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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

黒い愉悦

2006年01月27日(Fri) 07:12:53

妻とおそろいの黒のストッキングを穿いて、
飢えた牙の前差し出す、二対の脚。
ごつごつとした筋肉をしなやかにコーティングする淡いナイロンが、
性を離れたなまめかしい縁取りで足許をきわだたせている。
許された女の装いに人知れず心地よく酔いながら、
軽く咎めるようなイタズラっぽい視線のまえ、
薄黒くおおわれた太ももを、小気味よくさらけ出してしまっている。

妻ははしゃいだように私に抱きついて、
その実身動きできないように、両肩を抑えつけてきた。
圧しつけられる唇の下。
筋肉質の太もものうえでねじれてゆく、繊細な網目模様。
妻が崩れていったそのときのように、
妖しい快感を伴いながらいびつによじれ、歪められてゆく。

予防注射みたいにむぞうさに、突き入れられる鋭い牙。
痺れるような軽い鈍痛に呻きながら、
静かな音とともに体内をめぐる暖かい液体を吸い出されてゆく喜悦の刻。
裂けてゆくストッキングのすき間からそらぞらしい冷気が這い込んで。
お芝居の幕が開くのよ・・・
妻はそっと、ささやいた。

堕落の幕開けを祝福するかのように、破れ堕ちてゆくナイロンの被膜。
牙に酔い理性を狂わせてしまった私は、
そんなありさまをただへらへらと笑いながら見守っている。
傍らの妻はいっそうはしゃぎきっていて、
抱きついてくる吸血鬼に白いうなじをゆだねてしまっていた。
まるで少女の昔にかえったような妻。
小ぎれいに着飾った衣裳のうえに
きゃあきゃあとはじける笑いとともにばら色の飛沫を撥ねかしてゆく。

身体をよじり、突っ伏して。それから思い切りのけぞらせ。
若いころに戻って性の愉悦に耽る妻。
怒りが湧いてこないのはなぜなのか。
ふたりの所作をごく自然なこととして受け入れてしまっている、狂わされた私の理性。
異形の夜はしんしんと更けてゆき、
夫婦の淪落を音もなく包んでゆく。


あとがき
女装趣味というのは男にとって、秘すべき恥ずかしい嗜好。
それを目の当たりにしながらも許した妻。
そのかわり・・・とわりの良い取引に走ったものでしょうか。
それとも、夫自身も気づかなかったもうひとつの性向を、
自ら乱れ堕ちることによって花開かせてしまったものでしょうか。
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