FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

井戸端

2005年06月12日(Sun) 07:44:02

妻を伴って帰宅すると、ちょうど隣家のご主人が夜勤明けで戻ってくるところだった。
いつものように、軽く会釈を交し合って、それぞれの玄関に向かいかける。
隣家から「行ってきまぁす」と、ふた色の声。
子供の甲高さが残る声色。きょうものどが張り裂けんばかりの元気さだった。
セーラー服の娘と、半ズボンの息子がいっしょに玄関から出てくる。
娘のほうは私たちをみとめると、背筋をぴんと伸ばして
「アッ、お帰りなさい」
ぴょこんと挨拶をしてきた。この子はいつも礼儀正しい。きっとしつけがいいのだろう。
出かけてゆくふたりの足許につい、視線を落としている。
申し合わせたようにひざ下までぴっちりと引き伸ばされたハイソックス。
裏側に赤黒いシミがほんの少し滲んでいるように見えた。
蚊に食われたていどの、かすかな痕跡。
きっと誰も、気にとめないだろう。
子供たちを見送りにでてきた奥さんが、こちらに気づく。
白いTシャツに、デニムのロングスカート。
昨日よりはラフな身なりだった。
ちょっとやつれてすさんだ感じがしたのは、ウェーブのかかった髪の毛が乱れていたせいだろうか。
昨晩鮮血をしたたらせたであろう髪の毛は、何事もなかったように奥さんの胸のあたりでとぐろを巻いている。
目が合った瞬間、お互い目をそらせてしまう。
情事を知るもの。見られた意識をもったもの。そんな関係。
「お帰りぃ~^^」
奥さんはさりげなく目線を妻のほうに向けて、軽く手を振った。
お互いの情事のことは、奥さん同士でつうつうのようだった。
「じゃね。また」
奥さんは妻に手を振ると、すぐに引っ込んでしまった。
きっと、夫たちがいなくなってから、井戸端会議が始まるのだろう。
ご主人は奥さんのすばやさにちょっと取り残されたようだった。けれど、こちらに笑みかけてこういった。
「夕べはやかましくなかったですか?」
「だいじょうぶです。・・・よろしくおやりになってましたよ(^_-)」
ダンナどうしも、ツウツウだったりする。^^;
前の記事
幼馴染みY君の手記
次の記事
早朝の喫茶店

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/783-5feac5f0