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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ひし形もようのハイソックスを履く妹。

2017年07月24日(Mon) 07:10:47

ひし形もようのハイソックスを履いた脚をバタバタさせながら、
妹が吸血鬼に抑えつけられて、首すじを咬まれてゆく。
発育の良い小麦色の首すじに突き立てられた牙で、クイッと咬まれた瞬間、
小さな唇からアアッ!と声をあげて、妹はバタつかせていた脚を引きつらせた。

きゅう、きゅう・・・ごくん、ごくん・・・
吸血鬼は喉を鳴らして、妹の生き血をむさぼるように飲み耽ってゆく。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
ひし形もようのハイソックスの脚を再びバタつかせながら、援けを求める声を聞き流し、
吸血鬼が獲物にかぶりつく有様を、ぼくはばかみたいにボーっと眺めてしまっていた。

部活が終わったあと、練習用の無地のストッキングから、わざわざ新品の試合用のストッキングに履き替えて。
白地に赤のラインの入ったストッキングの上から唇を這わされて、
リブ編みのナイロン生地の舌触りを、くまなく愉しまれたあげく――
むき出された牙で、がぶりとやられてしまう。
いま、ぼくのひざから下を覆っているストッキングは、わざとしみ込まされた血に、真っ赤に濡れて、
ぬらぬらと生温かく、ぼくの足許にへばりついている。

母の生き血を欲しがって、なおもしつこく下校のあとをついて来た吸血鬼は、
通りがかった妹に、目をつけた。
ミニスカートの下に履いたひし形もようのハイソックスに目がくらんで、
しきりにあの子はどこの子だ?とぼくに訊き、
「妹だよ」
言いにくそうにそういうと、それはいたって好都合!とばかりに、妹のあとを尾(つ)けて、家のなかにまであがり込んできたというわけだ。

「お兄ちゃん、この人だれ?」
怪訝そうな妹に。
「あんたの血を吸いに来た」
男はこれ見よがしに牙をむき出して、本性をあらわにする。
えっ?えっ?どういうことっ??
両手で口をふさいで戸惑う妹は、伸びてきた猿臂をかわし、
家じゅうを逃げ回る。
楽しい鬼ごっこの始まりだ。
ひし形もようのハイソックスの脚を追いかけて。
やつはわざと手かげんしながら、妹を追い詰めていって。
さいごに抱きすくめたのは、本人の勉強部屋だった。
「キャーッ!」
身を揉んで振り離そうとするさいごの努力を押し切って、
そのままたたみの上へと、抑えつけてしまったというわけだ。

「助けてっ!助け・・・」
妹はとうとう声を途切らせて、ウーッとうめいて白目をむいた。
男は妹のうえから身を起こし、ククク・・・ッと、意地悪そうに笑う。
これからが、お愉しみタイムなのだ。
やつはそろそろと起こした身体を、こんどは大の字になった足許へとかがみ込ませてゆく。
ひし形もようのハイソックスの舌触りは、いったいどんなふうなのだろう?
這わされた唇から洩れるくちゃッという音が、忌々しいほど嬉しげだった。

う~ん・・・
妹が正気づくのに、たっぷり30分はかかっていた。
そのあいだじゅう、やつはご熱心にも、しつこくも。
ひし形もようのハイソックスのふくらはぎに、くまなく唇を這わせつづけて、
妹の履いている靴下に、いやらしいよだれをなすりつけてゆく。
「エエのう・・・エエのぅ・・・オイ、数雄。きょうの獲物は愉しいのぅ」
やつが恥知らずにもくり返すうわ言に。
ぼくも恥を忘れて聞き入っていて。
気の強い妹が、それとは気づかずに、自分の履いているハイソックスを吸血鬼の意地汚い欲情のまま愉しまれてしまっている風景を、ただぼうっとして、眺めてしまっていた。

ハッとわれにかえった妹は、這わされる舌の感覚に、キッと目線を自分の足許に転じた。
あっ!という表情を泛べると、咎めるようにぼくをにらんで、歯を食いしばって、脚を男の猿臂から引き抜こうとする。
彼女が正気にかえったタイミングは、最悪だった。
まだ失血から回復していない妹は、ひし形もようのハイソックスの舌触りを、愉しませつづけるしか手がなかったのだから。
やがて男はふたたび牙をむいて、妹の強いまなざしをくすぐったそうに受け流しながら、
ひし形もようのナイロン生地ごしに、牙をズブズブと、埋め込んでいった。
アアアアッ・・・
妹は、悲痛な声をあげて、痛そうに眉を寄せる。
けれどもそれはさいしょに咬まれたときよりも、たんなる痛みとは違う感情を滲ませていた。
「痛み」をうわまわったのは、、「羞ずかしさ」。
そして、妹の本能は、正しかった。
やつの術中にひき込まれかけた妹は、なおもしつように足許をいたぶろうとする吸血鬼をまえに、
知らず知らず脚をくねらせて、やつの吸いやすいように、脚の向きを変えてやってしまっている。
身近な人が、洗脳される――
母さんが初めて襲われるのを目にしたときに感じた、あの後ろめたい従属感を。
ぼくは再び、ゾクゾクと。
震えあがってつま先立つほどの歓びを、身体じゅうにみなぎらせていった。

ふくらはぎに、むこう脛に、足首に。
くまなく吸いつけられる唇は、妹の血をたっぷり吸って、
妹はすでに相手の下心をじゅうぶんに察しながらも、
気に入ってもらったひし形もようのハイソックスを愉しませつづけてしまっている。
背後のドアの向こう、母さんが身を忍ばせてきたのにも、気づかずに。

ぼくの耳もとで、母さんが囁いた。
「ゆう子まで、襲わせちゃったの?」
「やつのほうで、勝手に目をつけたんだ」
「相性なのかね・・・」
呟く母さんに、
「相性なんだろうね・・・」
呟きかえすぼく。
気丈な母さんが、やつの気配を察して真新しいストッキングに穿き替えているのを、ぼくは見逃さなかった。
「ゆう子が気絶しちゃったら、あとで母さんの部屋に来るように言って」
言い残した足音が、ぼくの背中に遠ざかってゆく。
抱きすくめられたまな娘が、クスクス、へらへらとくすぐったそうに笑いながら。
自分の身体をめぐるうら若い生き血を、いまは惜しげもなく振る舞い始めたのを見届けたうえで。

「うちの父さんが・・・」短歌バージョン

2017年07月18日(Tue) 08:21:57

構想がもりもり湧いてきたので、前々作の短歌バージョンを作りました。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3499.html

妹の 生き血欲しいと せがむ人を
  断り切れずに 誘い込む夜          1

妹の 血が美味ければ 母親も
  きっと美味かろと おねだりをされ      4

妹の 白いハイソを 汚されて
  母のパンスト また破かれて         5

妹の 初体験にも ドキッとし
  母犯されて さらにズキズキ        16

母さんの パンスト破り 血を啜る
  ぼくのハイソを 破いた牙で        20

気の強い 母さんねじ伏せ 支配して
  ぼくもしんそこ 服従する気に       17

父さんに 黙っていてねと 言う母に
  仲間はずれは 好くないと応え       18

いつもより 帰りの早い 父不運
  妻が抱かれる場に 帰り着く        19

えっ!?なんで? どういうことだ? いつからだ?
  うろたえながらも 視つづけた父      22

おずおずと お似合いだよね?と 言うぼくに
  そうかも知れんと まだ視つづける父    23

とめないで つい視ちゃうんだ ヘンだよね?
  母さん守れず いけない子だね・・・    24

視たくなる いけないけれど どうしても
だから内緒で 覗いていたの        25

好きだから 視ちゃうんだよねと いうぼくに
そうなのかもねと 父もうなずく      26

意外にも じゃまをしないで 見守って
  ロマンスだからと もの分かり良い父    21

間男が 帰ったあとに なに食わぬ
  顔してもどる 父は賢く          27

母さんを 奪(と)られちゃったね これからは
  よがる母さん 視て過ごそうね        2

母犯す 人のぞき見て 苦笑い
  父子で交わす 大人の同意          3

頼むから きみの母さん 抱かせてと
  せがむ親友 断り切れず          28

いちどすれば 二度目がふつうに あるように
  二人目迎えて 母うろたえず        29

母さんと 初体験した 親友の
  自慢話に  フクザツなぼく         6

親友に 女が欲しいと ねだられて
  いい服着ててと 母に電話を         8

日ごろから しつけにきびしい 母さんの
  別な一面 見せつけられて         30

母親から 女になった そのひとと
  近しくなった 気になるこのごろ      31

6時ごろ 勤め先から 帰宅する
  母のスト脚 狙う親友            9

パンストを 破かれ路上で 犯されて
  服の泥払う 母は冷静           32

勤め帰り スーツ汚して 犯される
  母さん見つめる ぼくはドキドキ      33

賢妻で しっかり者の 母さんは
  凛と振る舞い 役目を果たす        34

役目とは 息子の友の 筆卸し
  浮気じゃないと 言い放つ母        35

好きなのは 雄太の母さん だからかな
  母を犯した 友のつぶやき         10

ハルオなら 母さん抱かれて 嬉しいね
  口突いて出た 本音に戸惑う        11

きみならば 母の相手に ふさわしい
  息子のぼくが イチオシするよ       36

たまらない 女がほしい ねだる友
  きょうは日曜 父さんいるよ        37

かまわない 父さんいたって いいじゃない
  女ひでりの友に 口説かれ         12

かまわない 父さんいても 招(よ)びなさい
  父の言葉に 耳を疑う           13

かまわない 父さんいたって いいじゃない
  母さん惑うの 視たがってるの       15

母は強し 女も強し 父さんの
  性癖見抜き 自分も愉しむ         38

父さんも 母さんモテて 嬉しいさ
  本音を語る ひとはわが父         14

ぼくだって 母さんモテて 嬉しいよ
  この父にして この息子だね        15

妹は 雄太の父に 汚されて
  汚され抜いて 女になった         39

妹を 嫁にどうか?と すすめられ
  戸惑う友は 母の愛人           40

父さんが 汚した女を 嫁にする
  どう思う?って 訊かれても困る    41

汚れても ぼくの妹 母の娘
  きみしかいないと ぼく思うけど・・・ 42

潔く 寝取られ亭主の 仲間入り
  きみもいよいよ 本物だよね      43

父さんが 汚した娘を 花嫁に
  舅孝行・・・ するんだろうね      7

お祝いに ぼくが結婚 するときは
  未来の花嫁 連れてくるから      44

約束さ うん約束だ 必ずね
  ぼくの花嫁 抱かせてあげる      45

寝取らせ歌 うわきうた

2017年07月18日(Tue) 07:20:15

吸わせたい 姦(や)らせてあげたい そう思い
  着飾る妻を 連れ出した夜                1

予告せず 逢わせた相手の 正体に
  戸惑う妻が ひどく可愛い           8

欲しいのは 若い人よね 見逃して
  言いつのる妻を 魔手がとらえる  7・8

這わされた 唇熱く 惑う妻
  ああ襲われちゃうと わたしを見つめる   9

手を握り 握り返して きた妻の
  掌の力 じょじょに弱めて           10

着飾った 服破られて 迫られて
  これってお見合い? 苦笑いする妻     2

血を吸われ 思いのままに 犯されて
  相手の所有物(もの)に なってゆく妻   11

着飾った 服も馳走と 愉しまれ
  堕とされた妻は へらへらと笑う        3

これからは 浮気するわね 愉しむね       6
  声励まして ほほ笑んだ妻

アラ不思議 夫がひとり 増えたのね
  「好き」の代わりの 妻の言いぐさ      12

良かったろ? 露骨な言葉に 顔しかめ
  主人のまえで ダメよとたしなめ       13

大きいわ 主人のよりも 大きいわ
  言ってあげるね 嬉しいでしょう?      14

ほんとうは どっちのほうが よかったの?
  わたしの問いに 無言で笑う         15

逢う夜は 週に2回と 昼ならば
  毎日来てね 主人の留守に          16

犯されても 妻は妻です よろしくね
  浮気してても あなたの妻よ          17

逢うときも 指輪ははめた ままでいる
  人妻好きな 情婦(あのひと)のため     18

これからは 二人の夫に 尽くします
  三つ指を突く 妻しおらしく            4

嫁に出す 想いで妻を 送り出す
  浮気相手の 待つホテルへと          5


ナッシュ・ド・レーさんのコメントに応えているうちに、いろいろ浮かんできました。^^
番号は、作った順番です。

「うちの父さんが、沙耶ちゃんの血を吸いたがってる」

2017年07月18日(Tue) 06:29:38

「うちの父さんが、沙耶ちゃんの血を吸いたがってる」
同級生のハルオくんがぼくにそう持ちかけてきたのは、
ぼくが彼に吸血されるようになってから半月くらい経ってからのことでした。
なんでも、下校途中の沙耶を見かけてすっかりご執心になったとか。
そういうときって、いちいち親族に断って紹介させるものなのかい?
って、ぼくはハルオくんに訊きました。
ぼくのときは、体育の時間にふと気づいたら二人きりになっていて、
ライン入りのハイソックスを履いたふくらはぎを咬まれてチューチューやられたのがきっかけだったから。
ハルオはそのときのことを訊かれているのだとわかったのか、ちょっときまり悪そうにしながら、
「うちの父さんはシャイだから」
と、いいわけにもなりそうにないいいわけを、してきたのでした。

沙耶ひとりでは怖がるだろうからと、さいしょは本人の前でぼくが、ハルオくんを相手に吸血されるところを、お手本に見せることになりました。
夕方沙耶を連れ出すとき、母さんはぼくの意図を薄々察していたようですが、止めようとはしませんでした。
いずれ自分の番が回って来る・・・と、わかっていたからです。

この街は、父さんの勤める会社の創立者の出身地で、吸血鬼と人間とが平和に共存しています。
都会からこの街に越してきたぼくたちは、父さんの勤め先の人事担当者から、そうしたことを聞かされていましたし、
ぼくたちがこの街に送り込まれる理由も、血液を提供するためだと言われていました。
いろいろな事情で都会に住めなくなったぼくたちは、献血の協力と引き替えに、安住の地を得ることになっていたのです。

なにも知らない沙耶は、暗闇迫る公園で、兄妹で二人きりになって、
彼方から二人が姿を現したときにはじめて、なにが起こるのか気づきました。
「やだ、お兄ちゃん怖い」
怯える沙耶をなだめすかして、ぼくのまえにかがみ込んでくるハルオ君を相手に、
いつものように足許をくつろげて、ハイソックスを履いたふくらはぎを咬ませていきました。

「痛くないの?平気なの?」
なん度もくどいほど訊いてくる沙耶の背後に、ハルオくんのお父さんがまわり込んで、
後ろから抱きすくめると、否応なしに首すじを吸って、牙でガブリとやってしまったのです。
「あぁあーっ!」
沙耶はかわいい悲鳴を上げて、ベンチの隣に座るぼくとおなじように、チューチューと血を吸いあげられていったのです。
兄妹の身体から、競い合うように吸いあげられる血の音を、ぼくたちのことを気にかけて様子を見に来た母さんは、息を殺して聞き入っていた――あとでそんなことを打ち明けられて、家族3人でにっこり笑い合ったのは、もっとずっとあとのことでした。

ハルオくんも、沙耶の血を吸いました。
お父さんから分け前をもらえたのです。
ハルオくんはお父さんと入れ替わりに、沙耶の後ろにまわり込むと、
ベンチの背もたれに身体をもたれかけさせた沙耶の首すじを咬んで、
さっきお父さんがやっていたみたいに、沙耶の血をチューチュー吸いはじめたのです。
咬んだのは、お父さんが咬んだのとは逆側でした。
お父さんは「生意気だ」と苦笑いしながらも沙耶の足許にかがみ込んで、
沙耶の履いているハイソックスを咬み破りながら血を吸いはじめます。
真っ白なハイソックスには、みるみる赤黒いシミが拡がりました。
ぼくの履いているライン入りのハイソックスは、ハルオくんに咬み破られて、
やはり赤黒いシミをべったりとつけて、たるんでずり落ちかけていました。
沙耶のハイソックスも同じように弄ばれて、くしゃくしゃにずりおろされてしまうのを、
ぼくはなぜか胸をドキドキとさせながら見つめつづけてしまいました。

それ以来。
ぼくたち兄妹は、学校帰りにハルオくんの家にお邪魔して、
兄妹ながらハルオくん親子に血を吸われるようになったのです。
ほとんどの場合ハルオくんがぼくの、お父さんが沙耶の血を吸ったのですが、
たまに獲物を取り替え合うことがありました。
一人の人間を襲って生き血の味が気に入ると、家族の血も気になるのだそうです。
血のつながった家族の血は、味も似ているらしいから・・・
お父さんがぼくたちの母さんを襲ったのは、きっとそういうことだったのでしょう。
その前にお父さんは、ぼくたちの父さんを勤め先まで訪ねていって、咬んだそうですから。
貧血になるほど血を吸われ、病院経由で父さんが帰宅したときは、
こんどは母さんが血を吸われている真っ最中で、
父さんはハルオくんのお父さんに遠慮して、母さんが吸血されているリビングには入らずに、
隣の部屋からいちぶしじゅうを見守っていた――と、ハルオくんから後で聞きました。
母さんが襲われているあいだ、「視ないほうがいいよ」といわれたぼく達兄妹は、
妹の勉強部屋で3人でいて、交代でハルオくんに首すじや脚を咬ませてあげていたのでした。


その夜の出来事がきっかけとなって、
母さんはハルオくんのお父さんと、父さんとは内緒でおつきあいをするようになりました。
「子どもは知らないほうが良い」とハルオくんは言いましたが、
ぼく達だってそこまで言われたら、母さんがハルオくんのお父さんに何をされているのかは、おおよそ察しがついてしまいます。
ですからぼく達は、知らないふりをしつづけることにしました。
母さんがいつものようにキビキビと立ち働いて、ぼく達を早く学校に行かせようとするのを、沙耶とふたりこっそり目くばせし合っては、クスクス笑いをこらえていました。
なにしろ、ぼく達と入れ替わりに、大人のお愉しみが始まるのですから――

母さんがハルオくんのお父さんの餌食になってしばらく経って、ハルオくんがぼくに自慢しました。
「俺、大人の女の味を識ってしまった――雄太の母さんで」
予期してたことではあったけど、ちょっぴりショックでした。
そう、ハルオくんは、ぼくの母さんを相手に、いわゆる「筆卸し」、つまり初体験を済ませたのです。
ショックでしたが、なぜかドキドキしてしまいました。
ハルオくんはそんなぼくのようすをなにも言わないで見ていましたが、
それ以来、ぼくは母さんか沙耶のどちらかに付き添うことをお願いされました。

ハルオくんのお父さんが沙耶を呼び出したときには、
よそ行きの服に着替えた沙耶をハルオくんの家に送り届けて、
先にお父さんに血を吸われて、元気になったお父さんが沙耶のうえにのしかかります。
さやがおめかしをしてきたのは、お父さんに襲われるためだったのです。
だからお父さんの節くれだった掌が、
沙耶の着ているブラウスを荒々しくくしゃくしゃに着崩れさせたり、
折り目正しいプリーツスカートを、パンツが見えるまでたくしあげられたりするのを、
沙耶はくすぐったそうな笑い声をあげながら、受け容れていったのでした。

ハルオくんが母さんを訪ねて家にやって来るときは、
よそ行きの服に着替えた母さんはウキウキと台所に立ってお紅茶の用意をし、
ふたりでいる勉強部屋に、お紅茶を3杯淹れていそいそと現れます。
ハルオくんは色気づいた気分になると、父さんがいる日でも構わず家に来るので、
そういうときには3人で、ぼくの部屋にこもり切りになるのです。
ぼくはハルオくんの分のお紅茶も余分に飲みながら、勉強に熱中するふりをして、
ハルオくんがお紅茶の代わりに母さんの首すじやストッキングを穿いた脚を咬んで生き血を啜るのを、チラチラ盗み見ていたのです。
一定量の血を吸って渇きが満たされると、ハルオくんは母さんにのしかかって――ぼくのまえでセックスまでしていったのです。
さいしょはぼくのまえではかっこをつけようとしていた母さんも、
ハルオくんの来るのが度重なると、もうガマン出来なくなって、
聞こえよがしに声をあげるようになってしまいました。
ぼくはそれでも勉強に熱中した振りをしながら、
半ズボンをぬらぬらとした粘液で濡らしてしまうのでした。
母さんの不倫体験――まさかこんなふうに目にすることがあるなんて、思ってもいませんでした。

沙耶のほうも、大きな変化が起こりました。
ぼくが沙耶をハルオくんの家に連れていったある日のこと、
ブラウスのうえからおっぱいをまさぐったり、
パンツのなかに手を入れたりしていたハルオくんのお父さんは、
とうとうガマン出来なくなって、沙耶のことを犯してしまったのです。
居合わせたぼくは貧血でぶっ倒れていたので、あわてる沙耶を助けることもできずに、
たださいしょから終わりまでを、しっかり見届けさせられてしまったのです。
妹の初体験――まさかこんな形で目にするなんて、思ってもいませんでした。


いまお話したのは、10年ほどまえの出来事です。
ぼくたち家族はこの街で、元気に暮らしています。
父さんは同じ勤め先で働いていますし、
母さんは浮気に励んでいます。
沙耶はハルオくんのところにお嫁に行って、ハルオくんとお父さんの面倒を見る毎日です。
ハルオくんのお嫁さんになっても、初体験の相手はハルオくんのお父さんですから、
そうした関係も、ハルオくん公認で続けているみたいです。
「身体の隅まで識られてしまうとね、亭主の親が齢取っても、きちんと面倒をみるものなのだよ」
ハルオくんのお父さんはもっともらしい顔をして、そんな自慢をぼくにします。
たしかに――沙耶はいい嫁になっているのかもしれません。
ハルオくんのお母さんはべつの吸血鬼の恋人なので、
姑の身代わりの役も、それは熱心に果たしているらしいです。

花嫁を父親に寝取らせているハルオくんにも、今年良い話がありました。
ぼくが結婚することになったからです。
結婚相手は、父さんの勤務先の同僚の娘さんで、都会育ちのなにも知らないお嬢さんです。
結婚を控えた彼女を連れてハルオくん親子の家にあいさつに行ったのはつい先週のこと。
そして昨日――ハルオくんはぼくの婚約者に迫って、とうとう処女をゲットしてしまったのです。
「初めての女の人は初めて」と悦ぶ、ハルオくん。
未来の花嫁の初体験を目の当たりに、妖しい歓びに目ざめてしまった、ぼく。
彼女がぼくを裏切って、べつの男性に処女を捧げるシーンはとても悩ましく、
母さんや沙耶が襲われるところを目にして植えつけられてしまったマゾヒズムを、大きく開花させてしまったのでした。

これからはきっと、ぼくもこの街の良き住人として、花嫁の治子さんともども仲良く暮らしていくのでしょう。
築いた明るい家庭では、優しい心を持った息子や娘が育ち、
娘は年配の吸血鬼――たぶんいい齢になったハルオくん――を相手に純潔を捧げ、
息子は妹を初めて犯した同じ吸血鬼に、自分の未来の花嫁をゆだねるのでしょう。

あなたも、この街で暮らしませんか?
ご家族と一緒に。


あとがき
友だちの妹に目をつけた父親のため、吸血鬼の少年が吸血相手の友だちに妹を連れ出させる――
父親が妹を犯すところまで見届けるながらも、さいごは彼女を妻にすることに。
結果的に、自分の結婚相手を父親に襲わせ処女まで与えてしまう というのを描きたかったのですが。
友だち目線にした結果、
「妹の吸血初体験を協力させられて、妹の血を気に入った相手に母親まで襲われて、
妖しい歓びに目ざめてしまったあげく、結婚相手の処女まで奪わせてしまった」
という、別の形の寝取られ話になってしまいました。
^^;

延命された貞操

2017年07月10日(Mon) 06:37:09

貞淑な主婦が犯されそうになったとき、必死で抗って。
相手が自分の心を読んで、暴力で彼女を犯そうとする意図を諦めて、見逃してくれたとしたら。
彼女はどれくらい、感謝するでしょうか――?


吸血鬼と共存しているというこの街に赴任して、一か月ほど経ったときのことでした。
妻の生き血を、特定の吸血鬼にプレゼントする羽目に陥ったのは。

その日は、わたしの所属する地元のクラブ・チームの試合の日でした。
都会出身の職場の同僚に同好の人がいて、メンバーに加えてもらったのです。
対戦相手は、吸血鬼のチームでした。
締まっていこうぜ。負けると試合のあと、血を吸われちまうからな。
同僚の囁きにもかかわらず、結果は惨敗でした。
吸血鬼チームのメンバーは、けた違いの馬力を発揮して、吸血する権利を手にしたのでした。
彼らは思い思いにわたしたちのチームの選手を一人ずつ選んで、血を吸ったのです。

奥さんが応援に来ているチームメイトも、おおぜいいました。
彼らは促されるまま奥さんともどもグラウンドの向こうの草むらに脚を向けて・・・
立ち去りぎわに振り返ると、彼らは顔が土気色になるまで血を吸い取られて草むらの中に転がっていて、
そのすぐ傍らで、こんどは奥さんまでもが襲われていたのです。

――――――

エッ、奥さん姦られなかったの?
職場のみんながいっせいにこちらを振り向いたのは、週明けのことでした。
その前の日には、職場対抗のスポーツ大会があって、
わたしの所属するチームは吸血鬼のチームに惨敗してしまったのです。
吸血鬼のチームに負けると、選手は全員血を吸われてしまうことになっていました。
丈の長い靴下が好みだという吸血鬼たちにとって、わたしたちの身に着けたユニフォームは美味しいご馳走だったようです。
短パンの下は、白のラインが三本走ったブルーのストッキング。
試合後選手は全員、相手チームの吸血鬼に呼び集められて、
短パンの下に履いているストッキングのうえから、ふくらはぎを咬まれて血を吸い取られたのです。
奥さんが応援に来ていたチームメイトは、奥さんまで血を吸われ、おまけに犯されてしまっていました。
まるで、自分の奥さんの血を吸わせるために招んだようなものでした。
(いま考えると、事実そうだったのかもしれませんが・・・)

負けるとそういうことになるときいていたので、わたしはわざと1人で参加したのですが、
それは無駄な努力に終わりました。
わたしのことを獲物に選んだ男は、にんまりと笑って言ったのです――きみの血は、きみの家で愉しませてもらうから。
彼の目あてがなんなのかは、訊かなくてもわかります。
でも、断り切れなかったわたしは仕方なく、彼を自宅へと伴ったのです。
そう。この街で吸血鬼に魅入られたら、逃れるすべはない。
それと知りながら赴任を承諾したのは、私たちがもう、都会にいられない事情を持った人間だったからでした。
――この土地は、どんなに負い目のある人間でも、分け隔てなく仲良くしてもらえる土地柄なのだよ。
わたしに転任を薦めた上司はそう言って、自身もかつて数年間、その街にいたのだと告白してくれました。
(彼も既婚者でした)

ほかのチームメイトは全員奥さんを招んでいたので、グラウンドに残っていました。
試合のあとのグラウンドで、チームメイトの奥さんたちは、
よそ行きのブラウスやワンピースを泥だらけにしながら、
生き血を吸われ、犯されていったのです。
きゃあきゃあとはしゃぎながら、それは愉し気に。


家に着くと、妻がびっくりしたように、わたしを出迎えます。
相手チームの吸血鬼を連れ帰るとは、もちろん聞かされていません。
それでも――どういう意図で家まで来たのかは、薄々察しがついたようすでした。
妻もまた、自分の置かれた立場を、よく心得ていたのです。
試合のあとに人を――それも相手チームの吸血鬼を――家に招ぶ予定はなかったし、
途中から妻に連絡するようなこともしなかったので、おもてなしの用意などなにもありません。
でも、そんなことは初めから必要ないのです。
妻は相手の望むままに、妻自身の生き血を振る舞えば、それで済むのですから。

この街で、吸血鬼が既婚の女性を襲うとき、例外なく相手の女性を犯すと聞いていました。
自宅を舞台にした落花狼藉――それはもう、避けては通れないものになっていたのです。
けれども彼は、意外にも紳士的でした。
彼の言によれば、彼が妻のことを見初めたのは、
わたしたち夫婦が赴任のあいさつで初めて出社したときだったそうです。
彼はわたしの同僚たちに、宣言したそうです。
――あの奥さんの脚を咬んで、ストッキングを破りながら血を吸いたい――と。
その望みが、きょうかなえられるのです。
わたしは仕方なく、「おめでとう」と、言ってやりました。
それを真に受けて、素直にありがとうを返されて。
わたしは初めて、まず自分の血を提供するために、ライン入りのストッキングのうえから、牙で冒されていったのです。
太めのリブのツヤツヤした真新しいナイロン生地ごしに、唾液にまみれた唇の熱さが、じかに伝わってきました。

チクリ、と突き刺す、かすかな鈍痛。
じわっと滲む、生温かい血。
チュウチュウと小気味よく吸い取られる、働き盛りの血。
貧血で頭がくらくらするまで、吸いつづけさせてしまっていました。
この唇が。この牙が。
これから妻の素肌を侵すのだ――そう思うといても立ってもいられない気持ちになるのですが。
そのいっぽうで。
こんな唇に誘惑されて、
こんな牙に咬まれてしまったら。
妻だって、ふつうの気持ちでいられるわけはない・・・などと。
感じはじめた罪深い陶酔に、わたしはいつの間にか、夢中になってしまっていました。
なんとか妻の素肌を咬ませたい。
男の相手を初めてわずか数分後には、すっかりそんな想念にとりつかれてしまっていたのでした。

妻が真新しいストッキングに穿き替えて、彼の前に現れたとき。
わたしはもう、貧血のあまり頭を抱えて、じゅうたんの上に転がっていました。
ちょうど――グラウンドを去り際に、同僚の一人が土気色の顔をして草むらのなかに横たわり、
その傍らにねじ伏せられた奥さんが、羽交い絞めにされながら犯されていったときのように。

妻はソファに腰かけて、息をつめて男を見あげます。
男は妻の手を取り、手の甲に接吻すると、ひと言「落ち着いて」と囁き、
それからおもむろに妻の足許にかがみ込んで、
わたしの血を吸い取ったばかりの唇を、ストッキングを穿いたふくらはぎに吸いつけていったのです。
わたしの履いていたスポーツ用のストッキングも、その唇に冒されたばかりです。
まして妻の穿いているパンティストッキングはひどくなよなよと頼りなくて、
ちょっといたぶったらすぐにでもほつれてしまいそうな代物でした。

くちゃっ。
圧しつけられた唇の下。
真新しいナイロン生地にかすかな唾液が散って、
唇のしつようないたぶりにつれて、いびつによじれていきます。
なん度もなん度も、男はその行為をくり返しました。
そしてなん度めかの接吻を、ただの接吻で終わらせずに、そのまま牙を埋め込んでいったのです。
妻の整った横顔がキュッと引きつるのを見て、「咬まれてしまったな」と、実感しました。

チュウチュウ・・・
キュウキュウ・・・
ひとをこばかにしたような音をたてて、妻は生き血を吸い取られていきました。
緊張に包まれた妻の表情がやがてほぐれて、目の焦点が合わなくなって。
口許にはへらへらとした薄笑いさえ泛べて、
やがて姿勢を崩して、ソファからじゅうたんのうえにすべり落ちる――
しかし、男は意外にも、その場で妻を犯そうとしませんでした。
貧血で顔を蒼ざめさせた妻を引きたてるようにすると、もう一度首すじに唇を這わせ、ひとしきり血を吸って、優しく抱きしめると、そのまま解放してくれたのです。

意外な展開に、妻は首すじにつけられた咬み痕に手を添えながら、じっと男を視ています。
男も妻のことを、じっと視かえしていました。
まだ決心がつかないようだね。
男のひと言に、妻はほっとしたように表情を和らげます。
そう、潔癖症な妻はどうしても、この場で、夫の目の前で犯されるという現実に、耐えることがまだできずにいたのです。
男は血を吸いながらも冷静にそんな妻のようすを見極めて、
妻が立ち直れないほど打ちのめされてしまうのを避け、あえて状況を寸止めにしたのでした。

わしらがあんたがたを犯すのは、恥を掻かせてやろうとしてそうしているわけじゃない。
生命と同じ値打ちのあるものを飲み物にさせてくれたお礼に、敬意を表したいだけなのだ。
だがそんなことを言われても、いきなり信じられるものじゃない。
ふつうの奥さんなら、強引に迫って落としてしまったほうが、踏ん切りがつくこともあるのだが。
だいぶ、潔癖なひとのようだから。
奥さんを人間なみのやり方で抱くのは、つぎの楽しみに取っておくよ。

男は朗々とした声色で、そう告げたのでした。
破いたストッキングを弁償したいとまで、男はいって、わたしに一万円札を差し出しましたが、それは断りました。
妻のことでお金をもらうわけにはいかないから――そう言って、そこは鄭重に辞退をしたのです。
「受け取っておけばよかったのに」
妻は後で、あっけらかんと言ったのですが。
もしかすると受け取ってしまったほうが、妻がわたしにたいして感じる罪悪感を、目減りさせることになったのかもしれません。

男は代わりに無心したのは、妻の穿いているストッキングでした。
見るかげもなく破けて血の滲んだストッキングに、どんな値打ちがあるというのでしょう。
でも彼が「ぜひに」と欲しがるのを、拒むすべはありませんでした。
わたしは妻に目配せをし、妻も黙って肯きます。
破れ落ちたストッキングは、男の手で妻の脚から抜き取られて、彼のポケットのなかにせしめられていきました。
辱めを免れた妻にとって、それくらいはお安い御用だったみたいです。
裂けたストッキングを戦利品にされたのを恥じらいながら、妻は上目づかいで好意的な照れ笑いをしてみせました。
きっとあの瞬間――男は妻の心をつかんだのでした。

えっ、姦られなかったの?
職場の人たちがいちように驚いたのは、じつにもっともなことでした。
彼らのだれもが、初対面の段階で妻を襲われ、血を吸われたばかりか犯されてしまっていたからです。
いや、うちも危なかったんですよ――わたしはそう弁解しながらも。
――この街では、吸血鬼に襲われた女が犯されないのは、魅力がないと思われてしまう。
そんな事実を実感せざるを得ませんでした。
彼のいうように、血を吸った女を犯す行為が敬愛の情の表れだとしたら、
それを受けることのできなかった女は一段低く見られたことになり、
女の身体に称賛を与えなかった男のほうも、非難の対象となる――きっとそういうことなのだろうと。

けれども、妻の貞操が生き延びることができたのは、そこまででした。
なぜなら、彼は三日にあげず自宅にやって来て、妻の血を吸いつづけたからです。
首すじに、ふくらはぎや太ももに、なまの唇をじかに這わされて。
スリップを真っ赤に濡らし、ストッキングを咬み破かれながら、
妻はその素肌にくまなく、もの欲しげな舌なめずりを這わされつづけ、
あげく、パンティストッキングをひざまでずり降ろされたうえ、
ショーツの奥にまで舌を這わされてしまっていたのでした。
度重なる訪問に耐えかねて。
妻は少しずつ、肌身を許しはじめていったのです。

もはやわたしも、潔い夫として振る舞うしかありませんでした。
わたしはつぎの週末、男を自宅に招いて、妻のことをたいせつにすると約束をさせたうえで、二人の交際を認めるといってやりました。
先週はスポーツ大会で惨敗したわたしは、今度は妻をめぐる競争でも惨敗したことになるのでしょうか。
「勝ち負けではないですよ」
男はわたしに、言いました。
貴男の最愛の奥さんをまんまと手に入れた私も、勝ち。
最愛の奥さんを潔くほかの男と共有することに決めた貴男も、勝ち。
旦那よりもずっとストロングな男を情夫に持つことになる奥さんも、勝ち。
どうですか――?
多少わたしの分が悪いような気もしないではありませんでしたが、
もっともらしく肯きかえす妻を傍らに、わたしもただ無言で肯きかえすばかりでした。

返礼は派手なものでした。
わたしはその場で提供可能なかぎりの血液を吸い尽されて、
意識が朦朧となって、ぶっ倒れてしまって。
男はそんなわたしの目の前で、妻を羽交い絞めにし、じゅうたんのうえに組み敷いていったのです。
こぎれいなワンピースに装った妻の華奢な肢体は、逞しい彼の下敷きになって、見るからにか弱げだったのを、いまでもよく憶えています。
そのワンピースは、このあいだの結婚記念日にわたしがプレゼントしたものでした。
貞操を喪失するという記念すべき刻に彼女が選んだ装いは、夫から贈られた服。
彼女も非常な決意で、きょうのこの場に臨んだのでしょう。

男は顔を妻の顔に近寄せると、飢えた唇をいつものように首すじに吸いつけようとはしないで、そのまま妻の唇に重ねていったのです。
永遠の愛を誓うキス――
私はそれを見せつけられながらも、ただ「おめでとう」と妻を相手に想いを遂げる男を祝ってやることしか、できませんでした。

見慣れた花柄のワンピースのすそがじゅうたんのうえいっぱいに拡げられて。
それまで脚を通したことのないガーターストッキングの留め具を覗かせるほど、太もももあらわなポーズを取って、
良家の子女だった妻は、いままでとは別の世界へと足を踏み入れていきました。
ええもちろん、わたし自身も――
目のまえで妻を寝取られてしまうことに、もう心臓を高鳴らせながら。
妖しい昂ぶりの虜になって、その場の状況を見守るばかり。
母がこの場に居合わせたなら、「なんというばかなことを」と、たしなめたに違いありませんけれど。
わたしはそのときの選択を、いまでも間違っているとは思いませんし、むしろ誇りにすら感じています。

恥を忘れて娼婦になり果てた妻――
わたしのまえですらさらしたことのないほどのはしたない喘ぎと媚態とをあらわにして、
彼の欲求に心から応えていったのです。
添田家の主婦が堕ちた、記念すべき瞬間を、わたしは非常な満足とともに見届けたのでした。


あとがき
だらだらと長くなっちゃいましたね。^^;
心の中では犯されたくないと願う人妻の心を汲んで、いちどは見逃してやって。
その意気に感じた夫婦が、夫は夫としての自尊心を忘れ、妻は妻としての貞操観念を自ら泥まみれに濡らしてゆく。
そんな心理を描いてみたかったのですが・・・

年下の男の子に、母さんを寝取られた話。

2017年07月10日(Mon) 05:47:47

この街の学校に転校してきて、
都会の学校では行っていたのと同じ運動部に入って、
きょうが初参加の部活。
ところがそこで割り当てられたのは、小学生くらいの男のことのかけっこだった。
なんでも、部員の一人の弟さんなんだという。
本当は、もう少し入り組んだ関係だったのだが、いまはそこに触れてる余裕はない。

ぼくはもちろん、憤慨した。
だって、都会の学校では部で一番の俊足を誇っていたから。
それが、どうみても三つは年下の子供といっしょに、かけっこをしろといわれたのだから。

ところが、ふたを開けてみると、案外苦戦した。
苦戦どころか――完敗だった。
その子はぼくよりも20メートルも後ろからスタートして、
100メートル走をまだ半ばしか走っていないあたりでぼくのことをつかまえて、
ぼくは彼を振りほどくことができなくなって、グラウンドにねじ伏せられてしまったのだから。
力まかせにのしかかってくるその子――ヨウタくんという名前だった――を払いのけようと四苦八苦しているうちに、
ぼくは首のつけ根のあたりに、鈍痛を感じた。
気づいたら、ヨウタくんはぼくの首すじに、咬みついていたのだった。

チュウチュウ・・・
チュウチュウ・・・
部員全員が見守るなか。
ひとをこばかにしたような音をたてて、ぼくの血はあっけなく、吸い取られていった。

身体の力が抜けるほど血を吸い取ってしまうと、
ヨウタくんはぼくのことをうつ伏せに転がして。
短パンの下、ハイソックスを履いたふくらはぎに、ふたたび唇を吸いつけてくる。
そのころ都会で流行っていた、ライン入りのハイソックス。
こんな田舎の学校の子たちでも、みんな履いているんだ――それがちょっとした驚きだったけれど。
みんなはこの子に咬ませるために履いているんだとわかったのは、もっとずっとあとのことだった。
こいつ、ぼくに恥を掻かせるために、ハイソックスを咬み破ってる。
ぼくは侮辱を感じたけれど、それでもどうすることもできなかった。
彼がぼくのハイソックスを咬み破るのを愉しんでいるのはたしかだった。
けれどもぼくのほうでも、彼にハイソックスを咬み破られるのが、気づいたら苦痛ではなくなっていた。

続きはきみの家でやるから・・・
そう言いかけたヨウタくんを押しとどめたのは、ヨウタくんのことを自分の弟だといった部員だった。
それは今度にしようよ。
おだやかにそう説かれて、ヨウタくんは比較的あっさりと、ぼくの家への訪問をあきらめてくれた。
貧血で頭がくらくらしていたぼくにとっては、ありがたい配慮だった。
けれどもヨウタくんは、ぼくにこう囁くのを忘れなかった。
これからは毎回部活のたんびに、僕とかけっこするんだよ。
それから、ライン入りのハイソックスを咬み破られて、生き血をチュウチュウ吸い取られるんだ。
ハイソックスが真っ赤になるまで、愉しむからね。
それからね。あんまり根をつめて練習しないことだよ。
まだお兄ちゃんの筋肉は柔らかいから、咬み応えがいいからね。
これ以上硬くなっちゃったら、僕、やだよ。
いいかい?運動はね、お兄ちゃんの血が美味しくなるためにやるものなんだ。
だから、だからね。これからは。
僕に美味しい血を吸わせるために、部活をがんばるんだよ。
そんな横暴な言い分に、ぼくは素直に肯いている。

つづきは、きみの家でやりたいな。
つぎの部活のとき。
やっぱりかけっこに負けてしまって、グラウンドに抑えつけられて、血を吸われたぼくは、
ヨウタくんの言いぐさに肯いて、彼のことを家に誘っていた。
その日はヨウタくんのお父さんまで、ぼくといっしょについて来た。
うちの父さんも、喉がカラカラなんだ。
きみの血を分けてあげるって約束したんだ。いいだろ?
年下のはずのヨウタくんは、ぼくの血を吸ってから、ぼくと対等に口を利くようになっていた。

顔色を悪くしたぼくと、ぼくの後ろに控えるもの欲しげな父と子を見た母さんは、
けげんそうな顔をしたけれど、それ以上なにも言わずに、ぼくたちを家にあげてくれた。
吸血鬼をいちど家にあげてしまうと、あとはいつでも入ってこれるようになる。
この街では常識になっているそんなことすら、ぼくたちの家は知らされていなかった。

じゃあさっそく、始めようか。
勉強部屋で3人きりになると。
父と子はお互い目配せし合うと、やおらぼくにのしかかってくる。
ぼくはどうすることもできないで、
ヨウタくんのお父さんに首すじを咬まれ、
ヨウタくんにはハイソックスを咬み破かれてゆく。

あっ。
お茶をもって現れた母さんがひと声叫んで、お盆に載せたお茶とお急須を畳に落とす。
それを合図にするように。
父と子とは同時に起きあがって、母さんのことを前後に挟んで、
ヨウタくんは後ろから母さんのことを羽交い絞めにして、
スカートのうえからお尻を咬んで。
お父さんは「息子さんの血をいただいてるよ。つぎはお母さんの番だよ」って、母さんの役割を教えてあげて、
そのうえで母さんのあごをグイとそむけて首すじをあらわにすると、あっという間にがぶり!と食いついていった。

ヨウタくんはすぐに、ぼくのほうへと戻って来てくれて。
再びぼくの血を吸いはじめると、しきりにお父さんのほうを指さしてくる。
指さしたほうでは、母さんが生き血を吸い取られ、白目を剥いて、
たたみのうえにひざを突いて、それから両手もついてしまって。
四つん這いになったふくらはぎに、ストッキングのうえから、ふくらはぎを咬まれていった。

吸血鬼が大人の女性を襲うとき、相手を犯すのがマナーだということを。
その日ぼくは、ヨウタくんとお父さんから視て教わるはめになった。
白目を剥いてよだれを垂らし、気絶してしまった母さんの上に。
ヨウタくんまでもがのしかかって、自分の女にしてしまった。
きみのパパには、内緒にしといたほうが、やっぱりいいよね?
ヨウタくんの入れ知恵に、ぼくは素直に感謝していた。

ひと月後。
ふとしたスキを突いて、父さんの吸血にも成功したヨウタくんのお父さんは。
それ以来三日に一度は遂げていた母さんとの関係を、父さんに教えてあげて。
父さんも潔く、母さんがヨウタくんやお父さんと交際するのを認めてあげていた。
ぼくはぼくで。
ふたりが白昼代わる代わる母さんを犯す、ポルノなシーンに焦がれてしまい、
母さんに内緒で、のぞき見をつづけるいけない男の子になってしまっていた。

都会から来たことを鼻にかけていた、ごく短い時間。
いまは都会育ちの母さんを気前よく差し出したことを、自慢に思うようになっている。


あとがき
母親とはふつう肉体関係はないはずなのに、
母親を犯されることに性的昂奮をおぼえてしまういけない嗜好のことを、「母親寝取られ」というそうです。
多くの男の子が母親に対して、妻よりも濃厚な感情を抱いているからかもしれないですね。

女子生徒5人の人間模様。

2017年07月09日(Sun) 08:46:05

グレーのスカートに、紺のハイソックス。
おそろいの制服を着た女子生徒が5人、内緒話の輪を作っている。

あの5人、どういう関係かわかるかい?
親友のヒロシが、傍らから声をかけてきた。
知っている顔は2人くらい。
2人とも同級生の女子だったから。

高尾みなみに眉川直子だろ?
そうこたえるぼくに、ヒロシはただならぬことを言った。

2人の隣にいるのは、彼氏だよ。

彼氏・・・?
だって、女子の制服着てるじゃないか。

とっさにそう言いかえそうとして、それが愚問であることにすぐに気がつく。
そう。この学校では、男子生徒も女子の制服を着用することがよくあるのだ。
そうしたことに理解のある学校として定評のある、この学校。
けれども、そうした理由だけで女装する生徒ばかりではない。
女子の制服を着た男子ふたりの首すじには、かすかな赤い斑点がふたつ――
吸血鬼の欲望の痕に、違いなかった。

この学校は、吸血鬼も受け容れているんだ。彼らにも生きる権利を認めているからね。
生徒の中にも。父兄のなかにも。そうした人はいるわけだし。
女子生徒の若い生き血目あてに入り込んでくる、ご近所のエッチな小父さんとかまで、受け容れちゃっているんだから。

そう。ヒロシの言うとおりだった。

あの2人のことは、よく知ってるよ。
高尾も眉川も、彼氏に誘われて吸血されたんだ。
それからもう一人いる女子は、眉川の彼氏の妹だ。
たしか、学年はひとつ下だったかな。
もちろん、彼女も吸血されてる。
高尾はまだ処女だけど、眉川は卒業しちゃったんじゃないかな。
吸血鬼に襲われるまえから、彼氏とできちゃっていたからね。
だから、初吸血のときに姦られちゃったらしいよ。彼氏の前で。
彼氏は俺の親友で、本人が言うんだから間違いないよ。
けっこう昂奮するんだって。ちょっと信じられないけど、案外そういうものかもしれないね。
それで眉川の彼氏は、彼女の恋敵に処女の生き血をプレゼントするために、妹まで紹介しちゃった、っていうわけ。

高尾の彼氏もね、
高尾が自分の血を吸った吸血鬼に抱かれて血を吸い取られるのを見ていると、ドキドキしちゃうっていうんだ。
むろん彼は、高尾の初体験は自分で・・・って、ふつうに考えているはずだけど。
もしかしたら、眉川のときみたいに、吸血鬼に姦られるのを視るのも楽しいかなって。
高尾とできたらそうするつもりだし、
初体験を許しちゃうのも・・・案外・・・なんて、言っていたな。
もしかすると、半分以上本気かも。

眉川の彼氏って、その吸血鬼と仲いいの?自分の彼女を犯されちゃったのに?
ああ、二人仲良く、学校帰りに遊びに行ってるくらいだからな。
高尾の彼氏も、彼女の純潔をあげちゃうかもって思うくらい、仲いいの?
そうらしいね。高尾も「どっちがいいかな??」って、マジで迷ってるみたい。

不思議だ。じつに不思議な関係だ。
ぼくはぼう然として、ぶつぶつ独り言をつぶやいてしまう。
そんなぼくのようすをみて、ヒロシはたしなめるように言った。

だってここでは、それが普通なんだから。
むしろ、信用できる相手に彼女の血を吸ってもらったほうが、安心できるんじゃないかな。
相手の吸血鬼にしたって、自分の女だったら、真剣に守ってくれるだろうしね。
ここのシステム、俺はけっこう納得してるんだけどね。

さあ行こうぜ。
ヒロシはぼくのまえに立ち、ぼくを先導するように、まっすぐと歩きはじめる
――グレーのスカートをそよがせながら。
運動部で鍛えたふくらはぎの、しっかりした筋肉は、女子用の紺のハイソックスにしなやかに包まれていて、
男が女子の制服を着ている というよりも。
ボーイッシュな女子が、か弱い男子を引っ張って行っているようにさえ見える。

おい、待て。待てったら・・・!
そういうぼくも、早足になって。
グレーのスカートに紺のハイソックスの格好を、もはや恥じることなく人目にさらしていった。

女子の制服を着て。
自分の彼女の身代わりに吸血されて。
首すじに埋められた牙のもたらす毒液に、それまでの常識や倫理観を麻痺させられて。
彼女を呼び寄せて、血を吸わせる。
彼女が処女だったら、しばらくのあいだは処女の生き血だけを愉しまれて。
すでに彼女とエッチな関係になっていたなら、相手の吸血鬼もまた、そのエッチな関係の輪のなかに入ってもらう。
そんな学園生活にとけ込みつつあることに、ぼく自身、むしょうに小気味よさを感じはじめてしまっている。

結婚祝い。

2017年07月04日(Tue) 07:20:58

姉さんが帰って来るよ。
アツシはさっきから自分の血を吸っている吸血鬼を見おろしながら、いった。
吸血鬼は、自分の父親よりもはるかに年配の、ごま塩頭。
それがアツシの足許にとりついて、紺のハイソックスをくしゃくしゃにしながら、ふくらはぎに舌をふるいつけている。

姉さんはずるいと、アツシは思う。
高校を出るまでは、吸血鬼相手のプレイをしっかり愉しんで、それからすぐに都会の大学に入り都会で就職して、都会の男と結婚するのだという。
生まれ育ったこの田舎町に残ったアツシは、いまでも日常的に吸血鬼に咬まれて貧血な日常を送っているというのに。
母さんは母さんで、父さんやぼくの目の前で小父さんに抱かれて、「わー」だの「きゃー」だの、叫んじゃっているというのに。
彼女は彼女で、やっぱりぼくの目の前で日常的に犯されて、「あなただけよ、あなただけよ・・・」とか、「アツシに見せつけるのが愉しい♪」なんて、宣わっちゃっているというのに。
まあ、そんな日常も、いまは悪くないと思ってはいるけれど。
やっぱり姉さん、ずるいよ。
ひとりでまっとうな人生を送ろうなんて、ずるいよ・・・

アツシの心情が伝わったのか、伝わっていないのか、
吸血鬼の小父さんはいつも以上にアツシの足許にしつようにからみついて、
紺のハイソックスに生温かなよだれを、ジュクジュク、ジュクジュク、しみ込ませていった。


「懐かしいだろ?姉さん。逢いたかったんだろ?姉さん」
くすぐったいほどの嬉しさも隠さずに言いつのるアツシのまえで、
姉の涼子は声もなく立ちすくんでいた。
「まさか結婚するのに、小父さんにあいさつなしって、ないよね?」
そうだけど。もちろん、そうだけど・・・
「これからも付き合うつもりなんだろ?小父さんと」
えっ、そんな・・・そんな・・・あたし結婚するんだよ?
「だったら今のうちに、これからの関係性について相談しとくべきなんじゃないかな、って」
か・・・関係性って・・・なによ・・・
「姉さんが卒業したときに、小父さんは姉さんの制服をコレクションにしたけれど。
 いま着ている服も、コレクションしたいんだってさ」
だからって・・・だからって・・・あなたまでが私の服を持ち出して、
このひとの前で着ることないじゃない・・・あっ、ブラウス汚してるっ。
姉の抗議を聞くものは、だれもいない。
涼子の成熟した身体に、男の影が覆いかぶさり、あますところなく飲みこんでいった。


十数年が過ぎた。
涼子はぼう然として、夫の言いぐさに耳を傾けている。
夫の言葉は風のように、彼女の左の耳から、右の耳へと抜けていくようだった。

きみの処女をゲットした男が、きみとぼくとの結婚直前にもう一度きみのことを抱いたんだって?
それに、里帰りの時はいつもそのひとと逢っていて、ぼくのことを裏切りつづけていたんだって?
――なんて素敵なんだろ。

娘たちの純潔も、そのひとに食べてもらおうよ。
夫のささやきは、毒液のような効き目をもって、涼子の鼓膜に流れた。
きょうは上の子の誕生日。
誕生祝に、小父さまを招待してある。
下の子はまだ、スイミングから戻ってきていない。
妹娘が戻って来るまえに、お姉ちゃんは大人の女にされていることだろう。
なにもしらされていない長女は、親たちの思惑など夢にも思わずに。
卒業式の時に買ってもらった女子高生ファッションに身を包んではしゃぎながら、
紺のハイソックスに包まれたピチピチとしたふくらはぎで、ぱたぱたと駆けずり回っている。
あと数分も経たないだろう。
この娘が泣きじゃくりながら、ハイソックスを咬み破られて血を啜られるのに。
そして、あと数十分も要らないだろう。
同じ娘がきゃあきゃあとはしゃぎながら、スカートの奥をまさぐり抜かれてしまうのに。


あとがき
すでにお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、このお話は、6月22日以来描き継いできたものです。
第一回は、「姉の制服を着せられて 気に入りのハイソックスを脚に通して・・・」です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3490.html

よかったら、初めから読み通してみてください。^^

リンクのお知らせ ~ナッシュの娼館 さま~

2017年07月01日(Sat) 09:57:08

ひさびさにリンクです。^^

ほんとうはもっと早い段階でリンクをすべきだったのですが、リンクのやり方を忘れちゃいましてね。
(^^ゞ
それで久々に設定をいじくったら、どうにかうまくリンクすることができました。

ナッシュの娼館
ご自身の紹介文があまりにも適切なので、そのまま転載させていただきます。

  悪堕ち、男の娘を主としたSSやイラスト練習したりしょうもないこと書いたり 一応R18だぞ!気を付けろ!

悪堕ちというのは、かなり鬼畜な展開のストーリーになることがよくありますが、
ナッシュの娼館様はそのへんの寸止め具合をよく心得ておられるようです。
大概のお話が、はっぴぃ・えんどで終わっています。

おススメは、
「出るとウワサの温泉」
http://nash00mousou.blog.fc2.com/blog-entry-144.html
妖しい湯のたぎる温泉のお話です。
意外なところに生命や意思が息づいて、知らず知らず侵蝕されている・・・というありかたは、グッとくるものがありました。


「花の展覧会、吸血植物」
http://nash00mousou.blog.fc2.com/blog-entry-113.html
血の吸いかたで、与える快楽が変化する・・・というくだりは、なるほどと頷かされました。


「春画美術館」
http://nash00mousou.blog.fc2.com/blog-entry-150.html
ミステリアスな美術館。
そういえば、私もかつてこんな感じのお話を描いたっけなあ・・・と思いつつ、それがいつごろのことなのか、ちょっと思い出せないでいます。

ネタバレ抜きで評を描くのって、難しいですね。 ^^;
よければ、実際のところを御覧になってくださいね。
更新が恐ろしく速いんで、これはと思った作品にはブックマークをお忘れなく。

自称・人身御供 ~母親を譲り渡した父親のため、わが身を投げ出す孝行娘~

2017年07月01日(Sat) 09:43:12

コップの中のオレンジジュースをチューっと気持ちよさそうに吸いあげながら、
湯浅みどりはセーラー服の肩をくすぐったそうにすぼめる。
「あいつがあたしの血を吸うときって、こんなふうに美味しいのかな」
向かい合わせの椅子に座ったアツシは、椅子からのけぞりそうになった。
オレンジジュースを飲みながら、自分の血を吸われているときのことを想像したことなんか、いままでなかったから。
「それでさ、どこまで話したっけ?」
みどりはあくまでも、話題を変えないつもりらしい。
アツシは仕方なく、自分の彼女の相談に身を入れているふりをするために、真面目な顔を作って座り直した。
「熟女の血も好きなんでしょう?だからさ、お宅みたいに、ママのことも襲わせてあげたいわけなのよ」
自分の親を吸血鬼に襲わせる相談だというのに、みどりの声色はどことなく、のんびりしている。
「そのためにはさ、かわいそうな立場になるパパのことも、満足させてあげなきゃいけないわけで・・・」
だんだんみどりの言わんとしていることが見えてきて、アツシはゴクリと生唾を飲みこむ。
「それで娘のあたしが、パパのために人身御供になってあげようというわけ」
ああやっぱり・・・アツシは天を仰いだ。
自分の彼女が実の父親の相手をして、近親相姦に耽ろうとしている。
こんな現実、許せるのか?
アツシの自問自答は、すぐに終わる。
どのみち、勝負はすでについているのだ――あの忌々しい吸血鬼に、みどりを襲わせたあの時点で。

公園の出入り口へと駈け去ろうとするみどりのことを後ろから追いかけて、
セーラー服の肩先を掴まえたのは、吸血鬼のほうが先だった。
その吸血鬼が、みどりの首すじを初めて咬むとき、両肩を抑えつけて手助けしたあのときの手ごたえが、まだ掌の感触として残っている。
あのときみどりは、処女のうら若い血潮といっしょに、
良心や理性というものを、さいごのひとかけらまで、吸い取られてしまったのだろう。

「でも感謝してるわよ、アツシには。だってあいつったら、あたしの血が凄く気に入ってくれて、いっぱいいっぱい吸ってくれたんだもの」
そう。
そのあと公園の植え込みの陰に引きずり込まれたみどりは、アツシの目の前で犯されていった。
あわてて後ろを向いて目隠しをしようとしたアツシのことを、「待って!」と叫んだみどりは、いった。
「せっかく片棒担いだんだったら、さいごまで見届けなさいよ。男でしょっ。
 自分であたしの処女を摘まないんなら、ひとが摘むところをちゃんと視なさいよっ」
けっきょく、みどりの言ったことは正しかった。
アツシはいまでも、そう確信している。

熟女の吸血シーンを見届けるのは、アツシの仕事。
みどりの父親が、永年連れ添った妻が初めて犯されるのを視るのを拒んだからだ。
「また美味しい想いができるよね、アツシくん」
冷やかすように声をかけてきたみどりに、アツシは応えなかった。

みどりの母親は、あっという間に“料理”されてしまった。
娘のときよりも、あっけなかった。
初めての吸血鬼の来訪を着物姿で接した彼女は、
おろおろする夫と冷ややかに見送る娘を背に、すぐに別室に連れていかれると、
その場で組み伏せられ、首すじを吸われた。
ひっ・・・
ひと声あげたのが、彼女の抵抗のすべてだった。
たくし上げられる着物の裾からじょじょにせりあがって来る脚線美が、アツシの網膜に灼(や)きついて離れない。
顔を背けて目を瞑って受け容れたひと突きに、あきらめたようなため息をひと息つくと。
女は女の務めを自覚して、あとはためらいもなく、夫婦の営みと変わらない行為に耽り始めていった。
女が”沈没“したのを見届けるのもそこそこに、アツシは二階の勉強部屋を目指してゆく。

はあっ、はあっ、はあっ・・・
母親が婦徳を汚されている階下の真上の部屋で。
その娘が実の父親相手に、娼婦になりかけていた。
真っ白なハイソックスの両脚が思い切り開かれたそのあいだに、みどりの父親の浅黒い臀部が、せっぱ詰まった勢いで肉薄してゆく。
近親相姦という異常なセックスへの昂ぶりが、みどりの日常をまたひとつ壊した。
理性の崩れ果てた少女は切実な顔つきで目を瞑り、
媚びるような鼻息をすぅすぅとひくつかせ、
セックスに狎れた腰つきを、迫ってくる逞しい腰にぴったりと密着させてゆく。
明らかに、アツシの視線を自覚してたうえでの行為だった。

視られているって知りながら、これ見よがしに乱れてゆく彼女の横顔に。
アツシは不覚にも、脱ぐのを忘れたズボンのなかで、激しい射精をくり返してしまっていた。


あくまで、親孝行だったんだからね。
あくまで、人身御供だったんだからね。
おや、なに鼻血出してんの?
いっしょに入った喫茶店の、すぐ隣の席から。
みどりはオレンジジュースを吸いあげるのをやめて、こちらの顔を覗き込んでくる。
とても意地悪で、愉しくって仕方がないという満開の笑みを滲ませながら。

制服を着崩れさせて・・・

2017年07月01日(Sat) 05:33:48

「着崩れしてないかな、制服」
振り乱した髪を掻きのけながら、きみはぼくにそう尋ねる。
微妙に曲がった胸元のリボンや、ブラウスのえり首を直してやると、
その傍らできみは、ずり落ちかけたハイソックスを、きちっと引き伸ばしている。
女の子の身体を欲しい。
そうせがんだぼくのために、髪振り乱し、制服を着崩れさせて、応じてくれた、きみ。
「どお?よかった?」
初めてぶつけ合った情熱に息はずませるきみのことを。
かぎりないいとおしさに、部屋を出際にギュッと抱きしめていた。

「着崩れしてないかな、制服」
振り乱した髪を掻きのけながら、きみはぼくにそう尋ねる。
ブラウスのえり首につきそうになった血を、ハンカチでそっと拭い、はだけたブラウスの釦をひとつひとつはめてやると、
その傍らできみは、真っ赤に染まったハイソックスを、きちっと引き伸ばしている。
きみが吸血鬼に襲われるところを視たい。
そうせがんだぼくのために、髪振り乱し、制服を着崩れさせて、吸血鬼の欲望に屈していった、きみ。
「どお?愉しめた?」
ちょっぴり不安げに、曇ったほほ笑みをうかべるきみのことを。
やはりどこまでもぼくのものだ・・・そう囁きながら、ギュッと抱きしめていた。


あとがき
困った嗜好の持ち主だった彼。
そんな彼でも、とことん愛されているという自負があるから、
ほかの男に抱かれても、彼女は彼の目の前でも、はじけることができてしまう。

装う。

2017年06月30日(Fri) 08:06:06

真っ白なハイソックスを履いたふくらはぎを、吸血鬼に咬ませてやると、
まるで服装ごと辱められる、良家の子女になったような気分になる。
姉さんの制服を着て吸血鬼に襲われると、
まるで処女を奪われる女学生になったような気分になる。
母さんのストッキングを穿いて吸血鬼に咬み破らせてやると、
まるで母さんが痴漢に遭ってるような気分になる。
母さんの花柄のスカートを穿いて、股間の奥を侵されると、
しつけに厳しい母さんまで、堕落してしまったような気分になる。

すべてが実現したとき、ぼくは満足げな吸血鬼に囁いている。
家族がいっしょに堕ちてくれるのって、とても嬉しいものなんだね・・・

姉の制服を着せられて 気に入りのハイソックスを脚に通して・・・

2017年06月22日(Thu) 05:32:08

アツシが初めて吸血鬼に出遭ったときは、もう無我夢中だった。
全速力で逃げて、それでも肩をつかまれて、首すじを咬まれていた。
その場で足腰立たなくなるまで血を吸われ、芝生のうえに転がされて。
半ズボンの下、むき出しにしていた太ももを咬まれ、ハイソックスのうえからふくらはぎまで吸われてしまった。
気絶する寸前、ふくらはぎの上でうごめく男の唇が、ハイソックスの舐め心地を楽しんでいるのを、かすかに自覚しただけだった。

次に出くわしたときには、お互い暗黙の約束が出来上がっていた。
アツシは全速力で逃げ、でも公園のなかから抜け出すまえに肩をつかまれて、首すじを咬まれた。
芝生に転がされた後は、ハイソックスのふくらはぎをいやというほど愉しまれ、
よだれまみれにされたハイソックスに、くまなく牙を刺し込まれ、咬み破られていった。

初めて言葉を交わしたのは、やっと三回目のことだった。
「ボクの血、おいしいの?」
思い切って口火を切ると、相手は無言で激しく頷いていた。
「ハイソックス、好きなんだよね?」
恐る恐る問いかけると、やはり激しく頷き返してきた。
「ボクもハイソックス、好きなんだ」
でも、小父さんに破かれるのは、そんなに苦にならない――そう告げると、
男は初めてにんまりと笑いかけてきて、いった。
わしも、きみの足許をイタズラするのが、愉しくて仕方がない――と。
ウフフ、しょうがないなぁ。
アツシは笑いながら相手を咎め、そしていつものように脚をくつろげて、ハイソックスを履いたままふくらはぎを吸わせていった。

何度めか、やはり帰り道に出くわしたとき。
アツシはおずおずと、言い出した。
ねぇ、きょうのハイソックスは見逃してくれない?これ、気に入りのやつなんだ。
白地に茶色と赤のラインが走った、珍しい柄のハイソックスだった。
わかった――
男は手短かにこたえ、それでも少年の足許をねだった。
ウ、ウン・・・でも本当に、咬まないよね・・・?
男は応えずに、性急に足許をねだる。
確約の得られないまま、少年は気に入りのハイソックスを履いた脚を、男にゆだねた。

その日の舐めかたは、いままでになくしつようで、いやらしかった。
あっ・・・あっ・・・あっ・・・!
アツシはいつか、息をはずませ、声を迫らせて、男の劣情に応えはじめていた。
これってやっぱり、いやらしい・・・
ずり落ちかかった気に入りのハイソックスに、よだれをたっぷりと含ませられながら、
アツシは相手の男の熱情が、よだれといっしょに皮膚の奥深くしみ込まされるのを感じた。
破らせちゃおうか?やっぱり、破らせてあげちゃおうか?
足許に迫らせられた唇に惑いながら、アツシは男に尽くす行為を惜しみなくくり返す。
男はとうとう、ハイソックスのうえからは牙を立てないで、アツシとの約束を守った。

ねえ、きょうあたし小父さまと約束してるんだけど。
下校して家に着くなり、姉の涼子がいった。
小父さまとはむろん、アツシの血を吸っているあの小父さまのことだ。
処女の生き血を欲しがる小父さんのために、涼子をだまして公園に連れ出して襲わせたのは、つい先週のことだった。
涼子はアツシのさいしょのときと同じように、全速力で逃げ回り、肩をつかまえられて、
首すじを咬まれてしまっていた。
黒髪を搔きのけられながら悶える姉の姿に思わず発情してしまったのは、いまでも内緒にしている。
涼子もまた、アツシとほとんど交代に公園に出向いて行って、通学用のハイソックスを惜しげもなく咬み破らせる関係になっていた。

それでさ――聞いてる?
姉の話は終わっていなかった。
きょう、あたし、アレなんだよね。具合悪くってさ、気乗りがしないわけ。
弟は男のうちに入らないのか。涼子はしゃあしゃあと、生理で具合が悪いと弟に告げた。
だからさ、身代わりになってくれる?だいたい、あんたがあたしをあんなのに遭わせたのがよくないんだからね。責任取りなさいよ。
言葉の内容がきついわりに心に突き刺さらないのは、涼子が終始ニヤニヤしていて、面白そうにしていたからだろう。
ほんとうに生理で具合が悪いのか?ふとそう思ったけれど、あえて問いただそうとしなかったのは男の知恵というものだろう。
だからさ、あたしの身代わりになって――あたしの制服着て、逢いに行ってやってほしいのよ。

そうなるともう、逆らうことはできなかった。
母親の帰って来てない家のなか、姉貴は自分の制服を箪笥から持ち出して来て乱暴に折りたたみ、畳のうえに置くと、「着なさい」と命令した。
え?え?ボク女の子になるの?
さいしょのうちは目を白黒させていたアツシも、姉の制服におずおずと手を伸ばすと、あとはもう止まらなかった。
釦のつけ方が反対のブラウスを着ているときはまだ、めんどくさいなあとしか思わなかったけど。
紺のプリーツスカートを脚でまたぐようにして引きあげて、腰に巻きつけてしまうと、一気になにかが変わった。
紺のベストをかぶって、赤いリボンを胸元に拡げると、気分はもうすっかり女の子だった。
「ウン、似合う。アツシ女子の制服似合ってるよ」
さいしょはからかい口調だった姉の声色が、本気になっていた。
「あんた、たまに女の子になって小父さまとデートしたら?あたしの服貸してあげるからさ」
そこまで真顔でそういうと、姉はちょっとずるい顔つきになって、弟を視た。
「ところでさ、あいつ制服好きだからね。その格好で出かけていくと、あんたきっと犯されるよ」
え・・・?
姉貴はもう、小父さんで初体験を済ませていたの?
問いたくても問うことのできない問いを胸に抱えて黙りこくる弟を、涼子は面白そうに白い歯をみせ、さあ行きなさい、と促しただけだった。

それ、相性好いじゃない。
自分の部屋に戻ったアツシが、茶色と赤のラインの入ったハイソックスを履いて降りてくると、涼子はいった。
「お気に入りのハイソックス、咬ませてあげるんだ」
良いことだと思うよ。大事な日になるのだから。アツシの気持ちが伝わるんじゃないかな。
涼子は真顔で弟を視た。

想いはすぐに、相手に通じたらしい。
「今度は咬ませてくれるのかな?」
好奇心たっぷりに自分の足許を見つめながら身を寄せてきた吸血鬼に抱き寄せられながら、アツシは無言でうなずいている。
まさぐりの掌が太ももを這い、スカートのなかに這い込んで、股間をとらえる。
姉から借りたショーツのうえからしつようにくり返されるまさぐりに、ショーツが濡れた。
ククク・・・
男は嗤い、いつものように、少年の首すじに咬みついていった。
吸いつけられた唇の熱さに、アツシはうわ言のように、「あぁ・・・っ」と声を洩らす。
半ば開いた唇を、男の唇でふさがれて。
生温かい呼気を一気に喉もとまで吹き込まれ、目が眩んだ。
そこから先は、よく憶えていない。
ブラウスに着いた赤黒いシミを気にかけながら、男の言うなりになってうつ伏せになって。
お気に入りのハイソックスのうえから、唇を吸いつけられる。
この前と負けず劣らずの、しつこい舐めかただった。
破く前に、舌触りをたっぷりと愉しまれたことに、少年は深い満足を覚えた。
それでもことさら迷惑そうに顔をしかめて、「小父さん、きょうはちょっとやらしいよ」とわざとたしなめてみた。
それが相手の男をそそるのだという知恵は、女の知恵のはずだったのに。
いつのまにかそんなものさえ、身についてしまっていた。
脚をばたつかせながら、慕いつけられる唇をどうすることもできなくなって。
さいごには、ふくらはぎのいちばん肉づきのよいあたりに、がぶりと牙を埋められていった。
生温かい血がハイソックスの生地を濡らす感触に、少年は不覚にも射精をくり返していた――
その日、スカートの裏地に精液を吐き散らされながら、股間に男性の一物を食い込まされていった感覚を、アツシは生涯忘れないだろう。
いつか身体の動きを合わせ、女のように悶えながら。
アツシは吸血鬼の性欲に、心の底から応えはじめていったのだった。

お気に入りだったハイソックスは足許から抜き取られて、男のコレクションに加えられた。
大人になったいまでも時折訪れる吸血鬼の邸で、かつてアツシにまとわれた衣類たちが、姉の制服や、近々結婚することになった彼女のスーツに交じって、卑猥な意図で集められたコレクションの一部となって見せびらかされるのを、アツシは心の底から楽しみに感じている。

母さんって案外、いい女じゃん。

2017年06月06日(Tue) 07:01:54

母さんって案外、、いい女じゃん。
村はずれの荒れ寺の奥深く、閉ざされていた本堂の扉から、人目を避けるようにして逃れ出てきた奈美子を見て、タツヤはグッときていた。
本堂のなかに入る前にはキリッと着こなしていたスーツを、ふしだらに着崩れさせて。
はだけたブラウス、乱れ髪。
眉には悩ましい翳を滲ませた奈美子は、息子の前に女の顔をさらしていた。

本堂の中でなにがあったのかは、もはや子供ではないタツヤには、察しがついている。
この村に棲み着いた都会の人妻たちは、この荒れ寺にひとりひとり呼び出されて、
村を支配している吸血鬼に襲われて生き血を吸われ、そして犯される――
そんな暗黙のルールを聞かせてくれたのは、ほかならぬ父親だった。
「母さんを迎えにいっておやり」
どうして父さんじゃいけないの?という問いは、飲みこまざるを得なかった。
そんなふうにして父親は、すでになん度も犯された母親の出迎え役を引き受けていたから。
自分の妻が犯されて戻って来るのを送り迎えするということが、夫にとってどれほど残酷なことか、と、タツヤは思う。
けれども、自分もそのひとの息子なのだと、思わずにはいられない。
そんな気分を抱えて寺に着いたとき、ほとんど出会い頭に犯された直後の母親に遭遇して。
タツヤの理性は跡形もなく、吹っ飛んでいた。

幸か不幸か、奈美子はタツヤに気づいていない。
本堂を出た縁側で、しきりに身づくろいをしかけていた。
その合い間にも――
はだけたブラウスのすき間からは、ブラをはぎ取られてあらわになった乳房が見え隠れして、
豊かにウェーブした乱れ髪は、女が身じろぎするたびにユサユサと妖しく揺れた。
われ知らず、タツヤは母親に向かって、一直線に歩みを進めていた。

「あっ・・・タツヤ・・・」
母親の顔つきを取り戻すのが一歩遅れたことを、悔いるゆとりはもうなかった。
奈美子は息子の手で縁側から荒々しく引きずりおろされて、
雨あがりの苔に覆われた庭先で、組み敷かれた。

獣の息をしている。
タツヤは自分で自分のことをそう思った。
けれども、いったん暴走し始めた衝動を、もう抑えることはできなかった。
息荒く奈美子のうえにのしかかり、ブラウスを引き裂き、ピンと突き立った乳首を唇に含む。
「よ・・・っ!!よしなさいっ!」
奈美子はかろうじて母親の理性をみせて、息子を制止にかかった。
けれども、タツヤの唇は奈美子の乳首をふくんだまま、それを舌先でクチュクチュとしごくように弄んでゆく。
「いけないっ!い・・・け・・・な・・・い・・・」
息をはずませて声を途切らせる奈美子に、タツヤはますます欲情を募らせた。

ああああああっ。
ひざ小僧まで弛み堕ちた肌色のパンストをまとったままの脚が強引に押し開かれて、
奈美子はなん度も絶叫をくりかえした。

「これで良かったんですかね・・・」
アツシは住職のまえ、翳った横顔を向けたまま呟いた。
「エエ功徳を施しなすったと思いますだよ」
住職は田舎言葉で、妻を息子に犯させている夫に囁き返した。
「ともかくも、きょうはおめでとうございます」
住職は不幸な夫のまえで深々と頭を垂れ、
不幸なはずの夫は、実の息子を相手に小娘みたいにきゃあきゃあとはしゃいでしまっている妻を、眩し気な視線を送って見守りつづける。

住職は、さっき犯したばかりの女が、若い息子の衝動に抗しかねて、目覚めてしまった歓びに耽り抜くのを目の当たりに、慇懃に合掌をすると、
母子のまぐわいを恍惚として見入ってしまっている男を残しそそくさと立ち去っていった。

”お見合い”の後日談――

2017年06月06日(Tue) 06:21:18

いえ、いえ。
もとから、そういう意味で申し上げたんですよ。
これからもどうぞよろしく・・・というのは、
目のまえのソファのうえ、永年連れ添った妻が、吸血鬼に犯されていた。

荒い息の下。
あ、な、た・・・ご、め、ん、な、さ、い・・・っ。
と、妻は謝罪をくり返し、
荒い息の下。
あんたの奥さんは好い女だ。
と、吸血鬼は称賛をくり返し、
ひそめた吐息を交えつつ、
あなたに初めてお目にかかった瞬間から、こうなってほしいと心から望んでいたのです。
と、記憶をすり替えられた夫は、うわごとのようにくり返す。

三人が初めて顔を合わせたのは、夫婦の間の一人息子のお見合いの席。
新婦の母親から依頼された仲人と称して現れたその男は、彼らの親よりも年配の、みすぼらしい男だった。
あとで知ったところによると、
仲人と称するその男は、実は新婦の母親の情夫であって、
ふたりの仲はその夫である新婦の父さえ認めていて、
当の令嬢さえ、すでにその男によって凌辱されていたという。

息子とは、ただならぬ因縁でもあったのだろうか、
初対面のその男を、即座にそれと察しながらも、
与えられた状況をすすんで受け入れて、令嬢との婚約を許したのだった。

なにも知らない夫婦は、息子の縁を取り持ってくれた仲人に、
これからも、どうぞよろしく。
と、挨拶を交わしたけれど。
まさかその挨拶が呪縛のように巻きついてきて、
夫婦ながら生き血を吸い取られ、そのうえ妻を情婦にされてしまうなどとは、夢にも思っていなかった。
それでも夫婦はそうした忌むべき日常を、いまは悦んで受け容れていて。
淫らな意図を抱えて自宅に出入りをくり返す男を迎え入れるたび、
どうぞよろしく。
と、会釈を投げるのであった。

男は我が物顔に、夫人の肩に腕を回しながら、夫に向かって宣言する。
こんどの週末もまた、きみの妻を借りてゆくぞ。
しかるべき人間の女を連れてゆくと、どこの婚礼でも歓迎されるのでな。

実の夫婦を装って、婚礼の席にまぎれ込んで、きれいな女を物色する。
そんな動機のために、つき合わされる妻だったが、

そのときにはあなた、芳名帳には彼の姓でサインするんですよ。

いまではそんなふうに、悪戯っぽく夫に嗤いかけている。
堅物だったはずの妻も、いまではすっかり蕩けてしまって、
情夫の言うなりに、好みに合わせる女になり替わってしまっていた。
そんな日常が、むしょうに愉しい。

この淫らな吸血鬼を家庭にひき込んだのは、息子の嫁になった女。
控えめなお嬢さんとばかり思っていたその女は、若くして淫婦になり下がっていた。
息子はそうと知りつつも彼女との婚姻を望み、
その忌むべき婚礼の引き出物として、
花婿の父親は長年連れ添った妻の貞操を汚され抜く羽目になった。

けれどもいまは、後悔をしていない。
嫁いだこの家以外の姓で、他所さまの婚礼の芳名帳に記帳する女。
妻が他の男の情婦となることに、
いまはいびつな歓びにむせ返る思いしか感じられない。


あとがき
またも、話が拡がってしまいましたね。。。
悪い癖です。 (^^ゞ

”お見合い”に隠された真の意義について

2017年06月06日(Tue) 05:44:44

娘のお見合いとは、娘を犯す相手を見つける作業だ――
白髪頭のなかでいっそうかたくなになった脳裏の陰に、カツヤはそんな妖しい想いを秘めていた。
きょうは、娘のお見合いの日――
相手の男性は、母さんが縁類を頼って見つけてきたという。
彼氏も作らずにかたくなに独りでいる娘の理香に、彼らは親らしい心配をしてはいた。
妻も夫も、吸血鬼の惑溺から逃れることができずにいながらも・・・

仲人を交えて――あとは若いお2人で――そんな一連の手続きのあと、カツヤは独り庭園の彼方をぼんやりと眺めていた。
「だいじょうぶですよ、お義父さん」
背後からかけられた声に振り向くと、そこには真理のお見合い相手がいた。
色白で目鼻立ちのととのった、しかしどこか胸の奥に秘めたいびつなものを感じさせる青年――
その彼が、うわごとのように力のない声色で、口を開く。
「娘を犯す相手を探す儀式って、思っているんでしょう?」
青年は、カツヤの感じていた妄想を、ずばりと言い当てていた。

ぼくもそんなふうに、感じていたんです。
でもお嬢さんとのお見合いは、そうとばかりとはいえない。
お嬢さんはもう、男を識っている。
そうと知りながら、お義父さんも、お義母さんも、疵ひとつない娘という触れ込みで、
僕の花嫁候補としてお嬢さんを着飾らせて連れてこられた。
しかるべき家に嫁にやってしまえば、自分たちの責任を果たせるのだと――
いえ、いやな言い方になってしまってすみません。
それでもお嬢さんを犯す権利を手に入れることに、変わりはないわけですから――
でも本当にあなたが探していらっしゃるのは・・・
自分の娘を犯す男性ではなくて、
嫁いだ娘を寝取られる男性 なのではないですか?
妻を寝取られる日常を甘受することのできる、寛容な夫。
ちょうど、あなたみたいな――

青年は、なにもかも見通している。
どこに出しても恥ずかしくない良家の娘として育て上げながら。
その一方では、淫らな吸血鬼にうら若い血液を吸い取られる歓びを識ってしまった娘。
もう、普通の結婚で満足できるからだではないことを、親である彼らがもっともよく承知していた。

できますよ。
青年は冷ややかに笑みながら、いった。
ぼくなら、吸血鬼に純潔を捧げたお嬢さんを、妻にすることができます。
そして、妻になった真理さんが吸血鬼に誘い出されて、不倫に走るのを許すことも・・・
だって、この縁談を承知したのはぼくだから。
両親は、なにも知りません。まだなにも、わかっていません。
でもきっと、ぼくの挙式までのあいだに、お嬢さんの血を吸っている吸血鬼は母のことにも目をつけて、襲って血を吸おうとするのでしょう。
ぼくはきっとそのときには、母の名誉を守ることよりも、そのひとの欲求を満足させるほうを、優先させてしまうでしょう。
凄腕の彼のことだから――
母と永年連れ添った父さえもたぶらかされて、
母を情婦にしたいというかれの申し出を、快諾してしまうことでしょう。

そんな日常に、ぼくは強烈に、憧れているんですよ。
そう、あなたはみつけてくれたのです。
娘を犯す相手を。
そして、ご自分と同じく、妻を寝取られることを歓びと感じることができる相手を――

男ふたりは、ニッと笑った。
お互いの笑みのなかに、自分との同質性を認め合う笑いだった。

娘をよろしく。
こちらこそ、末永く・・・

なんも知らない青年の両親は、仲人の老人が人妻の血を狙っているとはつゆ知らず、
これからもどうぞよろしく・・・などと、言ってはならないことを申し出てしまっている。

まな娘の吸血。 2

2017年06月06日(Tue) 04:34:53

娘さんに、お手本を見せたいのぢゃろう?
うろたえる美香を相手に、吸血鬼は余裕たっぷりだった。
美香を抱きかかえた腕はそのまま彼女の胸に伸びて、
さりげないまさぐりを、さっきからくり返している。
男が30代の人妻の生き血以外のものまで欲していることが、
居合わせたカツヤの目にも、露骨に伝わった。

「奥さんと仲良くさせていただく。よろしいね?」
男の問いにカツヤが目を背けると、
「いや失礼、野暮な問いでした」
と、意外にさっぱりと矛を収めた。
だが、美香の理性に対する挑発については、男はさっぱりとしてはいなかった。
ひどくネチネチとして、とにかくしつっこかった。
はだけたブラウス越しに。
たくし上げられたタイトスカートの奥に。
巧みなまさぐりを揉み込まれて。
美香はさっきから不覚にも、ちいさな声をあげつづけている。

吸いつけられた唇の裏側に隠れた牙が、美香の穿いているストッキングを咬み破るのを目の当たりにしながら。
「きっと楽しいんだろうね。すぐ破けるしね」
真理はしらっとした目をして、母親の受難を見つめつづけていた。
「ママの穿いているストッキング、あのひと最初から狙っていたんだね」
少女の目線は冷静で、しかも的確だった。
「あたしのハイソックスよりも、おいしいのかな」
そう呟いたときだけは、ちょっと不満そうに、唇をすぼめて自分の足許に目を落とす。
「そんなことはないよ――そこは別腹だって、あいつが言っていた」
「ふうん・・・やっぱりいやらしいんだ」
冷ややかな目線の持ち主になった少女は、言葉づかいさえ大人になっている。

「ストッキング穿くような大人になるまで・・・がんばるんだぞ」
いったいなんをがんばれというのだろう?自問するカツヤに、少女はいった。
「ウン。お父さん、真理がんばるよ。がんばって大人になって――あたしママみたいに不倫するから」
どきりとしてわが娘をふり返るカツヤに、少女はフフッと笑ってみせた。
傍らで犯され、不倫の愉しみに耽っている母親のことなど、眼中にないといわんばかりに。

ご感想は・・・?

2017年06月06日(Tue) 03:47:09

ご感想は・・・?
自分を犯した男を、まっすぐに見あげながら。
組み敷かれたまま、妻は訊いた――どすの利いた、低い声色で。
まぁまぁだな。
男はいけしゃあしゃあと、にこりともせずにそういった。
たったいま。
自分の股間を満足させただけの女に向けて。
それでももういちど、欲情し直したように鼻を鳴らして、
妻の上へとおおいかぶさって。
自分のペ〇スをねじ込むようにして、セックスをした。
妻は腰を振って、相手の劣情に応えていた。

ひどいじゃないの。
もういちど身を起こした男を相手に、妻はいった。
貞淑女房だったのよ~。
主人しか、識らなかったの~。
それなのに、まあまあだなんて。
涙声になった女に、男はちょっとびっくりしたような顔をして。
すまねぇな。心無いことを言った。
わかった、わかった。
お前は最高の女だ。
実をいうとな。
俺はいまの瞬間またがっている女以外のことは、みんな忘れちまうんだ。
もう少しだけ。
あんたの生き血を、吸わせてくれ。

わかった。
妻は静かな声色で、いった。
憑きものの落ちたような、声だった。
じゃあ私も、主人のこと忘れてあげる。
もういちど、私のことを好きにして――
妻は今度は自分から、脚を開いていった。
引き裂かれたストッキングをひざ小僧の下までずり降ろされた脛が、それはみずみずしく、
この女が娼婦に堕ちたのだといわんばかりに輝いていた。

咬まれた首すじから血を流しながら、やつの情婦に堕ちた女は、喘ぎながら応えつづけた。
あなた・・・ゴメンね・・・でももう少しだけ、ガマンして・・・
妻を犯される屈辱をガマンしろというのだろうか?
それとも――ズボンのなかで逆立っている欲情をガマンしろと、なにもかも見通したうえで言っているのだろうか?
わたしの無言の問いには答えずに、妻は明け方になるまで、男の切実な欲求に、息をはずませて応えつづける――

まな娘の吸血。

2017年06月05日(Mon) 07:53:01

きれいなお花がいっぱい咲いているお庭の真ん中に、白いテーブルとベンチ。
ピンクのトレーナーにデニムのスカート姿の真理は、トランプ遊びに興じている。
相手の男は祖父よりも年配にみえる、顔色の悪い吸血鬼。
ふさふさとした黒髪から覗く真理の白い首すじを、
男がもの欲しげにチラチラと盗み見ているのが、父親の目からも露骨にわかった。

真理がこちらに気づいて、白い歯をみせる。
無邪気にはしゃいだ笑顔だった。
「パパ~?紹介してあげる。真理が仲良くなった吸血鬼の小父さん。
 この街に来て初めて仲良くしてくれたのよ。
 お礼に、トランプに負けたら血を吸わせてあげる約束したの。
 パパは真理のこと、応援してくれるわよね?」
少女の口ぶりに、切迫感は少しもなかった。

「やだー、勝っちゃった。小父さま弱いのねぇ」
意図せぬ勝利に戸惑いながら、少女はちょっとだけ、吸血鬼の小父さまに同情の視線を送る。
小父さまはどうやら、本気でトランプの勝負をしていたらしい。かなりがっかりした顔をしている。
真理は、そんな小父さまをいっぺんで力づける方法を心得ていた。
「いいわ、勝たせてくれたお礼に、真理の血を吸わせてあげる♪」

ちょっとだけだよ。痛くしちゃイヤよ。
真理はこちら側のベンチに移って来た小父さまを、ドキドキとした流し目で見つめる。
「じゃあお父さん、いただくよ」
住むところをなくして、流れ流れてたどり着いた、この街には。
妻も娘も彼らのために生き血を餌食にされるというのを、承知のうえで訪れたはず。
「いいわよ。仕方ないものね」
妻もそういって、仕方なしに頷いていたはず。
真っ先に彼の毒牙にかかった父親は、理性をすり替えられて、家族の血を悦んで捧げると誓ったはず。
けれども、やはり――
飢えた吸血鬼にか細い肩を抱き寄せられる娘を前に、心平らかではいられない。
吸い残されたわずかな血が、身体じゅうを駆けめぐり、
干からびかけた血管のなかで、毒々しい脈動をはずませる。
同じ血を宿すまな娘もまた、あの牙を埋め込まれてしまうのだ――
そうと知りながら、カツヤは地に根が生えたように、動くことができなくなっていた。
あれよあれよという間に・・・真理は魔性の猿臂にギュッと抱きすくめられて、
首すじを咬まれていった――

ほんのふた口、み口・・・
そんな吸血だった。
それでも真理は頬をほてらせ目を輝かせて、「すごい。すごい・・・」と、くり返していた。
男がなおも飽き足らず、真理の太ももを咬もうとして、デニムのスカートを引き上げると、
さすがに少女らしい潔癖さで、「ダメ!エッチ!」と、スカートを抑えたけれど。
にょっきり伸びたふくらはぎに、ねずみ色のハイソックスのうえから吸いつけられてくる唇は、こばもうとはしなかった。
「脚イタズラするの、好きなんだね・・・?」
お気に入りのハイソックスによだれをジュクジュクとしみ込まされるのを、顔をしかめながら見おろしていたけれど、
ひと言「いいよ・・・」と、囁いて。
真新しいハイソックスを、惜しげもなく咬み破らせてしまっていた。
圧しつけられた唇の下、赤黒く染まるシミが拡がるのを、面白そうに眺めていた。

「こんどは私の番・・・ね?」
カツヤの傍らには、いつの間にか妻の美香が佇んでいる。
「そう・・・だね・・・」
煮え切らない夫の態度に、美香はわざとイタズラっぽく笑うと、夫の頬をつねりながら、いった。
「奥さんの浮気も、潔く認めなさい」
ミセスの女を相手にするとき、吸血鬼は“男”としても振る舞うときいていた。
けれどもいま、まな娘の吸血を実見してしまった男には、もう理性は残されていなかった。
「・・・はい。」
妻の言いぐさに素直に呟きかえすと、美香はウフフンと満足そうに笑う。
「なにも感じないでいてあげるつもりだけど・・・乱れちゃっても許してね」
カツヤの胸のなか、妖しい翳りがザワザワととぐろを巻いていた。

古いお話♪

2017年06月04日(Sun) 07:45:00

管理人のつぶやきです。^^

なん年もまえに描いたお話にコメントを頂けるのって、嬉しいですね♪
ブログの欠点は、過去の記事がどんどん埋もれていくことだと思うのですが、
どんなに古い記事であったも、後悔されている以上検索機能やリンクを使えばたどり着けるはず。
過去記事が下に下がっていくという物理的な理由だけではなく、
描き手・読み手の双方が、古い記事を注目してもらえない記事にしてしまうのでは?って感じています。

先日コメをいただいたお話は、7年前・9年前に描いたもの。
描いてから何年も経つはずなのに、なぜか描いた当時のことを憶えています。
コメをいただいたお話が、たまたまそういうお話だったのか、
かなりのお話について思い出せるのか、
謎です。 (笑)

輪廻 ~ある家族の年代記~

2017年05月30日(Tue) 07:34:11

吸血鬼に初めて抱かれたとき、そのひとはまだ二十代。
都会から転居してきたばかりの人妻だった。
先に血を吸った夫の理性を、まず狂わせて。
伴ってきた彼の若妻の貞操をゲットする権利をまんまとせしめた直後のこと。
身体をカチカチにこわばらせて、整った目鼻立ちを終始引きつらせていた。
ストッキングを片方脱がされて、スカートの奥を侵された瞬間、
キュッと眉を引きつらせ、涙ぐんでいた。
そしてすすり泣きをくり返しながら、奪われつづけていった。

「いらっしゃい。喉渇いていらっしゃるの?」
十年後。
女はミセスの余裕たっぷりに微笑んで見せ、主人は今夜戻らないのよと教えてくれた。
それは先刻彼女の夫から聞かされていたことだったけれど、
そんなそぶりは見せないで、わざとにんまり微笑みかえしてやる。
「エッチ」
女は吸血鬼の頬を思い切りつねると、自分の感情を押し隠して、
「息子はもう寝(やす)んでいます」
とだけ、いった。
早くもくつろげかけたブラウスのえり首からは、肉づき豊かな胸が熟した血色をたたえている。

「視ちゃったのか。しょうがないやつだな」
照れ笑いする青年のまえ。
吸血鬼は彼の母親から吸い取ったばかりの血潮を、まだ口許にあやしたままだった。
ここは二階の勉強部屋。
彼の母さんはまだ、リビングの真ん中で大の字になって、へろへろになってしまっている。
訪問着のスカートの裏地を、人妻が決して受け入れてはならないはずのあの生温かい粘液でびっしょり濡らしたままだった。
「じゃあ、おいしくいただこうかな」
吸血鬼が威圧的に、牙を光らせた。
青年はウキウキとした目で、さっきまで母親を冒していたその牙に見入っていた。
「おいしくいただいてくださいね」
目を瞑った青年の足許ににじり寄り、足首を抑えつけると、
吸血鬼は青年のふくらはぎを、ハイソックスのうえから強く吸った。
自分の身体をめぐる血潮を吸い取られるチュウチュウという音にウットリと聞きほれながら、
青年はゆっくりと、姿勢を崩していった。
気がつくと、半ズボンを脱がされていて。
鎌首をもたげた男の股間が、自分の秘部に迫っていた。
ギュッと歯を食いしばって、こらえる痛み――
その苦痛は一瞬で、あとは言い知れない快楽が、じわじわと身体じゅうにしみ込んでくる。
初めて血を吸われたときといっしょだ、と、青年は思った。
男は青年の思惑などつゆ知らず、というていで、なん度もなん度も青年の股間を抉っていった。
母さんが堕ちるのも、無理ないや。
青年は心からそう思い、母と吸血鬼との仲を取り持った父に、ひそかな称賛を送る。

「中條家の長女の貴代さん、知っているな?」
夫婦のベッドで、夫人をたっぷり可愛がったあと。
ゆっくりと身を起こしながら、吸血鬼はいった。
「京太のクラスの子でしょう?」
美奈代はけだるげな表情のまま、さぐるような視線を吸血鬼に投げた。
「そのお嬢さんを、先月堕とした」
「処女を奪ったの?」
「まあ、そんなところだ」
「まあ、珍しい」
「ほかにあてができたのでね」
フッフッと吸血鬼が笑う。
「アラ、捨てられちゃうなんてかわいそうね」
「そのかわいそうなお嬢さんを、拾って欲しい」
「どういうこと」
「あんたの息子の嫁にどうか?と訊いているのだ」
「あなたにお嫁入りした子を、うちの嫁として引き取れ・・・と?」
かなり屈辱的な条件の縁談なのに、母親は面白そうに目を輝かせる。
「私だって、主人がさいしょの男だったのよ」
暗に吸血鬼の目論見を軽く非難してみせたあと、
女は血を吸い尽された後のうつろな目を、天井にさ迷わせる。
「あー、でも・・・」
男は女が言葉を継ぐのを待っている。
「私、さいしょに抱かれるのも貴男だったらよかったなぁ。私の一番いいところ、全部あなたに差し上げたかった」
女は自分の言いぐさのなかにある答えに、初めて気づいたように顔をあげた。
「私の願望を、うちの嫁で実現するというのね?」
悪びれもせず頷く吸血鬼に、女は「エッチ」といって、情夫の頬を強くつねった。

この邸に彼女を連れてくるようになって、もう何回目になるだろう?
京太は血の抜けた身体をけだるげに横たえて、
貴代を伴って吸血鬼が消えた別室のほうを見やっていた。
この街では、まだ学生のころに、婚約を済ませるという。
親たちのすすめでお見合いをさせられたのは、まだセーラー服姿の同級生。
ずっと三年間を過ごした顔なじみのその少女は、特に仲が良くも悪くもなく、気心だけは知れていた。
親の決めた縁談に、否やはなかった。
彼はその縁談を、受け容れた。
すでに吸血鬼から直接すべてを聞かされたのに、巧みに言い含められてしまっていた。
吸血鬼が純潔を散らした少女を、未来の花嫁として受け容れる。
そんな立場に、マゾヒスティックな歓びさえ、感じていたから。
京太といっしょに邸を訪問するときは。
貴代は夏ものの制服の下、いつも黒のストッキングを履いていた。
それが嫁入り前に得た情夫を愉しませる装いなのだと、容易に察しがついたけれど。
京太は「似合うね」とだけ、言ってやった。
そう――きみと小父様は、似合いの不倫カップルだよね。

「気が向けば、覗いても良い」
仲良しの小父さんは、そんなことまで教えてくれた。
いままでは、覗く勇気がなかったけれど――
今初めて芽ばえた、どす黒い衝動が。
青年のなかでむくむくと、鎌首をもたげていった。
手の震えを抑えながら、ふすまの取っ手に手をかけて。
恐る恐る細目に開いたふすまの向こう――
黒のストッキングを片方だけ脱いだ少女は、
はだけた制服からピンク色の乳首を覗かせて、
ひそめた眉に甘い媚びをたたえながら、
未来の夫を裏切りつづけている。

隣人にスポーツを習う。

2017年05月27日(Sat) 11:18:53

夫の趣味は、長距離走。
妻の趣味は、ゴルフ。
そんな活発な若夫婦は、隣家でひっそりと暮らす独身の初老男のことを、なんとなしに気にかけていた。
「あのひと、いつもひっそりと憂鬱そうに暮らしているわ。もっと明るく暮らすために、あたしたちが外での遊び方を教えてあげましょうよ」
妻の加代子の意見に、夫の雅哉もすぐ賛成した。
けれども男はかたくなに、夫婦の誘いに乗ってこなかった。
穏やかな陰性の男ではあったけれど、決して人あたりは悪くない。
先日も夫婦で外国旅行に出かけたときには、ペットの小鳥をそれは大切に扱ってくれたくらいだったから。
それで若夫婦は気をもんで、きっと彼にあったであろう暗い過去を忘れさせてやろうと、躍起になった。

以前からこの街に棲んでいる同僚が、妙な助言をしてくれた。
ハイソックスとかストッキングとか、長い靴下を履いて誘うと、不思議と乗って来るらしい と。
若夫婦は不思議な顔をしながらも、自分たちよりも初老男とつき合いの長いらしい同僚の助言を容れることにした。

さいしょに応じたのが、夫に対してだった。
初老男は、昏くなってからにしないかと誘い、夫もこころよく相手の希望を容れた。
暗がりのなかでのマラソンは、興味深い結果をもたらした。
そのうっそりとした外見に似合わず、初老男は見かけによらず敏捷な動きをみせて、
10km先のゴールには、初老男のほうがはるかに速く到達したのだ。
「すごい・・・ですね・・・」
息せき切ってゴールインした夫は、それからあとも息せき切る羽目になった。
夫が短パンの下に履いている黒のハイソックスに、初老男が欲情の色をみせ、唇を吸いつけてきたのだから。
気がついたときにはもう、身体じゅうの生き血を舐め尽されて、
若い夫は初老男の欲するまま、ハイソックスが穴だらけになるまで、咬み破らせてしまっていた。
初老男は、まるでとどめを刺すようにして、若い夫の短パンを脱がせ、交尾した。
あらゆる不道徳を身に着けた彼は、男色家でもあったから。

つぎの日の朝は、妻のゴルフのお伴だった。
夜遅くなって戻った夫はそのままベッドに入って眠りこけてしまい、妻に警告を与えることができなかった。
伸び伸びとプレーを楽しむ妻の後を、初老男は多少まごつきながらもついて回り、
18ホール終わったときには、あなたは素質がありますねというありがたいお言葉まで頂戴していた。
クラブハウスに戻って着替える前。
妻がショートパンツの下に履いていたグレーのハイソックスに、初老男が欲情の色を見せ、卑猥な唇を吸いつけてきた。
まるで無警戒だった妻は、小麦色に陽灼けした太ももを咬まれ、ハイソックスのうえからふくらはぎも咬まれていった。
グレーのハイソックスが真っ赤に染まるまでいたぶりを受けた女は、グリーンの片隅の木陰に倒れ伏して、
あとは男の思うままになっていた。
初老男は、まるでとどめを刺すようにして、妻のショートパンツを脱がせ、白日の下、その場で交尾した。
あらゆる不道徳を身に着けた彼は、ひどく女を好んでいたから。

スポーツを楽しむ夫婦は、夫婦ながら初老男を連れ出して、
昼間は彼らがスポーツを教え、
夜は男がふたりを奴隷にした。
それでも夫は、妻が犯されるのをのぞき見するのを悦んだし、
妻はそうした夫に自分の媚態を見せつけるのを愉しんでいた。

人間と吸血鬼。
相容れないもの同士のはずが、親しい交際を結ぶようになった。
お互いが得合う関係 というよりは。
吸血鬼が一方的に、彼らから獲るばかりであったけれど。
夫も妻も、彼との交際から何かを得たらしく、
むしろ新しい関係を悦んで受け容れていったという。

この街に棲むようになった夫たちのための手引き。

2017年05月27日(Sat) 10:57:01

相手がほんとうに兇悪なやつで、きみの妻や恋人、娘や母親に危害を加えようとするのなら、
断固として戦うか、それが難しければ逃げるべきだ。
けれどもこの街に出没する吸血鬼は、決してそういう存在ではない。

まず彼はひっそりときみの日常に、居心地よく入り込んできて、
さりげなくきみの背後に佇んで、そっと首すじを吸うだろう。
気づいたときにはもう、彼の奴隷。
けれども彼は、そうして獲た正当な権利を、決して強引に行使しようとはしない。

礼節を尽くしてきみに接し、きみの健康を害しない範囲で、
自分の生命をつなぐのための最小限の血液を、きみの身体から欲するだろう。
その願いをかなえてやるだけの寛容さを、彼の牙がもたらした毒液は、きみに確実に植えつける。
それでもいずれ、きみの血液の量だけでは、彼の食欲をまかない切ることができないと気づくだろう。
彼はきみにそれを気づかせるために、ふだん彼のために血液を供給してくれる人たちとの交わりを断って、きみだけにかかり切りになるだろうから。

きみは初めて、焦りを感じる。
しかしそれは、身に危険が迫ったための単なる本能的な恐怖心からくるものではなくて、
むしろ彼に与える血液にこと欠いている状況が気になるだけだ。
きみは彼の渇きを癒すため、自分の妻を紹介することを、ごくしぜんに思いつく。

彼とは事前に、よく話をつけておくとよい。
彼がきみの妻に対して、どの程度の、そしてどんな種類の想いを抱いているのかを。

もし彼が、きみの妻に対して、刹那的な性欲を満足させるためだけの欲求を感じているのなら。
ためらうことなく、妻を紹介すると良い。
きみの妻がどれほど貞淑であろうとも、きっといちころでイカされてしまうだろうから。

もし彼が、きみの妻に対して、継続的なセックスフレンドとして遇するつもりがあるのなら。
ためらうことなく、妻を紹介すると良い。
ふたりはきみに迷惑のかからないやり方で、意気投合した交際を続けるだろうから。

もし彼が、きみの妻に対して、夫に近い愛情を感じはじめているのなら。
ためらうことなく、妻を紹介すると良い。
こと果てて骨の髄まで侵されてしまいさえすれば、きみの妻はきみに対して、感謝の念しか抱かないだろうから。

もし彼が、きみに対して、永遠の仲間に加えたいという意思を抱いているのなら。
ためらうことなく、自身の血を吸い尽させて、そのうえで妻を紹介すると良い。
彼はきみの家庭に入り込み、妻も娘も支配してしまうだろうけれど。
その見返りにきみは、この街で気になった女性を、未婚既婚問わずにモノにする権利を得られるだろうから。

きみはよくがんばった。

2017年05月27日(Sat) 07:33:22

放課後の学校の廊下をふらつきながら、直子はできるだけまっすぐ歩こうと努めていた。
すぐ傍らには、自分の親よりも年配の、男の吸血鬼。
それが直子の制服姿に抱きつかんばかりにしてまといつき、折々抱きすくめては、飢えた唇を首すじに吸いつけてくる。
そのたびごとに。
少女の素肌は蒼白く透きとおり、歯がみをする唇の奥は、キリキリと軋んだ。
「良い加減、観念したまえ」
諭すような囁きをいっさい拒否して、少女は決然とかぶりを振りつづけ、
ひと吸いされるたびに鈍くなる足取りを保とうと、懸命に足を踏ん張りつづける。

「きょうはきみの血を吸わせなさい。それから小父さんと、賭けをしよう。
 床におひざを突いたら、きみの履いているストッキングをイタズラさせていただくよ。
 さあ、きみは途中でおひざを突かずに、家まで戻ることができるかな」
すでになん人ものクラスメイトがその賭けに一方的に応じさせられて、
校門にすらたどり着くことができずに廊下にひざを突いてしまっていた。
賭けに勝つと、吸血鬼はそれ以上女の子を責めたりせずに、「お姫さま抱っこ」をして空き教室に連れ込むと、
黒のストッキングに透きとおる足許に息荒く唇を近寄せていって、
あげくの果てには、ひざ小僧がまる見えになるまで、むざんに咬み剥いでしまうのだった。

直子は今週になって二度、彼女のクラスメイトが連れ込まれるのを耳にした。
ふたりきりの教室は、立ち入り禁止の札が教師によって降ろされていて、少女たちにはどうすることもできなかった。
しばらく経つと、吸血鬼だけがひとり教室から出てきて、
相手の女子生徒の脚から抜き取ったストッキングをぶら提げて、ほくほくとした顔つきで立ち去ってゆき、
直子は息の細くなったクラスメイトをほかの生徒たちと一緒に抱えるようにして、保健室に連れていったのだ。
それが、月曜と水曜のことだった。
一日おき・・・
そしてきょう、金曜には、直子自身の番がまわってきてしまったのだ。

いやだ・・・いやだ・・・そんなふうにもてあそばれたくないっ。
逃げるのよ。応じないのよ。相手にしないのよ。
なんとしても、せめて校門までは、たどり着いてみせるから・・・
意地になって歩みを止めない少女に、吸血鬼はなおもしつようにまとわりついて、
首すじを吸われるたびに、強い眩暈を感じながらも、献血にだけは応じないわけにはいかなかった。
この学校は吸血鬼を密かに受け容れていて、生徒たちの献血行為をむしろ後押ししているくらいだったから。

けれども、喪われた血液の量がかさむにつれ、直子の歩みは目に見えて鈍くなって、
この放課後の遅い時間――早く帰ろうとしたのに、教師が直子に自習を命じて、意図的に遅くまで残らせたのだ――人通りもまれな廊下を舞台に、絶対に不利な賭けをつづけるのは、困難をきわめていた。
「きみはよくがんばった。ほんとうにえらかった。でも、あきらめも肝心だよ」
男はしたり顔を近寄せて、直子をいたぶるようにそんなことを囁きかけてくる。

くっ・・・悔しい・・っ!どうして私なのよっ。
少女は歯噛みをして、泣きべそを掻いて、それでもとうとう一歩も歩けなくなっていた。
「さあ、約束どおりだ。薄地の黒のストッキング、たっぷりと愉しませていただくぞ」
「お願いやめて!」
少女の願いも空しく、男は卑猥な唇を、ひざ丈のプリーツスカートの下に吸いつけてゆく。
スカートの下に身に着けた黒のストッキングが、不埒な唇を這わされて、いびつな弛みを走らせた。
「イヤだっ、イヤだっ、まだ歩くんだからっ。こんなことじゃ、お嫁に行けなくなっちゃうっ」
少女は泣き叫びながら、意識を彼方に持っていかれて、引きずり込まれるように姿勢を崩していった。
男のなまの唇が、なにかのご褒美にありつくように、それは嬉し気に、ストッキングを履いたふくらはぎを撫でまわす。
その忌まわしい感覚に打ち震えながら、直子の意識は遠くなっていった。


ふと目が覚めると、直子は自分がひどく不安定な姿勢でいることに気がついた。
身を横たえて、脚をぶらぶらさせている。
いったいどういうこと?
状況を理解するのに、数秒かかった。
直子はさっきまで彼女の血を吸い取っていた吸血鬼の腕に抱かれて、「お姫さま抱っこ」されていたのだ。
「ちょ、ちょっと!どういうこと!?恥ずかしいわ・・・ここ、街の商店街じゃないのっ!!」
うろたえる直子を、男はたったひと言で黙らせている。
「声をたてるとみんな振り返るぞ」

お姫さま抱っこの状態は、直子の家の前までつづけられた。
けれども貧血がよほどこたえたのか、いちど黙ってしまうともう、直子は口を開く気力もなく、ただ男の腕に身をゆだねて、脚をぶらぶらさせつづけているしかなくなっていた。
ようやくおろしてもらえたのは、玄関の前。
意外にも。
直子のストッキングは、裂け目ひとつ走らせてはいなかった。
「あんまり嘆き悲しむんでね、気がそがれた」
吸血鬼はむしろ、迷惑そうな顔をした。
「迷惑なのは、私のほうです」
直子は自分の血を吸った相手のことをまともに見つめ、そう詰った。
「わかっている。感謝している。ありがとな」
意外なくらいにすらすらと吐かれた感謝の言葉にどう答えていいかわからずに、直子が口ごもっていると。
吸血鬼は直子に背を向けて――あっという間に姿を消してしまっていた。
「来週も賭けをしような」
耳の奥にそんな囁きが、こびりついている。


「私の番は金曜って、決まっているのかな?」
ちょっぴり皮肉を交えて投げた言葉を、吸血鬼はごくまじめに受け止める。
「火曜と木曜は塾。予習と復習が大変なんだよな?」
いちおう、こちらの都合は勘定に入れてくれているらしい。
「毎日、お友だちと帰ることにしてるのよ」
「きょうは、だれもいないようだな」
そう――いつも帰りがいっしょの京子も里美も、何やかやと用事をかこつけて、先に帰ってしまっていた。
「きっと、気を利かせてくれたんだな」
「あなたの差し金ね、ひどい!」
直子は懸命な声で相手を詰ったが、手を引かれるままにいつの間にか、空き教室に引き入れられてしまっている。

教室でふたりきりになると、男の目つきが獣のそれに変わっていた。
激しく抱きつかれ、おとがいを仰のけられて、つぎの瞬間ガブリとやられてしまっていた。
アッ!
声をあげるいとまもなく、直子の血はゴクゴクと音をたてて飲まれ始める。
幸い、制服のえり首に血は撥ねていないようだった。
手近な椅子に腰を落とし、その椅子にも座りつづけかねて、いつしかひざ小僧が床すれすれになっていた。

ハッと気づいて体勢を立て直し、薄地のナイロンに包まれたひざ小僧が床に突くのを回避する。
けれども、男の吸血は、以前にもましてしつようだった。
目が眩み、身体の力が抜け、知らず知らずひざを突きそうになる。
逃げられる見込みは皆無――もうどうしようもない。
直子は悔し気に唇を歪め、教室の床にひざ小僧を突いていた。

一時間後。
窓の外は、薄暗くなりかけていた。
吸血鬼は仰向けになった直子のうえになおものしかかり、首すじに着けた傷口にあやされた血潮を、意地汚く舐め取っている。
なん度も気を喪いかけたけれど、そのたびに男は手かげんをしてくれて。
時にはひと休みをしながら、すこしでも少女のしなやかな身体からうら若い血液をむしり取ろうとしてか、
なん度もなん度も唇を吸いつけてくる。
意外にも。
男は、直子のストッキングを咬み破ろうとしなかった。

初めてひざ小僧を突いてしまったときには、ほんとうに観念した。
じじつ、男はすんなり伸びた直子のふくらはぎに唇を吸いつけてきて、ストッキングの上からふくらはぎをチュウチュウといたぶり始めた。
無作法なやり口に直子は悔しそうに歯がみをしたけれど、
ストッキングを破かれるのを嫌がるのを察してか、男が舐めるだけに終始しているのに気がつくと、
口では相手を罵り、露骨に嫌がりながらも、ストッキングを履いたままの脚を、くまなく舐めさせてしまっていた。
やがて男は落ち着きを取り戻し、ふたりのあいだのつかの間の静寂が訪れた。

直子がおずおずと口を開いた。
「ストッキング、破かないでくれたのね」
「あんまりあんたが、嫌がるんでな」
「少しは見直した」
「それは嬉しいね」
あの・・・直子はもっとおずおずと、口を開いた。
「他の子のときには、いつも破ってるの?」
吸血鬼はウフフ・・・と、思い出し笑いを泛べた。
質の悪そうな含み笑いだったが、いままでほど怖くは感じないと、直子は思った。
「きのうは京子、おとついは里美が破かせてくれた」
「えっ」
ふたりとは、大の仲良しだった。
「仲良し三人娘を三人ながらモノにしたくてね、あんたのクラスの担任に頼み込んだんだ。なんとか仲良くなりたいって」
「ふーん、じゃあ、京子とも里美とも、仲いいんだ」
「そうだね。もう2~3足破らせてくれてるくらいだからね」
直子はちょっとの間だけ、押し黙った。
そして、いままでよりはちょっとだけ強い口調で、いった。
「こんどからあたしのも、破っていいから」

う、ふ、ふ、ふ、ふ。
有頂天な含み笑いが、少女の耳の奥に、忌まわしく満ちた。
男の術中にまんまとはまって、気前よくストッキングを破らせるはめになりながら。
相手の下品なやり口に、精いっぱいの罵り文句を思い浮かべながら。
それでも少女は、脚を引っ込めようとはもうしなかった。
皮膚の奥まで突き入れられてくる牙が、むしょうに小気味よい。
なよなよとした薄地のストッキングを容赦なく咬み剥いでいかれて、皮膚が外気にふれてすーすーするのさえ、不思議な解放感になっていた。
堕落させられた。でも、それも悪くない・・・か。
直子は不覚にもへらへら笑いながら、足許をなまめかしく染めていた黒のストッキングがいびつによじれてゆく有様を、面白そうに見つめ続けていた。

博愛。3

2017年05月27日(Sat) 06:38:46

「最終的には僕、塔子さんを奪(と)られてしまうんだよね・・・?」
タカシはいつものようにハイソックスを履いたふくらはぎを吸血鬼に咬ませながら、訊いた。
声がここひと月かそこらで、ひどく虚ろになっている。
自分自身の生命力さえ吸い尽されかねなかったのに、彼が気にしているのはもっぱら、同級生との行く末だった。
「きみが僕の血を吸い尽して、僕の代わりに塔子さんをモノにする・・・そういうことなんだよね・・・?」
「きょうは、やけにこだわるね」
老吸血鬼は少年の足許から牙を引き抜くと、自分を見おろしてくる視線と正対した。
まだ拭われていない口許には、吸い取ったばかりの血潮がチラチラと輝いている。
「若ぇひとの血は、旨めぇ」
男は下世話な口調になって、吸い残したタカシの血を、手の甲で無造作に拭った。
「盗(と)りはするが、奪(と)りはせぬ」
男の言いぐさがタカシに通じなかったのは、もっともなことだった。
「そんなことよりもお前、塔子にひどいことを言ったそうだな」
陰にこもった声色に、少年はどきりと胸を衝(つ)かれた。

「きみはいつから、そんなにふしだらになったんだ?」
投げつけた言葉は意外に深く、塔子の胸に突き刺さったらしい。

少年が訪れる少し前、塔子は独りこの邸を訪れて、
「好きなようにしてください!」と、言ったそうだ。
好きなように・・・しちゃったんです・・・か・・・?
少年は恐る恐る、怖い答えの待ち受けていそうな問いを口にする。

阿呆。
吸血鬼はうそぶいた。
「きょうのあの子の血は、不味かった」
「どういうことですか」
少年はやや憤然として、訊いた。
恐怖心をなだめすかして一人この邸を訪問し、
苦痛をこらえてせっかく血液を提供したのに、その言いぐさはないだろう、と、少年の顔が言っている。
「不味さの原因を作ったのは、お前だ」
なぜだかわかるな?――これ以上言わせるなと言わんばかりに、吸血鬼は少年を睨んだ。

「お仕置きだ。あの子から摂れなかったぶんの血も、あんたからいただく」
チュウチュウと音をたてて吸い取られる血液が傷口を通り抜けてゆくむず痒さに、少年は歯噛みをくり返した。
それでも彼は、いつも以上に気前よく、美味いと褒められた若い血液を提供し続けている。
どうやら塔子にとって、自分は必要な存在らしい、ということだけは伝わったから。

嫉妬は血の味を不味くする。失望や不安もまた、血の味を不味くする。
どうせなら、吸い取る血が美味な状態にわが身を保て。
お前はあの子と結婚する。
そのあとでわしに――
みなまで言わせずに、少年はただ、強くかぶりを振りつづけた。

十年後。
華燭の典をあげたふたりのまえから、吸血鬼は姿を消した。
処女のうちは犯すことなく血を吸いつづける吸血鬼は、セックス経験を持った婦人には容赦なく襲いかかり、肉体関係まで遂げてしまうという。
その機会が訪れる前に、彼は乙女ではなくなった女と、嫉妬深いその夫の前から立ち去ったのだった。


あとがき
さいごは、「博愛」ではなくなったような。。 (^^ゞ
処女のあいだは犯されることなくその生き血を吸われつづけたとしても、
結婚後初めて逢ったときには、犯されてしまう運命――
吸血鬼はもちろん、少女も少年も、そうなることは察していたはず。
ふたりの愛を壊すことになりかねない立場を知った吸血鬼は、自ら身を引きます。
このお話が「博愛」として完結するためには、やや時間が必要なみたいです。

今月は。

2017年05月26日(Fri) 07:59:11

あっぷしたお話の数が、意外にふくらみました。
中旬ころに、よくつづくなあ。日数と同じくらい描いているなあと気がついて、
それからはやや、日数よりも多く描こうという気分も交えてしまいましたが、
すとれすが原動力のこのブログの記事数が多いということは、いいことなのか悪いことなのか?と思ったりします。

もっとも、今週末はネット落ちすることになりそうなので、しばらくあっぷのほうはお休みになるかもです。
記事数が30の大台に乗ったら、ほんとうにひさしぶりのことになるんですけどねえ。

博愛。2

2017年05月26日(Fri) 07:54:40

血を抜き取られた若い身体と心とは、心地よい空っぽ状態。
タカシは床に尻もちを突いたまま、窓の向こうの青空を見あげる。
背後のドアの向こうで行われている行為から、ひたすら注意をそらすために。

かな子と2人連れだってやって来た、吸血鬼の館。
クラスの男女が1人ずつ、当番で行われる献血行為は、すでになん回になったことだろう?
「博愛の献血行為、なんですよね?」
両家の育ちで人の汚れなどこれっぽっちも意識にないらしい連れの少女は、
制服姿の肩を並べてここを訪れるたび、確かめるように彼に訊いた。
温かな人柄をたたえた柔らかなまなざしがひどく眩しくて、少年はそのたびごとに無口になる。

彼女とつきあうようになったのは、この訪問がきっかけだった。
もしかすると感謝をしなければいけない相手だったが、
さっきまでタカシの血をしつように吸い取った吸血鬼に対して、少年は複雑な思いを抱いている。
たんなる栄養摂取にしては、男が少女の素肌に執着するようすは、明らかに不自然だったから。

それでも少女は博愛の行為をやめようとはしなかった。
男のあらぬ想いを薄々察しながらも、賢明にもそれに気づかないふりをして、応接をくり返す。
連れの少年が心に秘めた複雑な思いに対しても、きっと同じように察しながらも、気づかないふりをしているのだろう。
ドアの向こうで、制服姿を凌辱されている少女はそれでも、礼節を尽くして男と接し続けているに違いない。

男とふたりだけのとき、彼は少年に囁いた。
――身をもってわしのことを救ってくださるのじゃ。あのひとの名誉はなんとしても、わしが守る。
同じように。
僕は彼女の名誉を守ることができるのだろうか?
タカシがそんな想いを胸にふたたび青空に目をやったとき、
あぁ・・・
少女が不覚にも洩らした声が、ドアの向こうから洩れてきた。

博愛。

2017年05月26日(Fri) 07:40:27

「献血に伺いました」
制服姿の少女は、おっとりとほほ笑んで、礼儀正しく一礼する。
相手は醜悪な、老年の吸血鬼。
けれども少女は、博愛を旨とする学園の優等生らしく、ひたすら礼節正しく相手に接しつづけていた。
その身に宿す若い血潮が、この老人の損なわれた心身を癒すことを、信じて疑わなかったのだ。

「ストッキング、今日も破かれてしまうのですか?」
その問いを発したときだけ彼女は、ちょっとだけ眉を顰めた。
処女らしい羞じらいと潔癖な嫌悪感が、彼女の意思を裏切ってその整った目鼻立ちをよぎる。
応えない相手の態度に、自らの質問のはしたなさを感じてか、少女は顔を赤らめながら、ベッドのうえにうつ伏せになっていった。
制服のプリーツスカートの下、黒のストッキングの薄い生地越しに、大人びた白い脛がなまめかしく映える。
吸血鬼は目の色を変えて少女の足許にかがみ込んで、好色な唇を吸いつけていった。

自らの行動が博愛の精神に通じると、信じて疑わない少女。
相手の純真を知りながらも、己の劣情を抑えかねる老吸血鬼。
小父様、お行儀よくないわ――
そう言いたいのをこらえて歯がみをする少女の脚を抑えつけて、
チュウチュウと音をたてて少女のふくらはぎを吸いつづける吸血鬼は、
薄手のナイロン生地に淫らな唾液をヌルヌルと、しみ込ませていった。

相姦家族

2017年05月25日(Thu) 07:44:29

啓一郎が勤めから戻ってくると、娘の華菜が制服姿のままリビングで頬杖をついて、父親の帰りを待っていた。
「父さんお帰りぃ」
華菜はいつもの自堕落な口調で、父親の帰りを迎えると、両親の寝室のほうをあごでふり返って、いった。
「母さんは今、熱烈浮気中だよぉ」
啓一郎もさるもの、「あ、そう」と軽く受け流して、妻の作った晩御飯をレンジに持っていく。
「長次郎のやつ来てるんだ」
ちゃんと浮気相手のことも、よくわかっているのである。
長次郎とは幼なじみの仲で、若いころから嫁を交換したりするほど親しかった。
「ちょっとー、だらしないじゃん~。奥さんに浮気され放題なんてー」
華菜は頬杖を突いたまま、からかい口調で父親をなじる。
啓一郎はそんな娘をふり返りもせずに、「仲いいんだったら、いいんじゃないの」と、取り合わない。
両親の愛情が冷めきっているわけではなくて、父が母とのセックスを毎晩のように欠かさないことも、娘はしっかり把握していた。
「お2人、今夜はアツアツだったよ~。今夜はあたしが、母さんの代わりに相手してあげようか」
娘はどきりとするようなことを、父親にいった。
啓一郎はさすがにあわてた。
「ば、バカ。いくらなんでも父娘でそんなことできるかよ!」
華菜は格好の良い脚をぶらぶらさせながら、しゃあしゃあと応えた。
「だってー。父さんがしてくれなかったらあたし、このあと長次郎小父さんに姦(や)られることになってんだもん」
初めてはやっぱり、父さんがいいな・・・と、華菜は笑った。
男をいちころにするような、あどけない媚び笑いで。

やがて奥の寝室から、長次郎が頭を掻き掻き出てきた。
「悪りぃ、悪りぃ、今夜は帰り、早かったんだな」
啓一郎は咎めもせずに、いつから来てるの?と訊いた。お昼過ぎからと答えがかえってくるとさすがに、「よくがんばるなあ」と感心している。
妻の浮気相手は娘を指さして、啓一郎にいった。
「華菜ちゃん、どっちが先に女にする?」
長次郎はちょっとだけしんけんな顔になっていた。
啓一郎が華菜の手を邪慳に引っ張ると、「それがええ、それがええ」と、納得したようにうなづいている。
どうやら、華菜の処女にはそんなに、執着していないらしい。

妻と浮気相手、父親と娘がそれぞれ別の部屋で戯れ終わると、どちらからともなくリビングに戻ってきた。
夫婦はそこで初めて、顔を合わせる。
「おかえりなさい、早かったわねえ」
妻がなにごともなかったかのように夫をねぎらうと、
「んー、今夜はみんな早上がりだったんだよな」
と、夫もふだんと変わらない口調で、妻に応えた。
妻の華子は娘の華菜に、そのときだけは母親らしい気づかわし気な顔になって、「痛かった?」と訊き、
「んー、けっこうキモチよかった」と娘がしゃあしゃあと応えると、「この子ったら、まあ」と、ちょっとだけ口を尖らせた。


翌晩啓一郎が家に戻ってくると、妻の華子がリビングで頬杖をついて、夫の帰りを待っていた。
「おや、華菜は?」
夕食時に姿を見せない娘を父親が気づかうと、華子はいった。
「長次郎さんと仲良くしてる」
夕べあのあと相手を取り替え合ってセックスに耽ったが、どうやら長次郎は娘のことも気に入ったらしかった。
「ふた晩続けておんなじ人とだなんて、あのひとにしては珍しいね」
華子はぼそりとそういった。

やがて華菜の勉強部屋から、長次郎が頭を掻き掻き出てきた。
「ロリコン男~」
啓一郎が長次郎をそういってからかうと、あとから出てきた華菜が「父さんだっていっしょじゃん」と、やりかえした。
「相談があるんだけどさ」
ひとの家の娘を犯しておいて、長次郎は啓一郎の真横に座るとずばりと切り出した。
「華菜ちゃん、うちの誠太の嫁にくれないかな」
啓ちゃんとの仲はそのままでいいから・・・と、長次郎は寛大なところをみせてくる。
「いちおう父親として味見をしたけど、華菜ちゃんいい身体しているワ。こんな子がウチの嫁になってくれたらエエなあって夕べ思ったんよ」
息子の誠太にも、ぜんぶ話してあるという。
「父ちゃんが未来の嫁の味見をしたことまでか?」
さすがに啓一郎が訊き返すと、「もちろんね」と、長次郎とこたえた。
家族の間で秘密はなしってことにしてるから――と、真面目な口調になっている。
誠太が初めて識った女が実の母親だということも、啓一郎は長次郎からきいて知っていた。
「あいつは優しい子だからな、華菜ちゃんがお嫁に来てくれるなら、父さんも時々抱いてもかまわないよって言ってくれたよ」
娘の新婚家庭はいったいどういうことになるのだろう?と、啓一郎はおもった。
「あいつ、俺の子じゃないことも、ちゃんと知ってるんだ」
長次郎はまたしても、どきりとするようなことを言った。


もともと啓一郎のところは、ごく普通の真面目な家庭だった。
しかし長次郎の家は、母子や父娘のセックスを、ふつうに交わす家だった。
生まれ育った家の習慣をむしろ誇りに思っている長次郎は、「そのほうが楽しいぜ?」と、啓一郎をそそのかした。
十代のころは同性愛の経験もある幼なじみに誘われるまま、啓一郎は妻の華子を誘惑するチャンスを与えてやり、
長次郎はまんまと、幼なじみの愛妻をたらし込んでしまっていた。
「おれだけいい想いしたら悪りぃから」と、長次郎は義理堅いところをみせ、啓一郎には自分の嫁を紹介していた。
長次郎の嫁の雅江もまた、義父に抱かれることで目ざめてしまっていて、
ふた組の若夫婦はしばしば嫁を取り替え合って夜を過ごしてきた。


長次郎が息子の誠太を啓一郎の家に連れてきたのは、その次の日のことだった。
誠太と華菜とは、知らない仲ではない。
けれども、電車で2時間かけて都会の名門校に通うようになった華菜を目にするのは、久しぶりのことだったに違いない。
このかいわいで着ている子も少ない名門校の制服を着た華菜のことを、誠太は眩しそうに見つめた。
「ほんとにいいの?あたし、こっちの父さんとも、うちの父さんともご縁のある子になっちゃったんだよ」
自分の素性をあっけらかんと暴露する娘に、
「平気だよ、うちそういうの慣れているから」
妙に明るい瞳をした青年は、さわやかな口調でこたえていた。
「ボク、父さんの子じゃないからね。父さんも知ってるけれど」
啓一郎は、夕べ長次郎が同じことを言っていたのを思い出した。「いったいどういうこと?」
「橋のたもとに掘っ立て小屋を建てて棲んでる爺さん、いるだろ?」
長次郎はこのかいわいに永年棲み着いている浮浪者のことを話題にした。
「雅江のやつが俺のところに嫁に来るすこし前に、あいつに犯されちまったんだ」

どっちかというと俺さ、変態だからドキドキしちまって。
弱みを握られた雅江がやつのところに呼び出されてあの掘っ立て小屋のなかで抱かれてるのをのぞき見して、愉しんじまっていたんだ。
たまたまさ、勤め帰りのスーツを着崩れさせて出てきた雅江と鉢合わせしちまって、
それからはさ、デートのあとに爺さんのところに立ち寄って雅江を抱かせて、そのあと二人で草むらで姦(や)るのが習慣になってたんだよな。
誠太はそのときの子。

「あら」
華子がちょっとびっくりしたような声をあげた。
「どうしたの、母さん」
長次郎小父さんの打ち明け話に興味津々で聞き入っていた華菜が母親をふり返ると、華子がいった。
「だってその人にあたしも、この人と結婚するちょっと前に襲われて犯されちゃったのよ。
 華菜はそのときの子。

・・・ってことは・・・。
父親ふたりは、顔を見合わせる。
誠太と華菜はじつの兄妹?
婚約者の純潔を同じ浮浪者に奪われた男ふたりは、「なあんだ」と、苦笑し合った。
華菜が真っ先に反応した。
「じゃああの小父さんも、あたしたちの結婚式に呼ぼうか」
だれもがいちように、頷き合っていた。
「あのじいちゃん、まだお盛んなんだよ。華菜の友だちも二人やられた」
「ボク、爺さんに逢いに行く時華菜のことを連れてってやる」
「実の娘でも抱くかな」
「関係ないんじゃない?ああいうひとは」
「雅代がやられたときには、勤め帰りのスーツ着ていた」
「あたしが啓一郎さんより先に犯されちゃったときも、新調したばかりのスーツ台無しにされたのよ」
「お友だちがやられちゃったときは2人とも、学校帰りだったんだって」
きちっとした服を着ている女を襲いたがるんだな・・・男たちはいちように、納得していた。
「ボクといっしょに爺さんのところに行く時には、制服着て来てね」という誠太に、華菜はあっさりと「ウンいいよ」と、こたえていた。

「チョウの家の人たちは、みんな強いな」
啓一郎がそういうと、
「華子さんも華菜ちゃんも、強くなったじゃん。俺の感化で」
と、長次郎は妙な自慢をした。
「どっちの父さんも さ」
誠太がいった。
「僕たちが結婚してからも、華菜ちゃんとつき合ってもいいからね。むしろそのほうが、まともな子が生まれたりして」
きらきらと虚ろに輝く瞳が、ひどくさわやかだと華菜はおもった。


あとがき
倫理観がかけ離れた家族の日常を淡々と描いてみたいな と思っていたら、
これでもかこれでもかというくらい、変なお話になってしまいました。 (^^ゞ
啓一郎の一人娘も、長次郎の一人息子も、お互いの妻が浮浪者に犯されてできた子・・・ということは、
どちらの男も子孫がいないことになるんですね。
ふたりが子孫を残すチャンスは、華菜に託されているみたいです。

奥さんを紹介してくれないか。

2017年05月22日(Mon) 07:54:55

奥さんを紹介してくれないか。

わたしの血をなん度も吸った吸血鬼に、そうねだられて。
断り切れなくなりかけていた。

ちょっと待ってくれ。
ひと晩だけでも、待ってくれ。
妻を説得してみせるから。

出来ないに決まっている約束をくり返すわたしに彼は、「無理はするなよ」と言ってくれた。
けれどもそのうちに、妻のほうでわたしの顔色を見て察してしまっていた。

あなた、吸血鬼に逢っているでしょ。
私のこと、紹介するの?
覚悟はできているわよ。だからあなた、無理しないでね。

この街に吸血鬼が出没することも。
都会で暮らせなくなったわたしたちがこの街に棲むことを受け容れてもらえたのは、
いずれこうなることを夫婦ながら同意したのと引き替えであることも。
妻もわたしも、忘れてはいなかった。

吸血鬼に妻を紹介する。
ということは、
吸血鬼が妻を襲うことを承知する。
というのと、同意義である。
そんなことはもちろん、わかっている。
わたしの知らないところで襲ってくれればいいのに。
ふとそう考えたこともある。
けれどもそういう考えは卑怯なのだと、心のどこかでそんな声も聞こえてくる。
自分の関係ないところで、物事が自分に都合のよいようにまわってくれる。
もしもそんな状況が訪れるとしたならば、それはだれかによほど感謝しなければならないレベルなのだから。

吸血鬼は、「紹介してほしい」と願っている。
妻もまた、「紹介を受ける覚悟はできている」と言っている。
吸血鬼は、「きみの妻を襲わせろ」と希望している。
妻もまた、「襲われてしまっても仕方がないと観念している。
ふたつの意思に、3つ目の意思が後追いをして、おなじ道をたどるのは、もう時間の問題だった。

いつもの公園で首すじを咬んでもらった後、
わたしは彼を伴って、帰宅する。
あらかじめ言い含められていた妻は、よそ行きのいい服を着て訪問客を待ち受けて、
ありあわせのお酒で、初対面のお祝いをして。
酔っ払ったから夜風に当たって来ると言い訳しながら玄関のドアを開ける背中越し、
吸血鬼が妻を押し倒すのを、気配で感じていた。

ちょっと出てくるとは、ポーズだけの話。
ゾクゾク昂る気持ちを抑えかね、わたしは自宅の庭先にまわり込んで、いちぶしじゅうを見届ける。
観念して首すじを咬まれた妻は、
ストッキングを穿いた足許にも唇を吸いつけられて、
相手の男がストッキングを咬み破るのを、顔をしかめて見守って。
もういちど、息荒くのしかかってくるのを防ぎかねて、
唇で唇をふさがれる直前、「あなたぁ!」とちいさく叫んで、
股を割られ、強引な腰の動きに支配されて、
歯を食いしばって耐えていたはずが、いつの間にか悩ましい吐息を洩らしはじめていた。

素知らぬ顔をして帰宅したとき。
ふたりはしれっとした顔つきで、お酒のつづきをやっていた。
「時々お誘いを受けるからね」
まんざらでもなさそうな妻の横顔を軽く睨んで、
今夜こいつが帰ったら、どうやって押し倒してやろうか?と、
久しぶりにそんなことを想い浮かべているわたしがいた。