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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

初夜のあと

2005年10月27日(Thu) 08:20:06

夕べ、婚約者の由貴子さんは吸血鬼に抱きかかえられるようにして。
じぶんの寝室につれてゆかれた。
花嫁さんのために。
母がそういってしつらえた、実家の一室。
ドアがバタンと閉まるとき。
由貴子さんの細い腰にまわされた吸血鬼の腕にぐいっと力がこめられたのが、さいごの光景。

あああっ。ううん・・・っ
あきらかにそれとわかる、破瓜の痛み。
お隣は、茶の間。
母はちゃぶ台のまえ、正座してお茶をすすりながら。
うん。かわいいものね。
壁いちまいへだてた向こうから伝わってくる嫁の振る舞いを、涼しい顔してそんなふうに評している。
ボクはもう、ぞくぞく、ぞくぞくとしてしまって。
もうとても、母の相手なんかしていられない。
いまごろ、由貴子さんは何されちゃっているんだろう?どんな顔してるんだろう?
服をはぎ取られているんだろうか?ヤツのモノをつきつけられてしまっているのだろうか?
あらぬ想像が恥ずかしいくらいに。
ぐるぐる、ぐるぐると、めまぐるしくかけ回っている。
もう寝るどころじゃない、寒気に似たズキズキするものにひと晩じゅう、さいなまれて。
震えつづけて迎える静かな明け方。
母はもう、とっくにボクのことなどほうり捨てて、
自室でのどかな寝息を立てている。

ようやくまどろんだ朝。
チチチ・・・
という鳥のさえずりに、テーブルにうつぶした重たい頭をあげると。
由貴子さんはもう起きていて、
白っぽい清楚なワンピース姿がぼんやりとした視界の彼方、いつものように軽やかに行き交っている。
嫁らしく、朝食の手伝いをしているのだろう。
生き生きと弾む声が、母の命令口調と重なった。

食器の音をかちゃかちゃのどかに立てながら。
目の前に並べられるパンやサラダ。
「おはよう」
何気ないそぶりをつくって、ほどいたままの長い黒髪をさらりと肩の向こうに追いやっている。
キュッと束ねたふだんのときよりも。
由貴子さんの髪の毛は生き物のようになまめかしくとぐろを巻いていた。
艶やかな光沢をもったあの黒髪は、夕べどれほどかき揺れたのか。
ワンピースの胸もとからのぞく白い肌のうえを、獣のような唇はどんなふうに這わされたのか。
すでにほかの男のものになってしまった、彼女の身体―――。
そんな妄想が、ぐるぐるぐるぐると渦巻いて。
もう、朝の献立なんかにはかまっていられなくなっている。

遅れてゆったりと席についた母。
きらきらとした笑顔と、まるで卒業祝いのように改まった口調で。
「由貴子さん、おめでとう。よくがんばったわね」
息子の嫁になる人の不貞な営みを、おなじ女としてはっきりと祝福していた。
「えぇー、もう・・・」
さすがに由貴子さんは照れたようにうつむいて。
ボクの顔色にちらと視線を投げて口ごもる。
それでもすぐに。ささやくように。
「衝撃的・・・でしたっ。」
語尾がちょっとだけ、悪戯っぽくはずんでいた。
きのうまでとなにひとつ変わらない、きちんと化粧を刷いた控えめでノーブルな目鼻立ち。
けれども薄いまぶただけは、いつもよりちょっとはれぼったかった。
ワンピースのなかでかすかに揺れる、しなやかな女の肉づきに、
夕べはっきりと身につけてしまったらしいしたたかなものを、ちょっとだけ垣間見る。
「・・・でしょう?」
「・・・でしたわ」
「よかったの?」
「うふふ」
股間をしっくりと昂ぶらせ、げんきんなまでに立ち直っているボク。
朝食のあとのコーヒーは、いつもよりちょっぴりよけいにほろ苦かった。
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