FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

若返る女

2006年12月26日(Tue) 22:19:17

あっ、と思った。
わたし、若返るからね。
寝しなに妻は、確かにそう告げた。
けれども。
カーテン越しに朝の光線が、夫婦の寝室にさしたとき。
傍らにいたのは、まぎれもない妻。
それも十代に若返った・・・

長い髪を、さらりと肩に流して。
若いころ着ていた真っ赤なワンピースをまとって。
リビングにおりてゆく君。
息子はびっくりして、あいた口がふさがらなかった。

若い子の相手をするのは、とても愉しい。
妻は、少女の服がよく似合う、ぴちぴちとした十代の体。
初々しい肌に唇をあてていると、まるでわたしまでもが若返りそうだ。
けれども妻は、わたしの腕の中、
くすっ・・・とイタズラっぽく笑って。
わたし、若いのよ。あなただけじゃ、もの足りないのよ。
このごろあの子が、わたしのことを見ているの。
口にしたのは、息子の名前だった。

ママ。もうガマンできないよ・・・
わたしがいない夜。とうとう後ろから母親に抱きついてしまっていた。

仕方がないね。三人で仲良くやるさ。
頭に白いものの混じるわたしが妻に尽くしつづけることは、むりだった。
まだしも・・・見ず知らずの他人に犯されるよりははるかにまし・・・そういいきかせて。
ぴちぴちと若い妻の肢体を、息子が部屋に迎え取るのを。
なぜかドキドキしながら、見守っていた。

外で聞いていても、いいのよ。
妻は挑発するように。
ベッドの傍ら、囁きかける。
けれどももう、わたしは年老いた体。
たぶんもう、長くはないよ。
そうね・・・
妻はうんとさびしそうに、若々しいじぶんの肢体を眺め回した。
永遠(とわ)のわかれをつげたとき。
わたしの魂はまだしばらくのあいだ。
家の周りを漂っていた。
わたしを弔ったあと。
妻はすぐに喪服を脱いで。
真っ赤なドレスに着替えて。
息子の部屋を訪れる。
ドレスの裾を、しどけなく引きあげる。
黒のストッキングを留めたガーターがみえるほど。

ずっといっしょに、いようね。
あなたなら・・・いつまでもいっしょに、いてくれるわね。
さびしい妻の願望は。
きっとこんども、かなえられない。
だってきみは・・・わたしのママだったひとだから。


あとがき
いく度も若返り、永遠に生きつづける妻。
不思議な、そして哀しいお話です・・・
前の記事
古宿の夜
次の記事
えっ?キミ・・・どこから入ってきたの?

コメント

同じ時間を
 一緒に、生きて行きたいのに
適わないのなら・・・・
せめて思い出は忘れないように
ずっと覚えていましょう。

・・・・えっと、でもあなた
何代目だったかしら(笑)
by さやか
URL
2006-12-28 木 02:42:52
編集
>さやか様
前半は、詩的。
さいごは、
ヾ(▽⌒*)キャハハハo(__)ノ彡_☆バンバン!!
ってな感じですね。^^
プチどんでん返しなお話でしたが。
う~ん、こーゆうオチを頂戴できるとはwww
by 柏木
URL
2006-12-28 木 06:59:50
編集

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/715-f3a474f7