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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

試験の前夜

2006年12月26日(Tue) 01:08:12

入学試験の、まえの晩だった。
時ならぬ昂ぶりに、眠れなくなったのは。
都会に出てきてのホテル宿泊という環境の変化がおおきかったせいだろう。
明日は、試験。
それなのに。
眠れない。眠れないよ。
気がついたときには泣きながら、隣の部屋をノックしていた。
ママが独りで寝んでいるはずの部屋。
なかから明かりがついたとき。
ホッとしたのを、憶えている。
どうしたのよ?
あからさまに咎める視線がチクチクと身体を刺すのさえ心地よかった。
ママは寝乱れた髪の毛に、白地に黒の水玉模様のワンピース。
匂いたつような色気が、まだ子供のボクにすら伝わってきた。

いつもと違うママ。
おととい新幹線に乗って、都会に一歩足を踏み入れてから。
ママは変わった。
目に映じたのは、ひとりの女。
埃っぽいアスファルトの上。
ハイヒールの音を高らかに響かせて、背すじをキリッとさせて闊歩する姿は。
眩しいほどの、オトナな女。
ませているって?仕方ないでしょう?ママの子なんだから。

深夜のホテル。
ママは困ったような顔をして、部屋の奥を振り返る。
そこには見知らぬ男のひとがいた。
逞しい筋肉に覆われた胸には、ネックレスをさげていた。
あぁ、困ったわね。
ママはその場を取り繕うようにその男のひととボクとを見比べると。
困った子ね。いらっしゃい。
そういうと。
男のひとを置いたまま、ボクの手を引っぱるようにして、部屋に戻らされた。
さっきから。
恥ずかしい場所が、ぴんと逆立っている。
ママの寝室で、男のひとを見てからだった。
気づかれませんように・・・って、思う間もなく。すぐに気づかれちゃっていた。
困った子ね。
ママはもういちど、呟くと。
ズボンを下ろしなさい。恥ずかしがらなくてもいいの。男の子なら、あたりまえのことなんだから。
あ・・・
止めることは、できなかった。
寝巻きのズボンをひきおろされると、冷たい空気がよぎっていた。
ママはボクのまえ、ひざを突きながら。
目をそむけようとするボクをまともに見あげて、叱るような声だった。
しずかにしていて。ママが眠れるようにしてあげる。見なくてもいいのよ。
え?
問い返すまでもなく。
そそり立っていたものが、ぬるりと生温かいものにくるまれる。
え・・・っ?
ぬるり・・・ぬるり・・・
口に含んでいるんだ。
ボクはけんめいに、ママから目をそむけつづけた。
にゅるっ。
わざと刺激するみたいに。
ママの舌が、口のなかにあるボクをしごいた。
びゅっ!
なにかがはじけるように、飛び散って。
ひざから力の抜けたボクは、へなへなとその場にへたり込んでいた。

さっきのことは、忘れなさい。もともとなにもなかったわ。
ママは寝乱れた巻き毛をひるがえすようにして、ボクの寝室から出ていった。
ベッドに戻ると・・・溶けるような眠りがボクを待ち受けていた。

試験に合格すると、ボクは親類の小父さんの家に預けられた。
なに不自由ない暮らしをしていることは、大きな邸を見ただけで分かった。
広々としたゲートには、外車。裏手には、プール。
奥まった部屋には、背高のっぽな本棚が、いばったように置かれている。
一人で暮らすつもりで、がんばるのよ。
小父さま、忙しいから。あなたのことばかり構ってはいられないの。
それに、まだ独身なの。四十を過ぎているのに。
でもお料理も上手だし、お洗濯とお食事くらいは面倒見てくれるっていうのよ。
引き合わされた小父さんは・・・
スマートに着こなした柄もののシャツの下、ネックレスをひらめかせていた。
そう。あの晩ママの部屋に来ていた人だった。
いつも家内が、お世話になります。
一緒にきたパパは、きちんとおじぎをして、小父さんと握手をしている。
ギュッと握り合った手と手が、言葉を交わし合っているみたいだった。
仲がいいんだ。このふたり。
いつもむっつりしているパパが、珍しくにこにこと上機嫌だ。
なにも知らないはずのパパ。
でもほんとうに、知らないんだろうか?
あとで気がついたけど。
息子がお世話になります
じゃなくって。
家内が、って言っていた。
なにも憶えていませんよ。もともとなにもないわけだし。
三人して・・・声にならない声を交し合っている。
なんとなくそう感じたのは・・・きっと錯覚に違いない。
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