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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

せめて・・・

2006年01月29日(Sun) 07:16:09

吸血鬼を家に迎えた夫婦があった。
寝室で夫を縛りつけると、吸血鬼は性急に妻を求めた。
妻はネグリジェ一枚の姿を抱きすくめられて、うなじをがぶりとやられていた。
牙に血潮を散らされながら、哀切な声色がだんだんと弱まってゆく。
―――せめて、命だけはとらないでくれ。
そんな夫の、息も絶え絶えな訴えに、
私を彼女の婿として受け入れるのなら、そうしよう。
そんな忌むべき要求を、つい受け入れてしまった夫。
素肌を容赦ない蹂躙にゆだねながら、妻はひたすら目を瞑り、恥辱に耐え続ける。
―――せめて、彼女の苦しみを和らげてくれまいか。
そんな夫の訴えに、
吸血鬼はにんまり人のわるい笑みを含んだ唇を、ひときわつよく妻の身体に押しつけていった。
目のまえで凌辱される妻は理性を奪われひどく悶えて、
夫のまえもはばからず愉悦の乱れをあらわにしてゆく。
夫の胸は嫉妬に切り刻まれていた。
―――せめて、私の理性を奪ってくれまいか。
そんな夫の訴えに、
こんどは彼の首筋に唇を吸いつけていた。
血を吸い取られた夫はとうとう完全に支配されて、
ひからびかけた血管をずきずき疼かせながら、妻が生き血を吸い取られ犯されてゆく有様に胸わななかせ見入っている。
咎めるような夫の視線をくすぐったそうに受け流しながら。
妻もまた、夫のまえはしたない声をおおっぴらに洩らしつづけた。
―――せめて、私たちの体面を重んじてくれまいか。
そんな夫婦の訴えに、
吸血鬼はふたりの血をそっくり奪い取り、夫妻は哀れな犠牲者として世間の同情をかうようになっていた。
首尾よく墓場から抜け出した夫婦はその後、吸血鬼の忠実なしもべとなったという。
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