えっ?血を吸いたい・・・って?
困ったな。
だって、道端だぜ?昼間だぜ?
いくらキミが喉が渇いているからって。
こんな時間に出没するのは。
ちょっと、ルール違反だね。
えっ?それでも、欲しいんだって?
困ったヤツだな。
もう少し、少しだけ、ガマンできないかな?
近所の目だって、あるじゃないか。
ガマンならないって?すぐにも抱きつきたいって?
ヤなことをいうね。男と男じゃないか。
気色悪いよ。
あっ・・・傷ついた?そんなに落ち込むなよ。
みっともないから。泣くなって。
泣きたいのは、こっちのほうなんだぜ?
いつもオレの女房をたらし込んで、
生き血を吸って、そのうえ自分の情婦(おんな)にしちゃっているクセに。
キミの凄腕には、困ってしまうよ。本当に。
え?もう夕方だって?暗くなってきただって?
ほんのちょっと。ズボンをたくし上げてくれればいいんだって?
どこまで、強欲なんだろう。
そうやって。精をつけて。
今夜も、女房をベッドに引きずり込もうというだろう?
こともあろうに、オレの血で。精をつけて。
ひともあろうに、オレの女房を寝取ろうなんて。
だって・・・って。
目印、だろう・・・?って?
濃紺の薄い靴下が、かい?
べつだん、キミのために履いているわけじゃないんだぜ?
薄い靴下は、男でも色香が漂うって?
いい気なものだね。
いつもそうやって。
オレの靴下を、びりびりに噛み剥いで。
女房のストッキングの、オードブル代わりにしようっていうのだろう?
そんなに、嬉しそうな顔するなよ。
ほら、見ろ。あちらのお宅の、生垣の向こうから。
お隣のご主人がニヤついているじゃないか。
わかったよ。わかったよ。どうせ、ばればれなんだから。
お望みどおり、ズボンをたくし上げてやるからさ・・・
ほんのちょっとだぜ?
どこかに、座るところはないかな?
そのほうが、キミも落ち着いて愉しめるだろう?
近くの公園に、ベンチがあったね。
そこまでなら、ガマンできるよな?
お手柔らかにね。噛むのは・・・そうだな。三回までだぜ?
もちろん、片脚ずつ・・・
利き脚を三回、逃げられないようにつかまえて。
それからもう片方も、三回。
ひざ下と、腿と。足首と。だね?
わかっているさ。それくらい。
そうして、オレのことを、ぼうっとのぼせ上がらせて。
うちに忍び込んで、女房のうえに、またがろうっていのだね?
お隣に聞えるくらい、どたばたともの音たてちゃって。
オレのほうは、ノビちゃえばそれっきり放って置くにしても。
女房のほうは・・・どうやらオレのときみたいに三回じゃ済ませてもらえそうにないんだろう?
好きにしろよ・・・
オレも・・・我を忘れて。。。
ただの男に、成り下がるのだから。
あとがき
ぶつぶつ、ブチブチ、ぼやきながら。
とうとうご自分も、奥さんも、血を抜き取られてウットリしちゃうんですよね?^^;