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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

宴過ぎて ~能舞台にて 続編~

2007年01月10日(Wed) 07:29:57


凌辱の嵐が通りすぎたあと。
忍び寄る冷気が、人々の素肌をふたたび寒々と凍えさせていたが。
皮膚の下を巡る血潮にしみ込んだ淫らな熱は、
かれらの体内をじわじわと侵しつづけていて。
もはやふたたび、もとに戻ることはない。

妻が犯されるところを。娘が犯されるところを。
母が犯されるところを。妹が犯されるところを。
目の当たりにしてしまった男たち。
あらたに塗り替えられた日常に、
いままでの常識は遠い忘却の彼方となる。

御所のなかでは。好きにしてよいのだぞ。
長に告げられるままに。
その夜、相手を替えて、まじわってしまっていた。
もはや、無言で。
息子は母の。父は娘の。
気品ある礼装を、淫らに着崩れさせてゆく。
はぁはぁと荒い吐息をあらわにして。
女たちは、ブラジャーのストラップを引きちぎって。
脚もとを装ったストッキングをずり落ちさせて。
獣のようなまぐわいに、刻を浸してゆく。

目ざめたようだな。
明け方になって。
長がそれぞれの新床を訪れて、そう告げる。
目ざめ。
睡眠からの覚醒だけを意味するのではないのだと。
だれもが気づいてしまっている。
女どもは、村の若者が慰むことになる。
その間は・・・お前たちも村の女と好きにしてよいのだぞ。
長はそういったけれども。
ふたりとも、それぞれのパートナーの近くから、決して離れようとしなかった。



眠れない。
ここは都会の自宅。
夜更け、夫婦の寝室に迷い込んできた息子は。
みじかいことばで、父親にその妻を要求した。
要求された男は、やはりみじかく頷いて。
冷えた廊下を足音忍ばせて。
階上にある娘の勉強部屋に向かってゆく。
娘はきっと。
制服好きな父親の好みに合わせて。
濃紺の制服と黒のストッキングで待ちうけているのだろう。
いまでも生娘のように。稚拙な演技でつくられた羞い。
すぼめた脚のすき間とおなじくらい、稚ない芝居に、いっそうそそられる。
背後の闇は、悩ましさをいっそう、濃くしている。


あとがき
蛇足でしたでしょうか?
何処からか拉し去られてきた、都会の男女。
夫と妻。兄と妹。
ふたつのカップルは、いったいどういう人たちだったのだろう?
想いを馳せるうち、両者が別々のものではない、と感じるようになって。
キーの赴くまま、つむいでみました。
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早起きなんです。  息子の恋人 2
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再あっぷ分をもとのさやにおさめました。(^^ゞ

コメント

見も知らぬ夜を過ごして覚えしは
    禁忌と言う名の甘美なる美酒

拉致をされて、体験してしまったことがずっとその後の生き方にまで影響してしまう。
それがたとえ一夜のことでも・・・。
このご家族。いつかあの村へと還ることができたらよろしいですね。
by 祥子
URL
2007-01-10 水 20:07:59
編集
>祥子さま
愉悦を伴う記憶だからこそ、
きっと心地よい媚薬となっているのでしょうね。
あの村はかれらにとって。
もやや追憶の対象としてではなく。
時おり帰るべき古里として刷り込まれているに違いないと思います。
by 柏木
URL
2007-01-10 水 21:07:08
編集

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