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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

侵入者

2006年02月02日(Thu) 10:04:15

夜のとばりがおりるころ。
屍鬼たちはそれぞれの家から、まるで鎖をたぐるようにして、
お目あてのもののもとへと血を求めて彷徨い出る。
職場のハイミスの事務員さんのところには高校生の甥が。
お向かいの奥さんのところには、ご主人の弟が。
そして、私の妻のもとへは・・・

こつこつ。
ごく控えめに、音を忍ばせるようにして。
今夜も夜更け、ドアがノックされる。
あけるのを拒むことは許されない。
というよりも、まるで引き寄せられるようにして夫である私みずからが扉を開いてしまっている。
私もまた首すじに、深くくい入れられた痕をもっている。
おずおずと中を覗き込むようにしてあがりこんでくる、若い男。
妻の職場の人だという。
独身だという彼は妻のどこに魅せられたのか。
待ち受ける妻は着飾っていて、まっ白なブラウスに銀のネックレス。
清楚な黒のスカートの下には肌の透ける黒ストッキングというシックないでたち。
そのまま二人手を重ね合わせて、夫婦の寝室へと消えてゆく。
「あなた、御免なさい。今夜はほかの部屋で休んでね」
そういい残して。

振り向くと、紫色のセーターがよく似合うお隣の奥さんが、嬉しげに私のほうを見つめている。
―――お嬢さん、まだ起きているでしょ?
妻が情事に耽るのを見越して忍び込んできた彼女の目当ては、中学にあがったばかりの娘。
私に痕をつけた張本人も、妻に彼を引き合わせたのも、彼女。
伸びた牙をひけらかすように輝かせながら、洋間にあらわれた娘をせわしない手つきで招き寄せる。
娘は仏頂面をして、ふてくされたようにして。
それでも部屋を横切ってこちら側のソファに腰をおろしている。

「あらぁ、いいストッキング穿いているのね。ちょっと咬ませてね」
「そのまえにちょっとだけイタズラ、いいよね?」
「うぅん・・・いい感触ね。お母さんのお見立てかな?」
娘の装いを言葉では褒め、べろではいたぶりながら。
足許に這いつくばるそんな中年女の様子を咎めるように見おろしながら。
いつか娘の目線は眠そうに、険しさをひそめてゆく。
しつこく吸いつけられた唇の下。
学校に通うときに履いている黒のストッキングに、鮮やかな縦縞を走らせながら。
のしかかってくる体重を支えかねて、じわじわと姿勢を崩してゆく娘。

・・・若い子の血は美味しいわ・・・
私の愛人は娘を愛でることをやめようとしない。
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コメント

同性の血
女性が女性の血を吸う。
時々そんな妄想に取り付かれるんですよ。
血を吸いながら綺麗な肌を撫でてみたい・・・・。

あら・・・いけない。
まだ陽が高い時間なのに・・・うふ。♪
by 桜草
URL
2007-01-14 日 16:37:28
編集
女性が女性の。
うふふふふ・・・
艶やかな想像ですね。^^
←のカテゴリをたどって、「連作:四人の妖花たち」をごろうじろ。
ちょっとでもお目に留まれば、はっぴぃです。^^
by 柏木
URL
2007-01-14 日 20:14:49
編集

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