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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ローテーション?

2006年01月05日(Thu) 07:06:00

―――間々田くんたらねぇ。お気に召しちゃったんだって。私のお振袖。
得意気にお行儀悪く鼻をうごめかせながら、奈津子が耳もとに囁いてくる。
―――でぇ。明日、デートするんだ。彼と。
えっ?
そういう仲だったのか?
さすがの蛭田も、おだやかではない。
訊きただしてみると。
―――あらー。知らなかった?貴方とよりか、早かったのよ。新歓のときからずっとだもん。
しゃあしゃあとのたまう奈津子に、もっとがっくりとした蛭田だった。
奈津子の男ぐせはよく知ってもいたし、見てもいた。
しかしよりにもよって、間々田がなぁ。
婚約者の純潔がどうとかとか、そんなことを気にするくせに。
案外なヤツだ・・・
いっしょになった出張先で、そうとう悪いお店に行ったこともあるくせに。
オフィスで手近なOLをいく人となくつまみ食いしていたことも、蛭田はしっかり知っているくせに。
(なにしろそのすき間を縫って、瑞枝を籠絡したりしていたのだから!)
相手が奈津子となると、どうしてこうもイライラするんだろう?
間々田の女ぐせも。奈津子の男ぐせも。
知りすぎるほど知り尽くしているほどのものなのに。

奈津子が情事の場に選ぶのは、決まって一流ホテルだった。
間違っても、うらぶれた連れ込み宿のようなラブホテルなどは使わない。
―――おトイレじゃあるまいに。
と、ずいぶん高慢なことを言いながら。
   お泊りでございますか。ご休憩でございますか。
クロークでそう尋ねられても顔色ひとつ変えないで、
―――えぇ休憩を。
男づれで堂々とそう受け答えする彼女は、いっしょにいると心強いほどの同行者なのである。
―――お振袖でホテル行ってね。お洋服に着替えてチェックアウトするの。
蛭田の横顔をひとわたり小気味よげに見回して。
息がかかるほどの近くで、ふふっ、と笑むと、女は足早に立ち去っていった。
引きとめようとしたところで、引きとめられるものではない。
そうわかっていながらも、強引に抱き寄せて
「行くな」
といえない自分が腹立たしい。
いく度もベッドをともにしながら。
なんリットルもの血液を供されて口に含んでおきながら。
面と向かっては彼女に対していまだになんの資格も持たない彼だった。

じゅうたんの上に組み敷いているのは、瑞枝だった。
振り乱した黒髪に、白い肌。
しどけなく肌を露出させている衣裳は独身時代そのままで、
彼女自身もフリーの昔にもどったように、もうあられもなくふしだらに身をくねらせている。
蛭田もまた、そんな彼女の切迫した息遣いを顔に浴びながら、スカートをはぐり上げた奥の奥へと腰を合わせてゆき、
衝動のおもむくまま、しっくりと結合させたまま激しい上下動に身をゆだねている。
熟れ具合をいっそう増したかのような乳房がそれ自体命をもつように、
ゆるやかに、切なげに、息づいていた。
   まだ子供を作るつもりはないからね・・・
間々田はちょっとばつの悪そうな顔をして、そういったものだ。
   オレの目に触れなければ、たまに瑞枝のやつと逢っても・・・
さすがに語尾をのみ込んで、立ち去ったヤツ。
その足できっと、奈津子の待つホテルに向かったのだろう。
妻とのアポイントを知ってから知らずか。
それとも奈津子と逢うまえの、暗黙の謝罪のつもりか。
もう、そんなことはどちらでもよかった。
自分の下で牝のケモノとなり果てたこの若妻に、蛭田はいつもより大量の精液を、びゅうびゅうと注ぎ込んでしまっている。


あとがき
どうも蛭田にはまってしまっております。^^;
いったい、どうしたわけでしょうねぇ。
瑞枝からゲットしたアポイントに夢中になっている蛭田の内心を見透かして、
奈津子は昔からの遊び相手を久しぶりに誘ったのでしょうか。
ふつうのストーリーですと、こういうときに瑞枝をふってでも奈津子を止めなければならないわけですが。
ひとりの男に固執しない(あるいはされたくもないらしい)奈津子にとっては、蛭田の妨害などもとより想定していなくて。
たんに冷や水ぶっかけて愉しんでいるようにさえ思えます。
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