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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

貞操試験

2006年01月29日(Sun) 08:07:03

新婚三か月を過ぎたとき。
新妻は、夫の父親に家のしきたりを告げられた。
娶った妻の身持ちの堅さを試すため。
夫が勤めに出てから戻るまでのあいだ。
その家に棲みつく吸血鬼の誘惑に新妻をゆだねなければならない・・・というのである。
そんなしきたりに疎い都会育ちの新妻はつよくかぶりをふったけれど。
夫も、傍らにいかめしく控えている義兄も、義妹の夫も。
誰もが首を垂れて動かなかった。

柱に縛りつけられたまま見送る妻を、夫は気遣わしそうに振り返りながら勤めに出かけてゆく。
もちろん仕事になどなるはずはないから、
事情をよく心得ている勤め先の村役場は、じつは彼に一日特別休暇を与えていた。
出かけたふりをした夫が家へと立ち戻り、ひそかに隣室から妻の様子を見届けることができるようにするために。

雨戸に薄暗く閉ざされた和室の真ん中で、新妻は立ったまま縛られている。
音もなく部屋に忍び込んだ吸血鬼はするりと彼女に寄り添って。
うなじから肩、胸、わき腹と、やわらげるように、揉みほぐすように、
若妻の肢体をなぞりはじめる。
しまいになれなれしくすり寄って、華奢な身体にすがりつくようにわが身を重ねてゆく。
妻が惑乱し、涙も涸れんばかりにして男を拒み哀訴するのを、夫はどす黒い嫉妬を渦巻かせながら隣室から見守っている。
それでも彼はふすまを開け放つような作法破りは犯さなかった。
犯せなかった・・・というほうが正しいかもしれない。
彼のなかに息づいている被虐の血はドクドクと狂おしく全身をかけめぐり、
まるで毒がまわって痺れたようにその身を昂ぶらせてしまっていたから。

かりり・・・
とうとう咬まれてしまった妻。
きゅうっ・・・くちゅう・・・っ
いやらしい音とともに吸いだされるうら若い血潮。
吸い残したしたたりを臆面もなく小ぎれいなワンピースにしたたらせてゆきながら。
吸血鬼はなおも若妻の肢体をなぞる手をとめようとしない。
咬んではなぞり、なぞっては咬みつく。
かたくなな忍耐力を解きほぐそうと、あの手この手で誘惑を重ねる刻一刻。
ここは・・・という急所に過不足なく的確に刺し入れられてくる牙とともに埋め込まれる鈍い疼きは、とうとう新妻の理性を突き崩してしまった。
牙を避けようとする身じろぎは、いつか淫らな欲求を耐えかねての身もだえへと変わってゆく。
若妻はみるみる乱れていって、堕とされた衣裳もろとも操を汚辱にひたしてしまうのだった。

「あなたも、我慢できなかったのね」
嫁を見つめる姑の目は、いつになくやさしい。
「キモチよかったでしょ?」
義兄の嫁も、夫の妹も。
親しげにそういって、イタズラっぽく笑いかけてくる。
―――みんな、堕ちているのよ。
そういって娘や嫁をかえりみる姑は、共犯者の目をして、やはりイタズラっぽく若やいだ瞳を輝かせている。
それまでのとげとげしい目線とはうって変わった周囲のようすに戸惑いながらも。
はじめて打ち解けて一家の一員として迎えられたことを彼女は実感した。

「さぁ、あなたも用意してちょうだい」
しんから嫁として受け入れられた女たちにのみ許された宴。
彼女たちにいざなわれるまま、新妻は黒のスーツに身をかため、夫の目を盗んで家を抜け出し、夜道をすすむ。
待ち受けているのは義父や義兄、そして妹の夫。
すでにいちどは凌辱を受け入れた間柄になった男たち。
夫の姿もそのなかにあったけれど。
各々、じぶんの夫を相手に選ぶことの許されない一夜。
夫は兄嫁と。義父は実の娘と。義妹の夫は姑と。
どうやら今夜のあいては義兄のようだ。
義兄の妻がちらと振り返り、咎めるような目線を投げてくる。
―――お互いさまでしょ?
そういい交わすように笑みを返して。
乱れた褥の待つ草むらに、着飾ったその身を投げ出してゆく。
輪姦好きで妻をおおぜいの悪友たちと共有している義兄は、今夜も仲間を呼んでいるのだろうか。
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