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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

許婚を抱かれるとき

2006年12月19日(Tue) 07:19:02

由貴子さんがまだ、婚約者だったころ。
処女の血を吸いたい。
幼馴染みの吸血鬼に、せがまれるまま。
なにも知らない恋人を、かれの邸に引き入れて。
ボクの彼女を穢そうとして、足許に忍び寄る唇のために。
純白のスカートのひざ小僧を、抑えつづけていた。
透きとおるストッキングに装われた、都会育ちのお嬢さんの脚。
不似合いないたぶりに、剥がれ堕ちてゆくありさまを。
さいごには含み笑いさえ浮かべながら、面白そうに眺めていた。

さらりと描いてしまいましたが。
どす黒い眩暈のなかでの出来事でした。
あの瞬間こそが。
若いカップルの運命を、根元から変えてしまったのですから。
それ以来。
由貴子さんは彼に誘われるまま、お邸についてゆくようになりました。
はじめのうちこそ、わたしに同伴されて、
  嫌なんですけど・・・貴方がよろしいとおっしゃるのなら。
表向き、気の進まないそぶりを見せながら、都会ふうに装った脚を吸われていったのですが。
  行ってまいりますわね。
ちらりと笑みさえ浮かべて、出かけてゆくようになったのです。
わたしを交えることなく素肌をさらして、血を吸い取られてゆく由貴子さん。
なにをされているのだろう。どんなふうに、されてしまっているのだろう。
あらぬ妄想が、まだ初心だったわたしを甘くさいなみます。
けれども由貴子さんは、いつもさらりとしていて。
  アラ。だいじょうぶですよ。そんなにご心配なさらないで。
あくまで、清純なきらめきをたたえているのです。
本当に何事も起こらなかったかのように。
すべてを白面の裡に隠しながら。
それでもエッチな吸血は日々、彼女を襲いつづけたのでした。

ふたりがどこまで進行しているのかと。
ひどく気になってしまったのは。
わたしじしんの未熟さもあったのですが。
やはり。
結婚前という状況も、おおきな要因だったのだと思います。
まだ完全にわたしのものになっていない、由貴子さん。
別れてしまう・・・とは露ほども思いませんでしたが。
淫らな毒液をたっぷり秘めた牙に魅せられて、
  あのかたに、かしずきたいのです。
そんなふうに囁きはしないかと・・・そればかりが気になっていました。

はっきりとした刻印を捺されてしまったのは。
挙式を間近に控えたころのことでした。
  由貴子さんのこと・・・しきたりどおり、なさるんでしょう?
イタズラっぽくこちらをふり向いた母は。
  母さんに、まかせておきなさい。うまくはからってあげますから。
どう言い含めたのでしょうか。
わたしのために守り抜いてきたはずの純潔を、惜しげもなく散らせてしまう。
そんな約束を・・・わたしの許婚は、母と交わしてしまったのでした。
もう、あの晩のことは・・・まえにお話したことと思います。
けれども一夜があけると、由貴子さんは一点のくもりも残さずに。
朝の支度をしている母を手伝って、キリッとした面持ちで立ち働いていたのです。
お仕事には不向きなはずの、水玉模様のワンピースをひるがえして。
彼女がそっとわたしの傍らに寄り添ってきたのは、お食事のあとのこと。
  さしあげてしまいました。
ニッと笑った口許から、くもりのない白い歯を滲ませて。
なんのてらいもなく、処女の喪失を告げた、未来の花嫁。
  痛かったですか?
そんな、ぶしつけな問いにも。
  ごめんなさい。・・・愉しんでしまいました。
昨日までのなにひとつ変わらない、少女のような横顔に。
ほんの少し、淫らな翳を滲ませながら
  イカガ?変エラレテシマイマシタワ。ワタクシ。
ちらとよぎった挑発に、ぎりりと胸を締めつけられたのですが。
翳はすぐにかき消えて。
あとに残るのは、しんけんなまなざしでした。
  コノママ、貴方ノオ嫁サンニナッテモ、カマワナイデスカ?
由貴子さんにとって、自分の存在意義をほんの少し疑ってかかった、せつじつな瞬間だったのでしょう。
そくざに、口をついていたのは・・・
  おめでとう。時々、可愛がっていただけるといいですね。
  もちろん、わたしの許婚として。
握りしめた彼女の掌が冷たかったのは、ただ失血のせいでした。
透きとおる頬に、みるみるバラ色を滲ませて。
彼女はそっと、身を寄り添わせてきたのです。
それでも・・・わたしが彼女の花園に立ち入ることを許されたのは。
祝言の夜、ほんとうの初夜までおあずけだったのですが。
そのあいだ、わたしの未来の花嫁は。
夜ごと、彼のベッドのうえで。「花嫁修業」に励んでいたのでした。
嫉妬がそのまま破鏡につながらなかったのは。
もうそのころから・・・由貴子さんとは、身体だけのつながりではなかったのでしょうか。

由貴子さんが姓をかえると。
婚約者を、どこまで侵されてしまうのか。
そういう危なさを秘めたドキドキ感はなくなりましたが。
彼はそれからあとも。
あの手この手で、わたしたち若夫婦をたぶらかしていったのでした。
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コメント

“花嫁修業”

直截的な表現もいいですが、こういう隠喩もお気に入り。

今夜は由貴子さんな気分でした(笑)。
by 影の応援団
URL
2010-02-18 木 00:11:42
編集
いらっしゃいませ。
すっかりすらんぷな?柏木です。
(^^ゞ
オールドナンバーにコメをちょうだいすると、とても嬉しいですね。
(*^^)v
&隠喩に萌えていただけるのも、ありがたいことです。
(^^)
花嫁修業という隠喩は、かなり気に入りでして。^^
けっこうあちこちで、使っちゃっているかも。
(^^ゞ

>由貴子さんな気分
生き血を吸われる女性の気分に浸って妄想されるのもお好き?^^
柏木は大好きです。^^;

このテのお話はおなじカテゴリの「婚約者由貴子の情事」や、「嫁入りまえ」にいくつかあるかもです。
さがしてみてね。^^
とりあえずのおすすめは、こちら。
>もう、あの晩のことは・・・まえにお話したことと思います。
という、「その晩」のお話です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-79.html

犯された あとのコーヒー ほろ苦く

そんな気分でしょうか?
長々と、失礼いたしました。m(__)m
by 柏木
URL
2010-02-18 木 07:51:47
編集

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