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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

襲われちゃった。

2006年12月22日(Fri) 06:08:49

「あー、襲われちゃったぁ」
下校してきた姉さんは。
口にした言葉のわりには、あっけらかんとして。
のしのしと大またで、洋間を横切ってゆく。
履いている薄黒いストッキングが、びちーっと、縦に。
鮮やかに伝線しちゃっている。
ママは、こういうときに、慣れてるらしい。
姉さんの両肩に、手をあてて。
ちょっとのあいだ、いたわるように軽く抱くと。
セーラー服の襟首に撥ねた血を、サッとぬぐってやっている。

どうしたの?
つい気遣わしげに覗き込んだ、姉さんの顔。
「えっ?やぁーね。聞いてたのっ!?」
姉さんはいつになく、恥じらって。
けれども声は、はじけるように明るかった。
「吸血鬼に、咬まれたのよ。もちろん、お姉ちゃんが魅力的だから・・・よ♪」
えっ。
びっくりしているボクを尻目に、姉さんはルンルンしながら三つ編みにした髪の毛をほどいている。
長い黒髪が、蛇のようにとぐろを巻きながら、胸元に垂れてくる。
ききたいの?
どきどきしてしまった。
ちら、とこちらを窺う横目が、ふしぎになまめかしかったから。
女の秘密をのぞくようで・・・つい、聞いちゃっている。

お向かいのお邸の、裏手に。雑木林があるでしょ?
あそこにいつも、現われるのよ。
さいしょに、ほら。ここ咬まれるの。
首筋、って・・・定番よね。
ふらふらっ、くらあっ・・・ってめまいがして。
気がついたら、草地にうつ伏せになってたの。
あ、そうそう。喜美恵ちゃんも、いっしょだったのよ。
喜美恵ちゃん。
名前をきいて、どきりとした。
姉さんの仲良しのクラスメイト。
ノーブルな細面の白い頬。ささやくような控えめな声色は。
開けっぴろげで、ぷっくりふくれた姉さんと好一対。
あの上品なお姉さんも、いっしょに襲われちゃったの?

姉さんは、ボクの顔色を面白そうに覗き込んで。
なぜだか面白そうに、にまにまと笑いながら。
  やらしいのよ。あいつ。
  あたしたちが倒れるとね。
  順に、ふくらはぎを舐めるんだ。
  黒のストッキングを履いている上から、ね。
  べろを、ぬるーって。なすりつけてくるの。なんども、なんどもね。
  喜美恵ちゃんも、やられちゃったんだよ~。
えっ?えっ?
姉さんだけじゃなくって。あの大人しい喜美恵さんまで?
ボクはもう、我を忘れてどぎまぎしている。
ママはボクたちを置いて、鼻唄交じりに夕食の支度にとりかかっていた。

姉さんは、涼しい顔をして。
破けたストッキングをつまんで、お行儀悪くぴーんとはじたりして。
  こんな話、つまんないでしょー?
  襲われて、血を吸われて、靴下破かれちゃったなんて話。
そらぞらしいくらい、お澄まし顔で。
ボクのほうを、うかがっている。
そんなことないよ。もっと話して。
ボクはいつになくつよく、姉さんを促している。
  それでね。さいごにこんなふうに、咬み破られちゃうのよ。
  チリチリになるくらい。
  じぶんの足許は、よく見えなかったけど。
  脱げて、ほどけていくみたいに、脚から締めつけ感がはなれていくの。
  喜美恵ちゃんのほうは、よく見えたわよ。
  あの子、襲われるのって初めてだったみたい。
  ちょっぴり、べそを、かいてたわ。
  ほら、いつも履いてるじゃん。ちょっとツヤツヤしてるやつ。
  さいしょにあたしのストッキング脚、イタズラして。
  それから、喜美恵ちゃんの番。
  あいつ、やらしい顔して。喜美恵ちゃんの足許に、迫っていったのよ。
  で、あたしのときとおんなじに。にゅるにゅる、ぺろりんって。
  あら、あんた。どうしたの?目をぎらぎらさせちゃって。
ねえ、そのあとどうなったの?教えてよ。
きっとそういうと思ったわ。
知らず知らず、姉さんの術中にはめられてしまっていた。

順ぐりに、うなじを咬まれて。
草地にまろばされて。
やっぱり順ぐりに、黒ストッキングを履いたふくらはぎを舐められて。
上から、咬み破られちゃってゆく。
  あの子ね、つらそうに、悔しそうに、顔ゆがめて。
  ピリピリと、眉毛をふるわせちゃって。
  でもね、とうとう、びちーって。伝線させられちゃったのよ。
  ほら、こんなふうに。
これ見よがしに組んだ脚に、不規則な縦縞のカーブが描かれている。
「喜美恵ちゃんのこと、気になるの?」
姉さんはいつの間にか、ごく間近に寄り添っていて。
呼吸がかかるくらい、近くにいた。
いつになく甘い呼気に、なにかがずきん!と、はねあがる。
  明日も、襲うんだって。あなた、いっしょについてってあげたら?
  えっ、ボクが?
ドキッとして、姉さんを振り返ると。
解いた黒髪が肩先に波を打っていて。
まるで別人の、おとなの女みたいに見えたのだ。
「あなたが送ってあげなきゃ、ダメよ」
さいごは、命令口調だった。
  そういうときの男の子はね。
  いっさい手出し、できないの。
  彼が現われたらね。ちょっと抵抗するふりをして。ふり・・・だけよ。
  ぐるぐる巻きにされて、木に縛り付けられちゃったら。
  あとはさいごまで、目を逸らさないで見ているの。
  あの子の未来のお婿さんとして・・・ね。
さっきまで男の子みたいに威勢のよかった姉さんの態度が、ちがう。
目のまえにいるのは、見知らぬ大人の女性。
そんなふうに思えるのは、なぜだろう?
こちらをじっと窺う目。
姉さんは、なにからなにまで・・・見通していた。
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