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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

妻を抱かれるとき

2006年12月19日(Tue) 06:53:25

いつだって、あなたおひとりのものですよ。
吸血鬼の招待を受けて、出かけるとき。
妻はいつものはっきりとした口調で、そう告げるのです。
薄っすらとほほ笑みながら・・・
お嬢さんのような気品漂う微笑のなかには、軽い冷やかしと悪戯心。
それに奥深い謎が秘められている・・・と感じるのは。
愚かな嫉妬のみせる幻影でしょうか?
むろん、社交辞令などではありません。
普通の夫婦に比べても、はるかに深く愛し合い、気遣いあっていると思います。
けれども、本当にわたしひとりのもの・・・なのかどうか。
彼だけとの刻を愉しむ妻も、いつわりのない妻じしんなのですから。

いまごろどんなふうに・・・と、妄想するときも。
座をわざと外して、覗き見するときも。
もちろん・・・ふたりの熱いところを、これ見よがしに見せつけられてしまうときも。
下腹部にじわり、と疼く熱いものは。
チリチリと焙るようにわたしをさいなみ、道ならぬ愉悦へと引き込みます。

妻がしんそこ愉しんでしまっているのは、間違いないでしょう。
  ただいま。遅くなりました。
きちんと折り目正しいお辞儀をするときなどは。
  何モ、ゴザイマセンデシタノヨ。
しれっとした白面に、すべてを包んでしまっているのですが。
ほぼ、例外なく。
どこかに必ず、これ見よがしな痕跡を残しているのです。
ブラウスの襟首に紅いものを撥ねかせているくらいは、とうぜんのこととして。
ストッキングに、細い裂け目が入っていたり。(それも複数)
スカートの裏地を、ぬるぬるとした粘液でべっとりと濡らしていたり。
端々に、お行儀の悪さをさりげなく隠しています。
  あのひとに、見せつけてやりましょうよ。
彼のベッドのうえ。きっとあれこれと、目論んだのでしょう。
悪い相談に興じているときの妻は、
ノーブルな薄い唇に、ひとのわるい笑みを滲ませていたにちがいありません。
こういうときの妻は・・・わたしの反応さえ、愉しんでいるのです。

許された婚外恋愛を、目の当たりにしてしまうときは・・・
まちがいなく、陶酔のかなた・・・です。
あの身もだえは。切ない吐息は・・・ほんとうに感じてしまっているなによりの証し。
わたしのまえ、恥じらいながら。
  差し上げるのは、たいせつなものなのよ。
  喪うことを渾身で拒みたいくらい。
  でも。
  たいせつなものだからこそ・・・彼に捧げ尽くしてしまいたい。
そう、主張するようにして。
いつもの淑やかさをかなぐり捨てて。
夫の目のまえですべてをさらし、捧げ抜いてしまう妻。
セックスの相性は、きっとわたしよりも彼とのほうが、遥かにしっくりと合っているのでしょう。
  きみの奥さんだと、わかっていながら。
  きみが見ているのだと、感じていながら。
  つい、辱め抜いてしまうのだよ。
決まり悪げにしながらも・・・ついあからさまに、妻への慕情をつのらせる彼。
  ご主人からの贈り物は、くまなく味わい尽くすのが礼儀なのだよ。
夫のまえ、その妻を凌辱するとき。
狂わせてしまった奥方のうえで、決まって呟く彼ですが。
わたしの妻に接するときの熱情は、その刻かぎりのものではありません。
逢瀬を遂げているときはもちろんのこと。
わたしのプライドへの、すきのない気遣いから。
近所の目を気にする妻を迎え取る段取りから。
(このごろはご近所にもしっかり認知されていて、人目を忍ぶ必要はなくなりましたが)
すべてが、配慮に溢れているのです。
息遣いを、熱っぽく重ねてゆくときも。
  愛された証しを夫に見せつけたいの。
妻のそんなおねだりを、しっかりとかなえるため、吸い取った血を着衣にしたたらせているときも。
芸術家が絵筆をとり、鑿を手にするときに似たしんけんさをたたえているのです。
妻に対して本気になっているのは、事実でしょう。

挙式のまえ、未来の花嫁の純潔をねだり取られてしまったとき以来。
彼は「しんけんに」妻を犯し、
妻は「誠実に」夫を裏切ってきました。
見つめるわたしも、それこそ夢中になって・・・「心から」ふたりのときめきに祝福を与えつづけているのです。
不思議に思われる関係・・・なのでしょうが。
共有する歓び・・・のまえには。
妻ははたして彼のものなのか、わたしのものなのか。
そんな疑問自体が、意味を失うようです。
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