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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

じかに

2005年09月21日(Wed) 22:26:17

1.
婚約者の由貴子さんを初めて彼の邸に連れていったとき。
彼はふくらはぎへの濃密な接吻だけで、彼女を放してくれた。
都会育ちのお嬢さんに、いちどにすべてを教えるのは酷であろうから・・・と。
表向きのそういう親切心とは裏腹に。
その実・・・
じょじょに教え込み、彼女の理性を侵蝕させてゆくことのほうが、彼自身にとってより快楽であるというに過ぎないのだが。

あのことがあった次の日に。
私を訪ねてきた彼女はおずおずと切り出した。
とても、気遣わしげな面差しで。
「あの・・・私の血がお役にたつのでしょうか・・・?」
穢れを知らないその白い肌が、どれほどか彼の色に染められていることを、いやがうえにも実感する。
臓腑をじりじりととろ火で灼かれるような想い―――
しかし淡い嫉妬はそれ以上険悪な尖りをみせることなく、むしろ、
その白い肌に秘められた血潮を彼のために獲させたい・・・そんな渇望に似た衝動へと繋がってゆく。

つぎの訪問は、夕刻だった。
―――遅い時間のほうが、好都合なではありません?あのかたにとって。
そういう彼女のひと言で、夕べの宴・・・がもうけられた。
ささやかに。ひそやかに。
彼は初心な彼女の気持ちを察するように、ことさら穏やかで紳士的な態度で接していく。
紳士の面貌と。獣の内面と。
どちらが、彼の正体なのだろう。
しかし、すすんで獲物になろうとするものには、ひたむきな思いやりをさえ見せる彼。
姿を見せた彼女を迎えいれるとき。
まるで母に甘えるかのようなほどにまで、依存的で人恋しげな色を隠そうともしない。

生れて初めて。
生き血を吸われる意思を抱いて、私の許婚はこの邸に訪れた。
さらりとしたモノトーンのワンピースという、清楚に軽やかな装いで。
「脚から、ですか・・・?」
由貴子さんはちょっと意外そうな顔をして。
グレーのストッキングに包まれた自分の脚に、そろそろと目線を落としてゆく。
ストッキングを脱がないと。
目がそう、語っていた。
しかし、殿方のまえで、そのようなはしたないことをするような教育を、彼女は受けて育っていない。
とまどう彼女の足首を、吸血鬼はおもむろにつかまえている。
「どうか、そのままに・・・」
「?」
訝しげに首をかしげる彼女。
しかし吸血鬼がふくらはぎに両腕をからめてくると、
ちょっと肩をおとして。
軽く、ため息をついて。
思い切って、ワンピースをたくし上げる。
むぞうさにずり上げられたすそからあらわになったのは、
太ももの周りをよぎる鮮やかなゴム。
由貴子さんの履いていたのは、パンティ部のないゴム付きストッキング。
殿方のまえでストッキングをおろすという無作法にためらいながら。
由貴子さんは、ストッキングのゴムに手をあてがってゆく。
血に飢えた牙のまえ、輝く素肌をあらわにするために、ストッキングを引き下げようとする彼女。
そうした彼女の手の甲に、彼の掌が覆うようにかぶさった。
ハッと見おろしてくる瞳に、かすかにかぶりを振って彼女を軽く制すると、
ゆっくり頷いて、諦めたように微笑む彼女。
太ももをおおう手をひいて、あとは、彼にゆだねていった。

かすかに濡れた彼の唇。
白い太ももをつややかに彩る薄手のナイロン越しにあてがわれる。
くちゅっ。
かすかに、唾液のはじける音。
それが満足を示していることを知り抜いてしまっている私。
にゅるり・・・にゅるり・・・
恥知らずな唇がそんな音を忍ばせて、由貴子さんの肌を薄手のナイロン越しに辱めてゆく。
しつように吸いつけられた唇にキュッと力がこめられると。
チチッ・・・とかすかな音をたてて、ストッキングは他愛なく、裂け目を走らせてしまっている。
ア・・・
開かれる朱の唇から、並びの良い白い歯をのぞかせて。
貴女はおもわず脚に手をあてた。
身じろぎする自分を制するように。

まるで涙の伝う痕のように。
つ、つう―――っとひとすじ。
糸のほぐれは脚の線に沿って微妙なカーブを描きつつ、じりじりとつま先まで伸びてゆく。
そうしているあいだすら、赤黒い唇はヒルのように、彼女の太ももを這いまわる。
しずかに、執拗に。そして、熱っぽく。
抱き締めるようにしっかりと、ふくらはぎをつかまえながら。
熟した果実から甘い汁を吸い上げるようにして。
処女の生き血に酔い痴れてゆく彼―――。

彼女は潤んだ瞳で、わたしのことをかえりみる。
―――男のかたにストッキングを破られるなんて、初めてなんですよ。
おっとりとそう告げながら。
彼女は引き締めていた薄い唇をなかばゆるめて、
みるかげもなく裂き散らされてゆくストッキングの綻びを、
なかば愉しげに見つめていた。
与えられる恥辱こそが、示された愛情なのだと。
その恥辱を許すことが、それに応える好意の証しなのだと。
賢明にもそうと察した彼女は、今は静かに笑みさえたたえながら
すこし淫らなこの戯れに、すすんで手を貸してゆく。
愛らしい唇に、軽い愉悦をさえ滲ませながら。

―――じかに、お吸いにならないのですね。
ストッキングを履き替えて。
彼女は彼にそう訊いた。
今宵彼が口をつけたのは、ストッキングに包まれた彼女の脚だけだった。

―――惜しいわけではないけれど。男のかたにはそのほうが嬉しいのではないのですか?
ひたと見据える静かなまなざしを受け止めながら。
彼はまだ、彼女の脚から抜き取った、破れはてたナイロンをもてあそんでいる。
たった今までそれを身につけていたひとの、目のまえで。
―――お嬢さん、たしかにご明察ですが・・・
―――お召し物への戯れも、男にとっては時として、こたえられない愉しみだったりするのですよ。
さらりとそう言ってのけると、こんどはすこし悪戯な顔をして。
―――じかに吸わせていただくときは、貴女からもっと大事なものを頂戴するときかもしれませんよ・・・
曖昧に頷いた彼女はそのときに、私のほうをふり返り、チラと謎めいた微笑を送ってよこした。
つやつやとした光を帯びた黒髪に覆われた頭のなかで、いったい彼女はなにを思い描いたのだろう?


2.
―――少ぅし、貧血ですわ・・・
そういいながらも、たび重なる招待をにこやかにうけるきみ。
予定されていた親戚への挨拶まわりすらキャンセルして。
そういうことに、私の側の親類は、たいそうものわかりがいい。
「都会のお嬢さんにしては、ご熱心ね」
そういって、感心しこそすれ。
スケジュール変更の非礼を咎めるものはいない。
そうしてきょうも歩むお邸への道。
降り注ぐ陽射しのなか、ストッキングの光沢もつややかにきみは軽やかに足どりをすすめる。

「ストッキング、お好きなんですね・・・」
お行儀よくひざの上できちんと手を重ね、
小首をかしげ、言葉をはずませている。
血に飢えたかれのまえ。
それでもきみはあくまでにこやかで礼儀正しい。

「こんなふうになるとは思っていませんでしたので、あまり持ってまいりませんでしたのよ」
優しく咎めるような口振りで、
けれどもそろそろと忍び寄る彼の手を、
きみは決して拒もうとしない。
善意の献血という名目を、まだいくばくか心のなかで信じ込んでいるきみは、
吸血鬼の要求に、あくまでまじめに接してゆく。
求められるままに、身に着けているパンティストッキングをむぞうさにひざまでおろして、
夫になるボクのまえで、
健康さのみなぎる太ももをほかの男の目にさらすきみ。
いまどきにしては珍しく、大人びた古風なところのあるきみも、
人あたりも身のこなしもまだまだ未熟な、年端のゆかぬなりたてレディ。
こともなげに肌をむき出しにするというたくまぬはしたなさに、
初々しさを帯びた健康なエロスを発散させて、
みずから求めたはずの吸血鬼も一瞬目のやり場に戸惑っている。

かれはきみのすべすべとした太ももにじかに触れてゆき、
掌をぴったりとあてがっていく。
執拗に、すがりつくような切実さで指を食い込ませてくる彼に
―――アラ、あまり痛くなさらないでね・・・
ちょっぴり顔をしかめて咎めるけれど、
素肌を通してきみの若さを吸引しようとするような掌を、そのまま受け容れてしまっている。
肌に食い入るように這い込んだ、 男にしてはほっそりとした指の一本一本に
淫猥な情念が宿ると知ってか知らずか。
いまは露骨なまでに身をすり寄せてくるかれのなすがままにされてゆく。
ゴム付きストッキングを引きおろすために太ももに手をかけることさえためらったきみは、
きょうはスカートの奥まで手を差し入れて、彼の欲求に応えようとしている。
その変化は未来の花婿としては忌むべきものであるはずなのに。
どうしてボクはそんなきみをにこやかに見守っているのだろうか?

蒼白い静脈の浮いた細いうなじに、さし寄せられる唇を這わされて。
きみはとろんとした目つきをして、なすがままにされてゆく。
素肌にじかに吸いつけられた唇が、キュウッ・・・と生々しい音をたてるとき。
乳色をしたむき出しの肌に、赤黒い血潮がかすかにはじける。
「あ・・・ん・・・」
悩ましげに眉をひそめて、となりにぴったりと寄り添うかれに、身をゆだねていく。
ボクは嫉妬と惑溺の入り混じった、
わけのわからない衝動にぐらぐらとしながら、
なかば陶酔を浮かべながら血を吸われる婚約者の悩ましげなまなざしを追っている。

あとがき
以前はふたつになっていたお話を、ひとつにまとめてみました。
さいしょに由貴子さんが穿いていたのは太ももまでのゴム付きストッキング。
さりげなくワンピースのすそを引き上げて、脱ごうとする手をおしとどめられてストッキングのまま太ももを咬まれた彼女。
そこまで許してしまった彼女がつぎに身につけていたのは、パンティストッキング。
ためらいは一歩一歩影をひそめてゆき、にこやかな恥らいをうかべながらも。
婚約者のまえ、悪びれもしないで、ちょっとはしたない恰好で素肌を触れさせてしまっています。
危なっかしい光景にドキドキしてしまう私。
けれでも私の胸のうちよりも、まだうら若く稚くもあった彼女がたくまず発散するエロスのほうについ筆がすすんでしまいました。
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