのわりにはうまく立ち回った。
肝心の理恵はすっかりその気になっていた。
ああ、それなのに・・・
鬱積したエネルギーを発散する対象が必要だった。

それにしても、たいしたウッセキ具合だな・・・
柏木は半ばあきれながら、ふすまの間からふたりの痴態をのぞいている。
かれは義母の髪の毛をつかんで、控えめに口紅を刷いた薄い唇をぱっくりと開かせて、そそりたつ己れの一物を根元まで押し込んでしまっている。
おもちゃのようにあしらわれてしまっている義母。
もはや楚々とした淑女の面影は、かけらもない。
娘である柏木夫人の生き血をたっぷり啜り取ってきた彼のために自らも肌身をさらし、ひたすら従順に彼の欲求に応えてゆく。
そんなようすをわざわざ娘婿の柏木に見せつけて、悦に入っている吸血鬼。
まるでほしいおもちゃが手に入らない駄々っ子みたいなウサ晴らしに、柏木はただ苦笑するばかり。


半裸に剥いた義母を放り出すようにして乱れた褥に残したまま。
吸血鬼は欲情を吐き出したあとのさばさばとした顔つきでダイニングに姿を見せる。
昨晩はいいところまでいきながら、つまらない邪魔が入ったものだ。
ダンナとの会話を端折るようにして切り上げた理恵だったが。
さすがにハッと我に返ったように、
―――アラ、私としたことが。ごめんなさい。ちょっとはしたなかったわ。
そういって、お行儀わるくまくれあがったタイトスカートからむき出しになった太ももを素早く押し隠してしまった。
用意のいい彼女はそのあとも、ハンドバックに忍ばせていたストッキングに履き替えて、かわるがわる二人の相手をしてくれたものの。
とうとうブラウスをはぎ取らせてくれるまでのノリは見せてくれなかった。
そちらのほうは、あとの愉しみ・・・ということで。
三人のなかにそうした同意が無言の裡に流れるなか。
惜しげもなく差し伸べられるふくらはぎに代わる代わる唇をあてがって。
ストッキングに包まれたふくらはぎを凌辱するのに熱中してしまう。
さすがに彼女はよく心得ていて。
切られて脱げ落ちたストッキングやショーツを「最愛の柏木さんに」と握らせて、彼のなかにわだかまりかけた吸血鬼に対する嫉妬を拭い去るのも忘れない。
「柏木さん、たしか黒がいいのよね~♪」
能天気にエッチな戯れを愉しみはじめた理恵。
ちりちりになったストッキングを脱ぎ捨てると、こんどは薄手の黒のストッキングを脚に通して、娼婦のようになまめかしくふくらはぎを染めあげた。
それから夜が明けるまで。
「こんなにモテたの、しばらくよ」
と、頬を上気させながら、襟首のなかをまさぐるまでは許してくれたのだった。


「夫のカン、というやつかな」
自分も吸血鬼に妻を寝取られている柏木は、理恵の夫に少なからず感心している。
「しつっこいダンナだな。せっかくいいところだったのに」
あべこべに、吸血鬼のほうはいまだに未練たらたらだ。
女のまえではどこまでも紳士なくせに、心を許しているせいだろうか、柏木のまえではこっけいなくらいに子供じみたところをみせることがある。
それでも衣裳を濡らしてしまった彼女の帰り道を気遣って、夜空を翔んで自宅に送り届けた彼。
「いつでも忍び込めるようにしたんだろ?」
まめ男を装うウラに隠れたけしからぬ意図を、柏木は正確に見抜いてしまっている。
いちど招き入れられた家には、いつでも忍び込める力を彼はもっていた。
「約束が違うところだったぜ」
たちのよくない悪友に、その点をぬかりなく指摘するのを忘れない。
「流れだよ・・・理恵を最初に食べるのはあんただったな」
「まったく、油断もすきもないのだな」
あはは・・・
屈託のない笑いがかえってくる。
「自宅訪問のチャンスをつくったんだ。それに免じて許していただこうか?」


暑さはまだ、厳しかった。
歌舞伎座前の通りは白々と乾ききって、照り返す太陽の光が陽炎のような熱気を足許に漂わせている。
狭い道の向こう側から見上げると、首が痛くなるほど巨大で、
見ようによっては少なからずグロテスクな、和風造りの白亜の建物。
その中身はしかし、あるときは宝石箱のように、またあるときには玩具箱のように、理恵には愉しい。
きょうの演目は「梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)」。
梶原平三景時は義経を陥れた男として知られ、昔から評判のよくないほうでは屈指の人物。
別名「げじげじ」とまで呼ばれ、悪役と相場がきまっている梶原平三だが、このお芝居では珍しく人情味豊かな善人となって登場する。
いわゆる、「もどり」というやつである。
悪役の善玉返りというのに、理恵は一種独特の好感を覚えている。
テレビドラマの世界でも、悪役でならした俳優が一転していい役を演じ、一躍人気を取ることがあるではないか。
―――吸血鬼もたいがい悪役だけど。
そう思いながらも、理恵は自分の小説のなかで吸血鬼を決して邪悪な存在として扱っていない。

夕べの名残りであるうなじの傷を、肩まで伸ばした髪の毛の陰でまだずきずきさせながら、何食わぬ顔をして連れの女性たちと会話を交わしている自分が、なぜかとても可笑しかった。
いずれも同年輩の女たちであるが、こういう場にふさわしく、皆小ぎれいに着飾っている。
理恵はそうした彼女たちの、色とりどりのスカートやワンピースのすそからのぞいているストッキングのふくらはぎについつい男のような目線を走らせてしまっている。
まぁ、はしたない。
そう思いながらも、
Aさんのふくらはぎ、美味しそう・・・彼らだったらどうするかしら・・・
そんなけしからぬ想像をつい、してしまっている。
知らず知らず、知人達の足許を、いつか吸血鬼の目で観察しているのだった。

彼女のお気に入りである女形の中村初之丞は、きょうも艶麗な演技をみせてくれた。
現代社会だと女装者は異端の烙印を押されてしまうのだが。
ひとつちがう世界では悪役が善玉になり、忌まれる嗜好も芸術ともてはやされる。
いいではないか。
わたしはゆうべ、ひとつの異界をかいま見た。
自分の血管にいくばくか邪悪な毒液が流れているのをひしひしと自覚しながら、夫のいない今夜の情景にドキドキと胸をときめかせていた。

今夜、彼らは来るだろうか―――
来ずにはおれまい。
来て欲しい―――


あとがき
と、ここまではえろがぜんぜんありませんです。
つまんなかったらごめんなさい。^^;
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