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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ご機嫌斜め

2006年12月20日(Wed) 07:20:38

妻の由貴子の機嫌が悪い。
家に戻るといきなり、けんつくを食わされた。
今夜はどちらでおいしい血を召し上がってきたのかしら?
遅くなるのでご飯はいらない。そう言っただけなのに。
だいいちこの時期・・・そんなおいしい話なんか、あるわけがないじゃないか。
みんな忙しいし。「妖艶」の更新すら、なかなかできないし(してるか。^^;)
きつーい視線から目を逸らして窓の外を眺めると。
闇の彼方には、きらびやかなイルミネーション。ウキウキとした調べ。
あぁ、これだ。
女と男の意識の溝をつくっているのは。
そういえばこの季節。子供のころは、毎日が輝いていたっけ。

おい。なんとかならないのか。
妻が出て行ったあと。
傍らにうずくまる影に、わたしはぞんざいに話しかけている。
女をたぶらかすのは、あんたの十八番(おはこ)じゃなかったの?
影はいつになく、そっけない。
夫婦喧嘩じゃ、犬も食わないねぇ。
だと。
喧嘩じゃなくって・・・一方的に突っつかれているだけなんだけど。(-_-;)
ニヒルに薄ら笑いしている場合じゃ、ないと思うんだがな。
きみだって、今夜は愉快にやりたいんだろう?
いんや、今夜の場合。100%あんたが悪い。
今夜はヤツまで、口が悪い。
風向きのわるいときは・・・なにもかもが将棋倒しになるみたいだ。

あら。そうお?まぁまぁ・・・
隣室から洩れるのは、別人のように上機嫌な妻。
お友だちからの電話らしい。
外っ面だけは、いいんだから・・・
おいしい血だと?心当たりがまるでない。
そりゃ、たしかに血を吸うことはあるけれど。
半吸血鬼の得る血など、たかのしれたご愛嬌。
それにそもそも、このごろは。とんとご無沙汰だったのだ。
景気良さそうねぇ・・・
忙しく立ち働いているわたしを見て、妻がいつになくつまんなそうに呟いたのは。
なん日まえのことだっただろう?
妙に、嬉しそうね。忙しいときって・・・
よけいなお世話だ。
怒りがわたしにまで伝染してきそう。
わたしの様子を窺っていたヤツは、じろりと横目で、
わからないようだな。女が怒ったらね・・・すべて男が悪いのだよ。
きいたふうなことを、抜かしている。

バタンとドアが開いた。
妻がにこやかに、立っている。
まるでさっきまでとは別人のような、無邪気な笑みをたたえて。
女というやつは。どうしてこうもがらりと機嫌を変えるのだろうか?
妻はわたしのことを完全に無視して。
ヤツのほうへと手を差し伸べて。
貴婦人よろしく、手の甲に接吻を受けて。
はじめて、わたしのほうを振り返ると。
・・・よろしいですわね?
あるのは、いつものような、あでやかな笑み。
ああ・・・好きにするさ。
妻の変化に戸惑いながら、あいまいに応えるわたしに。
貴方には、はい。夜のお伴を差し上げますわ。
(わたしの代わりに、いつくしんでくださいね)
そう、顔に書いてある。
妻が手にしているのは、黒くなよなよとした、長い衣類。
先週、こちらとお逢いしたときのものですわ。
きれいに洗ってあるはずだけど。
あなたはきっと・・・お気づきになるわ・・・ね。
あらぬ想像に取りつかれたわたしを取り残して。
ドアがばたん、と閉ざされた。


あとがき
女の怒りには、罪がない。
怒りを罪に変えるのは、いつも男。
・・・でしょうか?^^;
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五話。
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泊まり客へのもてなし

コメント

心当たりのない
つんけんとした女性の様子に、困ってらっしゃる柏木さんの様子が眼に浮かぶようですわ。
とうとう・・・最後まで、由貴子さんが怒っていることの理由が解らなかったみたいですけれど、大丈夫でしたか?
by 祥子
URL
2006-12-20 水 20:52:28
編集
>祥子さま
えっへっへ。
すべては結果オーライ♪ということで。^^
え?
もっと深く考えて反省しなさいって?
ううぅ。
そですね・・・。 --;)
by 柏木
URL
2006-12-20 水 22:51:34
編集

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